米国株に関する直近の状況について解説します。
直近の米国株式市場は、主要3指数が続落するなど、高値圏からのスピード調整が続いている局面です。
しかし、対局的にはまだ上昇方向の動きが完全に崩れているわけではないとされています。
主要指数の動向(9月24日取引終了時点の報告)
主要な株価指数は2日連続で下落しました。
ニューヨークダウは0.37%の反落。
S&P 500は0.28%の下落。
ナスダックは0.33%の下落。
ナスダックやS&P 500は、ボリンジャーバンドのプラス1シグマでなんとか踏みとどまっていますが、MACDがデッドクロスを形成するかが短期的な焦点となっています。
市場参加者の心理を示すFear & Greed Indexは57まで若干後退しており、短期的なスピード調整を受けています。
AI関連銘柄の動向と懸念
最近の上昇を牽引してきたAI関連の大型株が売られ、市場調整の背景となっています。
NVIDIAとOracleは2日連続で下落しました。
NVIDIAは1%弱、Oracleは2%程度下落しています。
NVIDIAとOracleの下げの背景には、AI投資への懐疑的見方やバリュエーションの割高感があるとの指摘があります。
特に、AI業界における循環的な資金調達モデル(例えば、NVIDIAが出資した企業がその資金でNVIDIAのGPUを購入する、といった動き)に対する懸念が高まっています。
個別企業の動向
Oracleは、データセンターなどの設備投資のために、今年2番目の規模となる180億ドル相当の投資適格債を発行しました。
これはAI関連への強い需要と、クラウドを支える電力やデータセンターへの莫大な資金流入を証明しています。
Intelは、事業再建の一環としてAppleに投資を求めているとの報道があり、株価は上昇しました。
Teslaは、納車台数予測の上方修正期待などから約4%上昇し、市場で目立っていました。
Micron* は決算内容が良かったにもかかわらず、株価が2.82%下落しました。
これは、決算前に株価が上がりすぎていたため、利益確定売りが出たためと考えられます。
NVIDIAは、中国のアリババとフィジカルAI分野で提携するとの発表もありましたが、株価はプラスを維持できませんでした。
金融・経済の状況
金利とFRBの動向
10年債利回りは4.141%~4.149%前後で推移しており、短期的な上げ下げが続いています。
市場は年内に残り2回の利下げを意識した動きになっています。
10月の利下げはほぼ確実(93%~94%の織り込み)と見られています。
パウエルFRB議長が「株価はかなり高く評価されている」と発言したことが、利益確定売りの一因になった可能性があります。
FRB内部では、利下げのペースやタイミングについて意見の相違が見られます。
ベッセント財務長官は、パウエル議長が年内100~150ベーシスポイントの利下げ目標を示さないことに失望を表明しています。
一方、ボーマンFRB理事は、労働市場が不安定な局面に入るリスクを指摘し、利下げが遅すぎた(後手に回った)可能性を示唆しています。
住宅市場の指標
8月の新築住宅販売件数は前月比で20.5%増加し、2022年以来の高水準となりました。
この増加は、金利低下傾向に加え、住宅建設業者による積極的な値引きや販売インセンティブ(例えば、大手レナーは平均販売価格の14.3%相当のインセンティブを提示)によって後押しされている側面があります。
数字は好調に見えますが、これは企業が利益を削って販売を成り立たせているサインであり、景気の健全さをそのまま意味するわけではないとの指摘があります。
信用市場のリスク
信用力の低い個人向けサブプライム自動車ローンの会社が破綻し、利払いが取り消されるという出来事が発生しており、信用不安のひびが市場の弱い部分から現れ始めている兆候として注目されています。
投資家にとっての論点
現在の市場の調整局面は、投資家にとって「押し目買いの好機」と捉えるべきか、それとも「バブルの終わりを告げる出口のサイン」と見るべきかという議論が起こっています。
強気意見(調整は一時的)
2022年10月を起点とする強気相場は、歴史的に見て平均約8年間続くため、まだ上昇余地があるという見方があります。
警戒意見(バブルの兆候)
AI関連の循環的な資金調達や、住宅市場の数字の強さが値引きによるものだという裏側、そして信用市場の端々から生じている不安は、加熱の終焉を告げるシグナルかもしれないという見方もあります。
長期高金利の継続
バンガードは、インフレ率が2%を上回る状況が続くため、FRBが大幅な金融緩和を行うのは難しく、構造的に高金利が続く世界に投資家がどう適応するかが重要だと論じています。


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