
3月16日 米国株市場・エネルギー懸念の緩和とAI関連株の躍進

3月16日の米国株式市場は、3週間続いた下落基調から一転し、主要3指数が揃って反発しました。
ダウ平均は0.8%、S&P 500は1%、ナスダックは1.2%それぞれ上昇し、小型株指数のラッセル2000も0.9%の上昇を記録しました。
市場の恐怖指数(VIX)も直近の30近い水準から23まで低下しており、投資家の間に安心感が広がっています。
原油価格の急落とホルムズ海峡の動向
今回の反発の大きな背景には、原油価格の急落があります。
WTI原油先物は一時5%を超えて下落し、1バレル93ドル台まで値を下げました。
これにはいくつかの要因が重なっています。
供給維持への期待
ベセント財務長官が、世界への供給を維持するためにイランの石油タンカーがホルムズ海峡を通過することを米国が許可していると発言したことが好感されました。
タンカーの通過実績
インドのタンカー2隻やパキスタンのタンカーがホルムズ海峡を無事に通過したとの報道があり、海上輸送ルートの確保に対する期待が高まりました。
トランプ大統領の動き
トランプ大統領は同盟国と協力して海峡の安全を確保する意向を示しており、これが実現すればエネルギー価格のさらなる緩和につながるとの見方が出ています。
ただし、トランプ大統領は日本(依存度95%)や韓国、欧州などの同盟国に対し、海峡防衛へのより積極的な協力を強く求めています。
これに対し、日本やフランスなどは現時点での艦船派遣には慎重な姿勢を崩しておらず、地政学的な不透明感は依然として残っています。
AI・半導体セクターが牽引
個別銘柄では、AI関連株への資金回帰が顕著でした。
エヌビディア(NVIDIA)
ジェンソン・ファンCEOが、最新のAIチップ(ブラックウェルおよび次世代のルービン)に対する需要が極めて旺盛であり、2025年から2027年の間に売上高が1兆ドルに達するとの強気な見通しを明らかにしました。
メタ(Meta)
データセンター企業のネビウス(Nevius)と最大270億ドルの大規模なクラウド利用契約を結んだと報じられ、メタの株価は2.3%上昇、ネビウスは15%の急騰を見せました。
マイクロン・テクノロジー
決算発表を前に3.6%上昇しました。
台湾での第2製造拠点整備計画や、AI向けメモリ(HBM)の供給不足に伴う価格上昇期待が追い風となっています。
マクロ経済と金融政策
長期金利(米10年債利回り)は4.22%に低下しました。
一方、トランプ大統領はパウエルFRB議長に対し、「利下げが遅すぎる」と改めて批判し、即時の利下げを要求しています。
また、SEC(米証券取引委員会)が四半期決算の義務化廃止(年2回への変更)を検討しているという、上場企業のあり方を揺るがすニュースも飛び込んできました。
ビットコイン

ビットコイン相場もリスクオンの流れに乗り、力強い動きを見せています。
一時は7.4万ドルのレジスタンスラインに阻まれていましたが、週明けの原油価格の落ち着きや米株先物の上昇を受けてこれをクリアに上抜け、一時7.6万ドルにタッチしました。
直近1週間で約8%上昇しており、地政学リスクによるボラティリティの中でも着実に値を上げています。
今後の注目ポイント
テクニカル的には、昨年からの重要水準である7.4万ドルを突破したことで、底打ち感が強まっています。
次なる大きな壁は7.9万ドルから8万ドルのレンジと目されており、ここを抜けることができれば、さらなる上昇トレンドの確定につながると期待されています。
中東情勢の沈静化の兆し(イランのミサイル・ドローン攻撃の減少データなど)も、リスク資産であるビットコインにはプラスに働いているようです。


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