
2月4日の米国株式市場は、相場の主役が交代する「ローテーション」が鮮明となった一日でした。
ダウ平均株価は0.5%(または0.53%)上昇した一方で、ハイテク株中心のナスダック総合指数は1.5%(または1.51%)超の下落を記録し、年初来安値を更新しました。
S&P 500も0.5%(または0.51%)安となり、50日移動平均線を一時割り込んでいます。

ハイテク株から景気敏感株への資金シフト
現在の相場では、これまで市場を牽引してきたAI・テックセクターからの資金流出が加速しています。
ITセクターが年初来で約4%下落しているのに対し、エネルギー、素材、生活必需品、工業セクターなどが新たな主役として好調なパフォーマンスを見せています。
特にエネルギーセクターは、2022年の下落局面以降で最も上昇しているセクターとして注目されています。
この動きは、一部の大型株に集中していたリスクが分散される「健全なローテーション」であるとの見方もあります。
決算発表と「期待値の壁」
決算シーズンが続いていますが、「好決算でも売られる」という厳しい地合いが続いています。
Alphabet(Google)
売上高、EPS、クラウド部門の成長率が予想を上回る素晴らしい内容でしたが、YouTube広告が予想をわずかに下回ったことや、AI関連の設備投資額を2025年の約2倍(1750億〜1850億ドル)に引き上げる計画が、収益回収への懸念を呼び、時間外で株価が乱高下しました。
AMD
決算自体は良好でしたが、第1四半期の見通しが一部の強気な期待に届かず、株価は16〜17%も急落しました。
Qualcomm
メモリチップ不足を理由にガイダンスが弱く、時間外で約9〜10%下落しました。
ヘルスケア
一方で、イライリリーは肥満治療薬の強い需要を背景に好決算を発表し、株価が10%急騰。
アムジェンも8%上昇するなど、テック以外では力強い動きが見られました。
ソフトウェア・SaaSセクターの苦境
ソフトウェア株は、AIによって既存のビジネスモデルが脅かされるという警戒感から、深刻な売りを浴びています。
アンソロピックが発表した業務効率化ツールなどの台頭により、従来の業務アプリが不要になる懸念が強まり、セールスフォースやアドビなどのSaaS関連株が急落しました。
ヘッジファンドによる空売りも増加しており、セクター全体が弱気相場入りしています。
経済指標と政治動向
雇用
1月のADP民間雇用者数は2.2万人増と、予想(約4.5万人)の半分にとどまり、労働市場の減速が示唆されました。
なお、政府閉鎖の影響で公式の雇用統計の発表は2月11日に延期されています。
景況感
1月のISM非製造業景況指数は53.8と、予想を上回り底堅さを見せましたが、仕入れ価格の上昇などインフレ懸念も残る内容でした。
外交
トランプ大統領と中国の習近平国家主席が電話会談を行い、中国側が米国産農産物(大豆など)やエネルギーの購入拡大に同意するなど、前向きなトーンが見られました。
ビットコイン

ビットコイン市場は、リスクオフの流れをまともに受け、「買い手不在」の続落状態にあります。
価格動向
重要なサポートラインであった8万ドルや7.4万ドルを次々と割り込み、一時は7.1万ドル台まで下落しました。
下落の背景
ハイテク株の急落に伴う投資家心理の悪化に加え、ベッセント財務長官が「納税者の資金でビットコインを購入する権限はない」と発言したことなどが、失望売りを誘った形です。
今後の展望
テクニカル的には5万ドル付近まで目立ったサポートがないとの指摘もあり、現在は「落ちてくるナイフ」を掴むような危険な状況とされています。
来週の雇用統計や消費者物価指数(CPI)の発表、あるいは2月中旬の季節的な強気相場入りを前に、下げ止まりの兆しを待つ展開となっています。


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