企業の信用リスクに備える安全性は?

お金

簡単に言えば倒産の可能性が低いかどうかを示す指標です。

それぞれの指標が企業のどのような側面における安全性を示すのか、またその一般的な目安について解説します。

企業の信用リスクに備える安全性を示す指標


企業の信用リスクとは、企業が債務不履行に陥る可能性のことです。

このリスクが高い企業は、金融機関からの融資が難しくなったり、取引先からの信用を得にくくなったりします。

以下の指標は、企業の財務健全性や支払い能力を測る上で特に重要です。

自己資本比率

総資産のうち、返済義務のない自己資本(株主資本)が占める割合を示します。

企業の財務基盤の安定性を示す最も重要な指標の一つです。

自己資本は、負債と異なり返済の必要がないため、高ければ高いほど財務的な安定性が高いと言えます。

計算式

自己資本比率 = (自己資本 ÷ 総資産) × 100

一般的な目安

  • 30%以上: 比較的安全な水準
  • 40%以上: 優良企業と言える水準
  • 50%以上: 非常に安定した財務基盤を持つ企業

有利子負債比率

自己資本に対して、金利が発生する負債(銀行借入金、社債など)がどれだけあるかを示す指標です。

この比率が低いほど、財務的な負担が少なく、金利上昇リスクなどにも強いと言えます。

計算式

有利子負債比率 = (有利子負債 ÷ 自己資本) × 100

一般的な目安

  • 100%以下: 健全な水準
  • 業種によって大きく異なりますが、一般的に200%を超えると注意が必要とされます。

固定比率

自己資本に対して、回収に時間の掛かる固定資産(土地、建物、設備など)がどれだけあるかを示す指標です。

この比率が低いほど、自己資本で固定資産を賄えているため、長期的な資金繰りが安定していると評価されます。

計算式

固定比率 = (固定資産 ÷ 自己資本) × 100

一般的な目安

  • 100%以下: 自己資本で固定資産を賄えているため、理想的な水準。
  • 不動産や設備投資の多い業種では100%を超えることもありますが、高すぎると資金繰りの悪化リスクが高まります。

流動比率

短期的な支払い能力を示す指標です。流動負債(1年以内に返済期限が来る負債)に対して、流動資産(1年以内に現金化できる資産)がどれだけあるかを示します。

高ければ高いほど、短期的な資金繰りに余裕があると言えます。

計算式

流動比率 = (流動資産 ÷ 流動負債) × 100

一般的な目安

  • 200%以上: 理想的な水準。
  • 120%〜150%程度: 一般的に安全とされる水準。
  • 100%を下回ると、短期的な資金繰りに問題が生じる可能性が高まります。

BPS (Book-Value Per Share: 1株当たり純資産)

1株当たり純資産額を示す指標です。企業の解散価値を示すとも言われ、株主が1株あたりどれだけの純資産を持っているかを表します。

BPSが高いほど、企業が持つ純資産が豊富であり、財務的な安定性が高いと評価できます。

計算式

BPS = 純資産 ÷ 発行済株式数

一般的な目安

  • 高ければ高いほど良いとされます。株価がBPSを下回る場合、その企業は割安であると判断されることがあります(PBRが1倍未満)。

流動性

企業がどれだけ円滑に資金を調達できるか、または資産を現金化できるかを示す概念です。

上記で挙げた流動比率も流動性を示す指標の一つですが、ここではより広範な意味合いで、以下のような側面が含まれます。

資産の流動性

売掛金や棚卸資産が現金化されやすいか、換金しやすい有価証券を保有しているかなど。

資金調達の流動性

金融機関との良好な関係があり、必要に応じて融資を受けやすいか。また、社債発行や株式公開増資など、多様な資金調達手段を持っているか。

一般的な目安

高い流動性を持つ企業は、予期せぬ出費や景気変動にも対応しやすく、信用リスクが低いとされます。

発行済株式数

企業が発行している株式の総数です。

これ自体が直接的な安全性の指標ではありませんが、他の指標(特にBPSやEPS(1株当たり当期純利益))を計算する際に用いられます。

発行済株式数が多いと、1株あたりの利益や資産が希薄化される傾向にあります。

自己株式の消却や株式分割・併合などによって変動します。

企業の安全性との関連

発行済株式数が多いということは、それだけ多くの投資家から資金を調達していることを意味する場合もあります。

また、市場での流動性が高まる傾向にあります。

まとめ


これらの指標は単独で判断するのではなく、複数組み合わせて分析することが重要です。

また、業種や企業の成長段階によって理想的な数値は異なるため、同業他社や過去の自社の数値と比較することで、より精度の高い分析が可能になります。

企業の信用リスクを判断する際には、これらの財務指標に加えて、経営陣の質、事業の安定性、市場での競争力なども総合的に考慮する必要があります。

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