米国株2025年11月4日

米国株
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市場全般の動向と主要指数

最近の米国株式市場は、引き続きテクノロジー株、特にAI関連株によって牽引される展開が続いています。

主要指数

NASDAQは0.46%上昇、S&P 500は0.17%上昇しました。

S&P 500は小幅な上昇に留まりました。

ダウ平均は0.48%上昇しましたが、構成銘柄30社のうち23社が下落するなど、全体としては下落で終えたとの見方もあります。

中小型株のラッセル指数は0.33%下落しました。

マグニフィセント・セブン(Mag 7)

AIブームの恩恵を受け、巨大ハイテク株で構成されるMag 7の指標は1.2%上昇しました。

市場の偏り

指数は上昇しているものの、S&P 500の構成銘柄では約300社が下落するなど、上昇の裾野は広くありません。

大型ハイテク株が無理やり指数を押し上げている状態であり、株価が横ばいにもかかわらず騰落株線(ADライン)が下落していることは、市場が健全ではない状態を示唆しています。

ボラティリティ

S&P 500のボラティリティは17.6まで下がり、「ニュートラル」に近づいていますが、まだ「フィア(恐怖)」の段階にあります。

主要企業のニュースとAIを巡る動向

AI関連の契約や決算が市場の大きな材料となりました。

AmazonとOpen AIの大型契約

Amazonの株価は4%急騰しました。

Open AIが今後数年間でAmazon Web Services (AWS) に380億ドル(約5.9兆円~6兆円)を支払うという超大型契約を締結したことが要因です。

Amazonの利点

この契約により、AmazonはAI向けの巨大コンピューティングを世界規模で安定供給できる実力を示し、AIインフラ争奪戦において、MicrosoftやGoogleに対する存在感を高めることができます。

Open AIの利点

計算資源の需要が膨らむ中で、AWSの大規模クラスターを直ちに利用でき、来年末までに必要なキャパシティを確保する道筋が明確になりました。

Open AIはAzureやOracleなどとも契約を結んでおり、AWSの追加は単一ベンダー依存のリスクを減らすマルチクラウド戦略の強化の一手と見られています。

MicrosoftとIren(旧アイリス・エナジー)の提携

Microsoftは、オーストラリア企業のアイレン(IRen、旧社名アイリス・エナジー)と約100億ドル(約97億ドル)規模のクラウド契約を締結しました。

Irenの株価反応

アイレンの株価は12%以上急騰しました。

同社は暗号資産マイニングに加え、AIデータセンター(ネオ・クラウド)事業も手掛けており、Microsoftは自社データセンターのリソース不足を補うために、アイレンのキャパシティを求めています。

懸念点

契約総額97億ドルに対し、アイレンはデル・テクノロジーズから58億ドル相当のチップや関連機器を購入する必要があります。

さらに、この契約で使用されるのはアイレンの現在のキャパシティの約10%に留まるという情報もあり、契約の利益率や整合性について疑問が呈されています。

パランティア(PLTR)の決算

大注目のパランティアは予想を上回る好決算を発表しました。

決算内容

売上高は予測(10.9億ドル)に対し11.8億ドルで、前年同期比63%増と高い成長を見せました。

特に米国商用向け売上は121%増の3.97億ドルで、ウォール街の予想を大きく上回りました。

株価の反応

決算発表前には3.35%上昇していましたが、発表直後に激しく乱高下し、最新情報では5.8%下落しています。

バリュエーション

パランティアのPERは依然として非常に高い水準(1000超)にあり、相当な成長率と高い期待が求められています。

その他の主要株

NVIDIA

2.1%上昇しました。

MicrosoftがUAE向けにNVIDIAの先端チップ輸出を許可されたことが追い風となりました。

アルファベット (GOOGL)

1%上昇しました。

データセンターなどのインフラ投資のため、200億ドル以上の社債を発行すると発表しました。

経済指標と金融政策の見解

経済指標

ISM製造業景況指数 (PMI)

8ヶ月連続で活動縮小を示す結果が出ました。

生産指数(48.2)は3ヶ月で2度目の縮小、雇用指数は9ヶ月連続で縮小しています。

仕入れ価格指数

1月以来の低水準(58)に達し、関税導入前の水準まで下がってきています。

これは、製造業における投入コストへの圧力が最も厳しい時期を既に過ぎた可能性が高く、インフレ懸念を和らげる材料の一つとなっています。

FRB高官の発言

FRB高官らは、金融政策について「柔軟に対応する」という点では共通していますが、見解は分かれています。

クックFRB理事

雇用の下振れリスクがインフレの上振れリスクより大きいとして、雇用を心配しています。

グールズビ・シカゴ連銀総裁

労働市場よりもインフレを警戒しており、インフレ鈍化に合わせた金利引き下げが最も慎重な対応だろうと述べています。

マイラFRB理事

金融政策は過度に景気抑制的であり、金利が高すぎるとの見解から、大幅利下げを引き続き主張しています。

全ての高官は、12月の利下げについて「何も決めていない」「データ次第」としています。

市場では追加利下げをメインシナリオとしていますが、パウエル議長は規定路線ではないと述べています。

その他の市場トピック

レアアース関連株の急落

中国によるレアアース輸出規制の停止合意(トランプ大統領の発言により脅威が「完全に消えた」とされた)を受けて、MPマテリアルズなどが急落しました。

バークシャー・ハサウェイの現金保有

第3四半期決算によると、バークシャー・ハサウェイの現金保有額は3817億ドルに増加し、過去最高を更新しました。

これはウォーレン・バフェットが市場にお買い得な銘柄が現れるのを待っている可能性を示唆しています。

今後の焦点と投資への教訓

今週の注目決算

今週はAI半導体銘柄や関連企業の決算が相次ぎます。

AMD

明日の朝(日本時間)に決算発表予定で、GPUやサーバーCPUの伸びが注目されています。

Qualcomm / Arm

オンデバイスAIの収益化速度やロイヤリティの進捗が焦点となります。

NVIDIA

今月19日に決算発表予定で、データセンターの売上高やガイダンスが市場全体のボラティリティを握る可能性があります。

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