
1月7日の米国株式市場

トランプ次期大統領による矢継ぎ早の政策発言が市場を揺さぶり、ボラティリティ(変動率)が高まった1日となりました。
主要指数の動きを見ると、ニューヨークダウは前日比0.94%安、S&P 500は0.34%安と下落した一方で、ハイテク株中心のナスダックは0.16%高と小幅に上昇し、まちまちの結果で終えています。
市場のトレンドは依然として幅広い強さを示していますが、大型の優良株を中心に今年初となる本格的な利益確定売りが見られました。
この日の市場を動かした主な要因は以下の通りです。
トランプ氏の発言による特定セクターの急落
トランプ氏はSNSを通じて、防衛産業と不動産投資に対する厳しい姿勢を打ち出しました。
防衛セクター
防衛企業が設備投資を犠牲にして巨額の配当や自社株買いを行っていることを強く批判し、「是正されるまでこれらを認めない」と表明しました。
これにより、ロッキード・マーチン(-4.8%)やノースロップ・グラマン(-5.5%)など主要な防衛関連株が大きく売られました。
住宅セクター
若い世代の住宅所有を支援するため、機関投資家による一戸建て住宅の購入を直ちに禁止する方針を示しました。
「家は人が住むものであり、企業の所有物ではない」というこの発言を受け、ブラックストーンが5.6%安、インビテーション・ホームズが6%安となるなど、住宅関連銘柄も大きな打撃を受けました。
経済指標の動向
複数の重要な雇用・経済指標も発表されました。
ADP雇用報告
12月の民間部門雇用者数は4.1万人増と、予想の5万人をやや下回り、雇用市場の停滞を示唆しました。
JOLTS求人件数
11月の求人件数は714.6万件に減少し、2024年9月以来の低水準となりました。
これにより、失業者1人当たりの求人数は0.9件となり、雇用主優位の市場に変化しつつあります。
ISM非製造業景況指数
一方で、12月の非製造業指数は54.4と非常に強く、サービス部門の力強い成長が示されています。
個別銘柄の注目点
大型テック株では、Google(アルファベット)が2.4%上昇し、2019年以来初めて時価総額でAppleを上回りました。
これはAppleがAI競争で遅れをとっているとの見方が強まる一方で、GoogleのAIモデル投入が支持されていることが背景にあります。
また、NVIDIAは中国政府による一部チップの注文停止報道があったものの、株価は約1%上昇して終えました。
ビットコイン

ビットコイン市場は、上値の重い展開が続いています。
一時9.4万ドル台まで値を伸ばしたものの、年初からの買い戻しの勢いが続かず、再び9万ドル台まで押し戻されました。
下落の背景には、以下の要因が挙げられます。
リスクオフの波及
トランプ氏の住宅や防衛に関する発言を受け、株式市場でリスクオフ(回避)の動きが強まったことが、仮想通貨市場にも影響しました。
関税裁判への懸念
ブルームバーグが「トランプ関税を巡る最高裁判決」の可能性を報じたことで、不透明感からビットコインが売られる場面もありました。
需給の調整
年初に一気に買いを入れたファンドなどのオペレーションが一巡し、利益確定の売りに押された形です。
現在は昨年末のレンジ上限である9万ドル付近がサポート(下値支持線)として機能するかどうかが焦点となっており、週末の雇用統計などの指標を待ちながら底固めを探る展開となっています。


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