米国株
12月12日の米国株市場は、主要指数が下落する局面が見られますが、セクター間で動きが二極化しています。
特に注目度の高かったAI(人工知能)関連のハイテク株が、投資家の高い期待を打ち砕く動きを見せています。
主要指数の動向

S&P 500、NASDAQ、ダウ工業株3指数は揃って下落、NASDAQは1.91%安、S&P 500は1.07%安で取引を終えました。
テック株比率の高いNASDAQは週を通じて1.6%安で引けました。
一方で、ダウ工業株は、この1週間で1%上昇し、3週連続で上昇しています。
2025年の年初来パフォーマンスでは、NASDAQが20%と最も大きく上昇しており、S&P 500は16%、ダウは14%と堅調に推移しています。
AI関連株の失望と懸念
AI関連株の決算や計画に関する失望が市場の動きを支配しました。
ブロードコムの株価は11%から12%の急落となりました。
同社は直近四半期で市場予想を上回る売上高と利益を計上し、さらに今後3ヶ月の売上見通しを引き上げたにもかかわらず下落しました。
これは、AI製品の受注残(730億ドル)が市場の非常に高い期待に届かなかったことや、AI売上比率の上昇により粗利益率が前四半期を下回る見通しだと警告したことが理由とされています。
オラクルの株価も、OpenAI向けに開発中のデータセンターの一部について完成時期を2027年から2028年に延期したとの報道を受け、さらに4.4%下落しました。
延期の理由として労働力と資材の不足が挙げられています。
AI関連株に対する失望から、NVIDIA株は3%超の下落、AMDは5%下げ、マイクロン・テクノロジーは約7%安となりました。
投資家の間では、「AI投資は本当に元が取れるのか」という不安が強まっています。
一部のAI銘柄は極端なバリエーションで取引されているという懸念が強まっています(例:パランティアのPERは400倍超、チップ設計企業はPERが100倍超)。
その他のセクターの強さ
AI関連の取引が停滞する中で、銀行株がその穴を埋め始めています。
金融サービス株(ゴールドマンサックス、ビザ、アメリカンエクスプレスなど)がダウの上昇に貢献しました。
バンク・オブ・アメリカ株は、FRBの利下げ期待や規制緩和の姿勢を追い風に、2006年以来初の過去最高値を更新しました。
資金は金融、生活必需品といったバリュー株に流れている傾向が見られます。
その他では、ルルレモンが予想を上回る決算で約10%急騰したり、EVメーカーのリビアンがAIチップ導入計画で15%上昇したりといった明るい材料もありました。
また、トランプ大統領がマリファナの規制区分を見直す可能性の報道を受け、マリファナ関連株が急騰しました。
ビットコイン

ビットコイン(BTC)は現在、9万ドル台で推移しており、直近のFOMC後、一時的に上昇しましたが、そこからは反落し、方向感のない値動きが続いています。
最近の動向と背景
仮想通貨市場全体がほぼ全面安の状況であり、ビットコインも下落しています。
最近の傾向として、伝統的な株式市場、特にテック株との相関性が崩れてきており、ビットコインは市場最高値から大きく乖離しています。
これは2014年以来の大きな乖離とされています。
ビットコイン相場は、FRBが来年の利下げ回数を慎重に見込んでいることなどから、リスク資産にとって伸びにくい状況にあると見られています。
短期的な見通しでは上値が重い展開が予想されており、V字回復は厳しいという見方があります。
短期保有者の動向に基づくと、8万1,000ドルの価格水準が重要な鍵となり、これを下抜けると投げ売りが起こる可能性が指摘されています。
長期的な見通しについては、米国で仮想通貨関連の市場構造法案の成立など、業界構造が変わる期待がありますが、労働組合の強い反発などにより、法案成立が遅れる可能性も出てきています。
このため、仮想通貨市場が本格的に盛り上がるフェーズは年明け以降、しばらく後になる可能性も考えられています。


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