概況と主要指数の動向

12月2日の米国株式市場は、12月に入り弱いスタートとなったものの、その後反発して取引を終えています。
代表的な指数では、火曜日(最近の日付)にダウ平均が0.4%、S&P 500が0.3%、NASDAQが0.6%上昇しました。
NASDAQ 100は約0.8%高、半導体のETFであるSOX指数も約2%上昇しています。
一方で、小型株のラッセル2000と中型株のS&P 400キャップは下落しており、ラッセル2000は小幅な動きに留まっています。
S&P 500の構成銘柄では、上昇が216銘柄、下落が286銘柄と、下落銘柄の方が多い状況でした。
市場では、リスクテックモメンタム系が大きな勝ち組となり、低ボラティリティ、配当、バリュー系は出遅れました。
ヒートマップで見ると、ハイテク株が全体的に強い動きを見せています。
景気と金融政策に関する焦点
相場の対局観を整理すると、金利と暗号資産の不安定さが一旦落ち着き、相場が広がっていると整理できます。
金利はほぼ横ばいで、米国10年債利回りは4.09%前後、2年債利回りは3.51%前後で推移しています。
市場の焦点は、利下げが来るか、いつかという点よりも、利下げが必要なほど景気が鈍っているのか、そしてそれでもインフレが残って利下げが進みにくいのかという点に同時に向けられています。
マクロ経済の指標(ISMが50を下回る局面が続くなど)は景気の強さを示していませんが、株式市場はAI投資や大型株の収益力によって粘る傾向があり、マクロと株価に温度差が出やすい局面となっています。
また、米国消費の二極化がP&Gなどの企業業績にも現れており、同社のCFOは「今のアメリカは長い間見た中で最もボラティリティが高い」と発言しています。
中低所得層は財布の紐を締め、低価格やストアブランドへ流れており、高価格商品に売上の伸びが集中しています。
個別銘柄とセクターの動向
ボーイング
2026年に向けた前向きな見通し(フリーキャッシュフローの成長)が好感され、10%の急騰を見せました。
Intel
年初来で株価が100%超上昇し、2024年4月以来の高値圏にあります。
AppleがエントリーレベルのMシリーズをIntelに外注する可能性があるという噂も話題になりました。
Shopify
ブラックフライデーからサイバーマンデーにかけて、同社の加盟店の売上が過去最高の146億ドルを記録し、5%高となりました。
MongoDB (モンゴDB)
決算が市場予想を大幅に上回り、通期見通しも引き上げたため、22%の急騰となりました。
Apple (アップル)
1.1%上昇し、今年14回目の高値引けを記録しました。
iPhone 17シリーズの販売に関する好材料が増え、株価は10月10日以降16%上昇しています。
また、NVIDIAとの時価総額の差をほぼ埋めつつあります。
Credo Technology (クレド・テクノロジー)
決算が予想を大きく上回り、特に製品売上高が前年同期比で278.3%増など驚異的な成長を見せ、株価は10%以上上昇しました。
同社のケーブルはNVIDIAの次世代チップに組み込まれるなど、AI関連の需要が強いです。
AI・半導体
Amazonは、AI計算の心臓部であるアクセラレータの領域で、NVIDIA製のGPUより安価かつ効率的な最新の自社チップを投入すると発表しました。
これはAIインフラの主導権争いが激化するシグナルと見られています。
NVIDIAのCEOは、データセンターインフラ市場が2030年までに3兆から4兆ドルに達する可能性があると強気な発言をしています。
AI関連の銘柄群(NVIDIA, Microsoft, Oracle, AMDなど)は、OpenAIの「非常事態宣言」や競合激化のニュースがあったにもかかわらず、下げ渋っています。
ブロック
AIカンファレンスで、スクエアセグメントの総決済額が第4四半期に前期比で弱含む見通しが示されました。
P&G (プロクター&ギャンブル)
米国消費の不安定さを背景に1%下落し、約2年ぶりの安値をつけています。
Netflix
直近6週間で12%下落しています。
背景には、これまで避けてきた大型買収(ワーナーブラザーズ・ディスカバリーの映画スタジオやHBO MAX事業など)に方向転換するのではないかという観測が強まっていることがあります。
季節性要因
12月は株式にとって好調な月と見られており、過去のデータではS&P 500が約73%の確率でプラスになっています。
また、12月は年間で3番目に成績が良い月で、平均1.4%上昇してきています(1905年以降)。
年末には、「サンタクロースラリー」(年末の最終5営業日から翌年最初の2営業日)も期待されています。
12月は、大勝ちも大崩れもしにくいという性格を持ちますが、月前半は荒れやすく、後半に上向きやすいという特徴があります。
ビットコイン

ビットコイン(暗号資産)は、最近大きく急反発しました [1-3]。前日には8万5500ドルを割り込み、3月以来最悪の下げとなりましたが、その後、終値にかけて9万1000ドル近辺まで回復しました。
このビットコインの反発は、ウォール街においてリスク資産の押し目買いのサインと見なされました。
最近の急落と反発の背景
下落要因
最近の急落の要因の一つとして、分散型金融のヤン・ファイナンスがサイバー攻撃を受け、仮想通貨が外部に流出したことによるハッキングの不安からの売り連鎖が挙げられます。
さらに、ビットコイン保有量が最も多い企業であるストラテジー(MicroStrategy)が、ビットコイン価格が下落した場合に売却するかもしれないという懸念が広がり、売りが売りを呼びました。
また、上田日銀総裁の利上げ示唆による円キャリー取引の巻き戻し懸念や、弱いISM製造業を受けた米株安も下落の原因となりました。
反発要因
ビットコインの急反発に連動し、ストラテジー、マラホールディングス、コインベース、ロビンフッドといった暗号関連銘柄も揃って回復しました。
回復を後押しした要因として、ブラックロックに次ぐ運用会社であるバンガードが暗号資産の取り扱いを開始したこと、および、バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)がフィナンシャルアドバイザーに対し、ビットコインやイーサリアムをポートフォリオの1%から4%保有することを推奨したと報じられたことが挙げられます。
これらの動きは、米国における顧客ニーズの高まりと、ビットコインETFが本格的な普及期に入ったことを示唆しています。
今後の展望
投資家目線では、利下げが始まればビットコインなどの暗号資産に再び注目が集まるとの見方もあり、下げた時には分散しながら買い増ししていくのが良いという意見もあります。
また、来年第1四半期に大規模な税還付(積極財政)が予想されるため、法定通貨に対するヘッジニーズは高まるだろうと見られています。
ビットコイン価格が8万ドルで一旦底を打ったと判断するためには、9.4万ドルを明確に抜けることが第1段階のクリア条件とされています。


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