生命保険の契約について、各項目を解説します。
保険契約の手続きと責任開始期
保険契約の手続き
生命保険の契約は、以下の流れで進められるのが一般的です。
申込書の提出
契約を希望する人が、保険会社所定の申込書に必要事項を記入し、提出します。
告知・診査
申込者は、現在の健康状態や過去の病歴などについて、保険会社に正確に告知する義務があります(告知義務)。
告知は告知書への記入や医師による診査(告知診査)によって行われます。
保険会社の承諾
告知内容や診査結果に基づいて、保険会社が契約を引き受けるかどうかを判断します。
第1回保険料の払込
保険会社が契約を承諾し、第1回保険料が払い込まれることで、契約が成立します。
保険証券の発行
契約成立後、保険会社から契約内容を記載した保険証券が発行されます。
責任開始期
責任開始期とは、保険会社が保険契約上の保障を開始する時期のことです。一般的には、以下の3つの条件がすべて満たされた時とされています。
- 申込書の提出
- 告知・診査の完了
- 第1回保険料の払込
これらの条件がすべて満たされた後に発生した事故や病気に対して、保険会社は保険金を支払う責任を負います。
例えば、申込書の提出と告知を済ませても、第1回保険料の払込がまだであれば、責任開始期は到来していません。
保険料の払込み
保険料は、保険契約を有効に継続させるために、契約者が保険会社に支払うお金です。
払込方法
月払、半年払、年払、一時払などがあります。一般的に、払込回数が少ない(年払など)ほど、1回あたりの保険料負担は大きくなりますが、総額では月払よりも安くなる傾向があります。
払込期日
保険料の支払期日です。期日までに払い込まれないと、契約が失効する可能性があります。
猶予期間
保険料の払込期日を過ぎても、一定期間(通常は月払で1ヶ月、年払・半年払で2ヶ月)は契約が失効しない猶予期間が設けられています。この期間内に保険料を払い込めば、契約は継続されます。
生命保険の貸付制度(契約者貸付)
生命保険の契約者貸付制度は、解約返戻金のある生命保険に付帯している制度です。
概要
契約者が急に資金が必要になった場合に、解約返戻金の一定範囲内で保険会社からお金を借りられる制度です。解約返戻金を担保にするため、審査なしで借り入れが可能です。
利点
- 急な資金需要に対応できる。
- 保険契約を解約せずに済むため、保障が継続される。
- 消費者金融などからの借り入れよりも、比較的低金利である場合が多い。
注意点
- 利息がかかります。
- 借り入れた元金と利息を返済しないまま保険金や解約返戻金を受け取る場合、その金額から差し引かれます。
- 返済が滞ると、契約が失効するリスクもあります。
保険継続のための制度
保険契約を継続できなくなった場合に利用できる主な制度です。
自動振替貸付制度
保険料の払込が猶予期間を過ぎても行われなかった場合、解約返戻金の範囲内で保険会社が自動的に保険料を立て替え、契約を継続させる制度です。契約者貸付と同様、利息がかかります。
払済保険
保険料の払込を中止し、その時点の解約返戻金をもとに、保険期間を変えずに保険金額を減額して保障を継続させる制度です。保障内容(特約など)は消滅することが多いです。
延長保険
保険料の払込を中止し、その時点の解約返戻金をもとに、保険金額を変えずに保険期間を短縮して保障を継続させる制度です。定期保険などに変更されることが一般的です。
保険契約の見直し
保険契約の見直しは、ライフステージの変化や経済状況の変化に合わせて、現在加入している保険契約の内容を適切に調整することです。
見直しのタイミング
- 結婚、出産、住宅購入など、家族構成や生活環境の変化
- 子供の独立、退職など、ライフプランの変化
- 収入の増減など、経済状況の変化
- 保険料負担が重くなった場合
- 新しい保険商品が発売された場合
見直しのポイント
保障額の適切性
必要な保障額が変わっていないか確認します。
保障期間の適切性
保障が必要な期間がライフプランに合っているか確認します。
保険料の負担
収入に見合った保険料になっているか確認します。
特約の必要性
必要な特約が付加されているか、不要な特約がないか確認します。
貯蓄性の有無
貯蓄機能の必要性も考慮します。
見直しを行う際は、専門家(ファイナンシャルプランナーなど)に相談したり、複数の保険会社の商品を比較検討したりすることをおすすめします。
保険契約の失効と復活
保険契約の失効
保険料が払込期日を過ぎ、さらに猶予期間内にも払い込まれなかった場合、保険契約はその効力を失います。これを「失効」と言います。
影響
- 保障がなくなるため、保険金や給付金が支払われなくなります。
- 失効するまでの保険料が無駄になる可能性があります。
保険契約の復活
失効した保険契約は、一定期間内(一般的には失効日から3年以内)であれば、所定の手続きを行うことで復活させることが可能です。
復活の条件
未払込保険料の払込
失効期間中の未払込保険料(利息が付加される場合がある)を一括で払い込む必要があります。
告知・診査
契約時のように、現在の健康状態について告知または診査を受ける必要があります。保険会社が契約を継続しても問題ないと判断した場合に復活が認められます。
延滞利息の支払い
未払込保険料に加えて、延滞利息を支払う必要があります。
注意点
健康状態によっては、復活が認められない場合があります。
新たな保険に加入し直すよりも、復活の方が有利な場合と不利な場合があるため、比較検討が必要です。
これらの情報を参考に、生命保険契約について理解を深めていただければ幸いです。


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