アベノミクスとは安倍晋三政権が掲げた経済政策です。金融政策、財政政策、成長戦略の3本の矢から成っています。
金融政策
金融政策とは日本銀行による量的緩和(通貨発行)です。インフレ目標2%を定めて、達成するまで無制限の金融緩和、具体的に国債の買い取りと通貨発行をします。ちなみにアメリカの中央銀行FRBもインフレ目標2%なんです。
ただ日本銀行の量的緩和による通貨発行は国民ではなく銀行に対して行われるんです。日本銀行が銀行から国債を買い取るだけなので、それだけでは物価はあがりません。物価を上げるには国民の需要が供給を上回らないと上昇しません。コスト増などの影響によるコストプッシュ型のインフレはここでは省きます。
銀行に発行された新たなお金が国民に流れ、誰かがモノやサービスに消費、投資をして物価上昇につながります。株式投資や土地の購入だけでは物価は変わらないんです。単純に政府がお金を渡しただけでも変わりません。
だからこそ金融政策と財政政策はセットで行う必要があるんです。
異次元の金融緩和
2013年4月4日、黒田東彦新日銀総裁が、昭和恐慌以来のデフレ期の正しい金融政策を打ち出す決断をしました。そうすると日経平均が大幅に上昇し、野田元総理大臣、解散総選挙を宣言以降1.5倍以上に上昇したんです。
当時マネタリーベースを今後2年で約2倍に拡大を目指します。さらに、日銀の国債買い取り(通貨発行)に際し、通常の買い入れ枠と金融緩和向けの資産買い入れ基金の2方式を一本化。その結果、問題視されていた日銀券ルールが事実上廃案になったんです。
*日銀券ルールとは、長期国債の買い入れにおいて、長期国債保有額を日本銀行券発行残高以内に抑える 要するに必要ないルールなんです。
ハイパーインフレの定義
安倍元首相が提案した金融政策と財政政策のセットに対して、野田元首相が戦後のハイパーインフレの教訓が、と煽り、批判しました。そもそも戦後の日本はハイパーインフレだったのでしょうか。戦後の日本は1946年のピークでインフレ率500%だったんです。確かに物価が1年で6倍になったのですから大変な数値です。当時の日本の供給能力は戦前の2割の水準にまで落ち込んだんです。供給能力の8割を失ってもインフレ率が500%で済んだのです。ハイパーインフレの定義はインフレ率が毎月50%を超える事なので、これが1年続くと年率1万3000%にもなるんです。しかも500%をピークに急激に落ちています。野田元総理はここでも公共の電波を使って嘘を言っていたことが分かります。
アベノミクスの誤解
アベノミクス第一の矢である金融政策によって、株価が上昇して批判の声が上がったんです。株価が上昇するだけで、国民の所得は増えていない、金持ちだけが得をする、インフレで物価が上がるだけで庶民の暮らしはよくならない。
株価が上昇しても国民の所得は増えません。そもそもアベノミクスは株価上昇や円安を目的としていないんです。目的はインフレ率の上昇と雇用の改善、所得の増加です。株価上昇や円安はアベノミクスの過程にすぎないんです。
財政政策
財政政策とは公共投資や減税です。公共投資とは道路など様々なインフラ整備、公務員の雇用。減税は消費税や所得税などの減税です。
増税や公共投資削減はデフレ推進政策なんです。だから財政政策が第二の矢になっていて、インフレ率上昇を目指し、所得を増加させたいんですね。
当時の経済再生担当大臣甘利明氏が「財政健全化こそが第四の矢」と発言、問題なんです。アベノミクスとは真逆の事を言ってしまってるんです。財政健全化は経済成長なしでは達成できないし、デフレから脱却しない限りは不可能なんです。要するに財政健全化とは増税や公共事業を削減して、政府支出を抑える事、緊縮財政なんです。そもそもアベノミクスの本質を理解していない政治家が閣僚を務めてるのが問題ですし、政治家なら最低限の経済の知識は持っていてほしいです。ワザと言って国民を騙しているのだとしたら、尚のこと問題なんです。
財政出動
国民の所得を増やすには金融政策と合わせてアベノミクス第二の矢、財政政策がセットで必要になります。
所得とは国民が働いて、モノやサービスを生産し、誰かが消費や投資をして購入するという一連の所得生成のプロセスがないと生まれません。このプロセスの事を実体経済と呼びます。
セイの法則
セイの法則は供給が需要を創出することです。フランスの経済学者ジャン、バティスト、セイさんが提唱しました。新たな供給は新たな需要を生む事です。
フィリップス曲線
1958年にイギリスの経済学者ルバン・ウィリアム・フィリップスが考案したフィリップス曲線によるとインフレ率が高いと失業率は低下、デフレの時は失業率が上がるのです。日本の場合、インフレ率2%は完全雇用に近い数値になるんです。
インフレで失業率が下がる理由
インフレとは物価の継続的な上昇です。物価があがるって事はお金の価値が下がるので、企業の負債の実質的な価値が何もしなくても小さくなっていくんです。企業にとってインフレとはお金を借りやすい環境なんです。
企業は同じ量を売っても物価上昇により、売り上げが拡大して利益も増えます。投資効率が高まるんです。
しかも、お金の価値が下がるとは日本円の価値が下がるので円安に進行、輸入物価が上がって国内の価格競争が高まります。円安で輸出企業も工場の海外流出を防ぎ、リショワリングが進みます。
企業がお金を借りやすくて、売り上げも増えやすい、しかも円安で国内生産品の価格競争が高まります。インフレ期に設備投資をすると儲かる環境になりやすいのです。なので雇用も生まれやすくなり失業率が下がるんです。
なので安倍政権はインフレ率2%を目標にしていたんです。
成長戦略
第三の矢である成長戦略は実はデフレ促進策なんです。規制緩和系の政策がならび、規制緩和は新規参入を増やして競争をさせ物価を押し下げます。生産能力をあげようとする政策なので供給能力は上がります。デフレ脱却したいのに供給を増やせばデフレになります。インフレするには需要を上げなくてはいけないんです。なので、金融政策と財政政策のセットで十分なんです。第三の矢は需要がないとインフレどころかデフレになります。
例として過去に運送業の規制緩和を行い、新規参入が増加した結果、運賃は下がり、運送業の賃金も下がっていったんです。デフレ化の環境での規制緩和は間違っているといえます。
結局アベノミクスは成功したのか
2010年度〜2012年度の民主党政権の平均経済成長率は1.53%です。この成長率は良いのか悪いかと言われれば良いわけがない超低成長なんです。比較して安倍政権時代の2013年度〜2019年度の平均経済成長率は0.94%なんです。つまり、散々叩かれていた民主党政権以下なんです。これって成功ですか?成功とは言えないですよね。むしろ酷いですよね。とくに悪いのが2014何度マイナス3%なんです。この年に何があったか。消費税増税です。デフレ下で増税。アベノミクスの金融緩和で翌年増税。意味が分かりません。安倍政権発足以降、実質賃金はマイナス4%を超えます。「安倍さんはすごかった」とよく言われますが、何がすごかったのでしょうか。外交でしょうか。たしかにトランプさんやプーチンさんとの外交は上手だったのかもしれませんが、経済を成長させなければ国は守れません。2013年6月にはプライマリーバランス黒字化目標を閣議決定して、国債の発行を減らしていきました。デフレ化政策ばかりです。デフレ脱却を掲げて支持されたはずなのに。さらに三本目の矢の成長戦略での規制緩和で。非正規雇用が増加。雇用が増えたと賞賛しているが、増えたのは女性と高齢者なんです。これって家計が苦しいから働くしかない状況なんじゃないでしょうか。これらを踏まえた上でアベノミクスは失敗だったと言えます。
まとめ
アベノミクスを掲げる安倍政権は日本の憲政史上最も少子化促進、人口減、国民の実質賃金、実質消費を減らし、超低経済成長の政権だったんです。民主党政権以下の政権だったんです。アベノミクスは失敗と言えるんです。

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