米国株市場の全体的な動向
最高値の更新
株式市場(S&P 500、Nasdaq、ダウ)は再び最高値を更新しており、特にS&P 500は今年だけで約30回も市場最高値を記録し、最高値更新が日常となりつつあります。
急激な上昇への警戒
Nasdaqの勢いは止まらず、2日連続で窓開け(ギャップアップ)の上昇を見せており、これは急ピッチすぎる上昇後の大きな反落リスクを高める警戒すべきシグナルとも言われています。
リスクオンの姿勢
市場はリスクオンに傾いており、これまで投機的に買われていたゴールド(金)は下落しました。
市場のムード
VIX(変動率指数)は大きく下落して15となり、株が買われやすい地合いができています。
投資家心理
株価が高い水準にあるにもかかわらず、投資家心理を示すフィア&グリード指数はまだ「フィア(恐怖)」の状態にあり、これは市場としては「悪くない状態」と評価されています(極端な強欲ではないため)。
主な市場牽引要因と経済指標
牽引役
市場の主な牽引役は、貿易(米中関係)とテクノロジーです。
米中関係の改善期待
米中貿易協議で関税を軸とした暫定合意に達したことや、トランプ大統領の楽観的な発言により、投資家心理が押し上げられました。
好決算の継続
S&P 500構成銘柄の約3分の1が決算発表を終えており、その多くが市場予想を上回る好決算を出しています。
ポジティブサプライズの割合は69%(または他の集計では85%)と、この数年の中で大きい水準です。
AI関連の強気な見通し
AI関連を中心としたテック企業からの強気な見通しが、市場全体を押し上げています。
今週の主要イベント(決算と政策)
今週は「テックの祭典ウィーク」であり、イベントが盛りだくさんです。
ビッグテック決算
NVIDIAの開発者向けイベントGTCが開催される他、Apple、Microsoft、Google、Meta、Amazonなど、M7のうちの5社を含むビッグテックの決算が続きます。
決算の焦点は、クラウド部門の成長(Google CloudやAzureが30%超の成長を見せた一方、Amazon AWSが18%にとどまった差がどう動くか)と、AI関連の設備投資の規模です。
投資家は決算を待ちきれず、すでに買いが入っている状況です。
米中首脳会談
世界中の投資家が注目するメインイベントとして、トランプ大統領と中国の習近平国家主席との会談が予定されています。
主な議題は、レアアース(希少鉱物)の輸出規制、輸出規制(半導体製造装置など)の緩和、そして関税問題などが焦点となります。
レアアースに関しては、中国が対米輸出制限の再検討を1年間延期する見込みであるという発言があり、これにより米国側のレアアース関連株が急落しました。
金融政策
今週、政策金利の発表が控えています。
政策金利は利下げでほぼ間違いないと予想されていますが、量的引き締め(QT)をストップする文面が入るかどうかがサプライズとなる可能性があります。
個別企業・セクターの動向
Qualcomm (クアルコム)
AIデータセンター向けサーバーチップ2種を発表し、株価が11%急騰しました。
最初の顧客はサウジアラビアのAIスタートアップであるヒューメイン社です。
NVIDIA / AMD
Qualcommのデータセンター参入ニュースを受け、一時NVIDIA株は下落しましたが、すぐに反発し上昇しました。
AMDは米国エネルギー省と10億ドル規模のパートナーシップを結び、スーパーコンピューターを構築する予定です。
Amazon (アマゾン)
ホワイトカラー従業員を対象とした過去最大規模となる約3万人の削減(約10%)計画を進めており、これはAIツール導入による効率化と関連付けられています。
Microsoft (マイクロソフト)
アナリストの99%が強気に評価しており、AIの恩恵を明確に受ける企業として「買い」に投資判断が引き上げられました。
Tesla (テスラ)
取締役会会長が、イーロン・マスク氏の約1兆円規模の報酬パッケージに賛成票を投じるよう株主に呼びかける書簡を出したことで、株価が上昇しました。
レアアース関連株
中国の輸出制限が延期される見込みとなったため、MPマテリアルズやUSAレアアースなど米国レアアース関連株は7~8%超下落しました。


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