
1月15日の米国株式市場は、好調な企業決算や底堅い雇用指標を背景に上昇しましたが、取引終盤にかけては利益確定売りに押され、一部の指数は日中の高値から抑えられる展開となりました。

主要企業の決算動向
この日の相場を牽引したのは、半導体と金融セクターの強力な決算でした。
TSMC(台湾セミコンダクター)の決算
第4四半期の売上高・純利益ともに市場予想を上回り、特にAI向け先端品の需要が極めて強いことが示されました。
最も投資家を驚かせたのは、2026年の設備投資計画(最大560億ドル)の大幅な上方修正です。
これにより、エヌビディア(NVIDIA)やAMDなどの関連銘柄、および半導体製造装置株が大きく買われました。
大手金融機関の好業績
ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、ブラックロックがいずれも好決算を発表しました。
投資銀行部門の収益や株式トレーディング収入が過去最高水準に達するなど、資本市場の活発化が浮き彫りとなりました。
経済指標と労働市場
新規失業保険申請件数
19.8万件と市場予想(21.5万件)を下回り、4週移動平均では約2年ぶりの低水準を記録しました。
これは米国雇用の底堅さを示す一方で、米10年債利回りを4.17%付近まで押し上げる要因となりました。
FRBベージュブック(地区連銀経済報告)
12月の米経済はやや加速したものの、「K字型」の格差拡大が顕著であると報告されました。
高所得層が旅行や高級品への支出を増やす一方、低中所得層は物価高により食料品の質を落とすなど、生活の圧迫が深刻化しています。
市場の地合いとセクター別動向
小型株
大型テック株が上値の重い展開となる中、小型株指数のラッセル2000が0.98%上昇し、過去最高値を更新しました。
ラッセル2000がS&P 500をアウトパフォームするのは9日連続で、2017年以来の異例の長さとなっており、ポートフォリオの分散が進んでいるサインと見られています。
軟調なセクター
一方で、ソフトウェア関連(アドビ、セールスフォース等)は年初から厳しいスタートが続いています。
また、ヘルスケアでは、肥満症薬の承認判断が遅れるとの報道を受けたイーライリリーが下落し、セクターの重荷となりました。
ビットコイン

ビットコインは一時9.8万ドル手前まで上昇しましたが、その後9.5万ドル台まで押し戻される展開となりました。
法的・規制リスクの混迷
ステーブルコイン規制に関する「クラリティ法案」の審議延期や、コインベースのブライアン・アームストロングCEOが法案への支持を撤回したことが、市場の失望を誘いました。
これは、法案に含まれる「ステーブルコインの付利(利息の付与)禁止」条項が、業界のビジネスモデルと衝突しているためです。
需給とテクニカル
現物ETFには引き続き多額の資金流入が見られるものの、9.8万ドル付近のレジスタンス(上値抵抗線)を突破するには材料不足との見方が強く、現在は高値圏での揉み合いが続いています。
今後の焦点は、月末にかけて本格化する大型テック企業の決算におけるAI投資計画や、米議会での暗号資産関連法案の動向に集まりそうです。


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