池田義博さんの著書『脳にまかせる勉強法』は、「記憶力は年齢に関係なく伸ばせる」という考えに基づき、脳の特性を活かした効率的な学習法を提唱しています。
記憶力は誰でも伸ばせる技術である
記憶力は生まれつきのものではなく、適切な方法で訓練すれば、年齢に関係なく向上させることができます。
脳にとって覚えやすい状態にする2つの法則
共通点を見つける
- それぞれに共通の文字が入っていないか
- 形に似ているところはないか
- 名称は違うが、仕組みや機能は既に知っているものと同じではないか
規則性を探す
- それぞれの言葉の頭の文字をつなげると、意味のある言葉にならないか
- これは既に知っているものの、反対のことを言っているのではないか
- 英単語の意味を接頭語から推測できないか
全範囲終わってからの復習は非効率
勉強における記憶の定着度とは、ペンキ塗りのようなものと考えてください。
脳の性質として、薄い記憶を何回にも分けて塗り重ねた方が、じっくり時間をかけて1度で覚えるよりも忘れにくい強い記憶となった、つまり記憶の定着度が高かったことを示しています。
例えば英単語100個覚える場合、4時間かけて1日で100個覚えるAさんと、1日1時間4日にわたり100個覚えるBさんでは、覚えた直後にテストをしても、2人の記憶量に差はありませんが、時間が経過した後のテストでは、4日に分けて学習したBさんの方が思い出せる量が多いと言う結果になります。
脳の特性を活かした「脳にまかせる」学習法
脳は、短期間に繰り返し入ってくる情報を重要だと判断し、長期記憶に定着させやすい特性があります。この特性を利用することが重要です。
「意志」を示すと、脳は一途に恋をする
勉強だけに集中していると、脳が記憶しやすい状態に入りやすくなる
「回数」をこなすと、脳は機嫌が良くなる
脳は何度も頭に入ってくる情報に対して、長く記憶に残そうと判断する
「感情」を利用すると、脳が嬉しくなる
勉強を面白く工夫をすると、脳はこれは重要だと、反応してくれる
主要なテクニック
3サイクル反復速習法
短期間に同じ内容を3回繰り返し読むことで、脳にその情報を重要だと認識させ、記憶の定着を促します。
ペンキ塗りのように、一度で完璧にしようとせず、薄く広く何度も塗り重ねるイメージで繰り返すことが大切です。
勉強範囲を1ページで区切った場合、最初のページを2回、次のページを1回読んだら、「1歩下がって2歩進む」の容量で進めていけばいいんです。
脳にとって復習とは、ある程度時間が過ぎた後で行うことに意味があります。
そうすることによって、脳自身がこの部分の記憶が弱いと自覚してくれて、自動的に記憶を補強してくれるのです。
この勉強法の重要ポイントは「スピード」です。
そもそもスピード上げて進めていかないと、復讐の回数が多い分、この勉強法を取らないで進めて言った場合よりも、かなりの時間がかかってしまうことになり、この勉強法を選ぶ意味がありません。
短期間で全範囲を終わらせ、その時点で3回学習できているというのが、この勉強の有利な点なのです。
どうすれば良いかと言うと、「読む」ことに徹することです。
問題集などの場合、回答も同時に準備しておき、問題を読んだ後、すぐに回答を読み込んでいけば良いのです。
この方法をとれば、例え勉強の科目が数学のようなものであっても、スピードを落とさずに進めることができるのです。
またこの学習法で進めていくと、学習能力自体も向上していきます。
速読の能力も同時に鍛えられます。
読むスピードが速くなると、相乗的にどんどん頭が良くなってきます。
もし難しい箇所が出てきたとして、その場で理解できなくても、とりあえず頭に入れておくだけで、ここでも脳が大活躍してくれるのです。
3サイクルを繰り返しながら、スピードを保ちつつ、できるだけ早く1回目を終わらせます。
- 範囲を区切って、3回学習する
- とにかくスピードを重視する
- わからないところは飛ばす
- 2回目は最初から順に
1分間ライティング
学んだ内容を1分間、頭に浮かんだまま書き出すアウトプットの練習です。
これにより、「理解できたこと」と「理解できていないこと」を明確にし、弱点を洗い出すことができます。
きれいに書くことや文法的に正しい文章である必要はなく、とにかく手を止めずにアウトプットすることが重要です。
制限時間を1分間にする理由は、最高レベルの集中力を引き出すためでもあるのです。
脳は時間を制限された方が本気になって働いてくれる性質を持っています。
知識や考え方をイメージの状態ではなく、言葉として認識しておく必要があります。言葉としてアウトプットできるかを確認しておくことが重要です。
アウトプットとしては人に教えるのがベストです。
まとめると
- 思い出せなくても書き続ける
- 1分間続ける
- わからないところがわかる
- すぐにその範囲を読む
1分間マッピング
学んだことをキーワードや図で整理し、関連付けて記憶する手法です。これもアウトプットの一種です。
メインのキーワードを決める
核となるキーワードを決め、真ん中に書いたら、四角で囲む。
1分間、連想する言葉を書く
キーワードの周りに、連想する言葉を書いていく。単語は丸囲みをする。
言葉と言葉を線でつなぐ
思い出せない場合は、丸囲みだけ書いておいて、ジャンル分けをするように線でつなぎ、共通項を囲み、関係性を持たせる。
知識の相関図の完成
関連性を書き込んだら、全体を見て足りないところをどんどん足していく。
補完する作業によって、頭の中が整理されていく。
脳を目的のために一生懸命働かせる
- 大きな目標を書く
- それを達成するための小さな目標をたくさん書く
- 定期的に小さな目標を中心に更新する
自分の目標を脳にわかりやすく理解させるには、紙に書くことが最も有効な手段である。
復習の重要性
脳は、覚えたことを時間の経過とともに忘れていく仕組み(エビングハウスの忘却曲線など)を持っています。
そのため、記憶を定着させるためには、適切なタイミングでの復習が不可欠です。
目標設定と継続
学習目標を紙に書き出すことで、モチベーションを維持し、長期的な学習を継続する力になります。
最終目標だけでなく、それを達成するための小さな目標も設定し、定期的に見直すことが推奨されています。
まとめると、『脳にまかせる勉強法』は、記憶力は鍛えられる技術であり、短期間での反復学習と、アウトプットによる理解度の確認・強化を重視することで、効率的に記憶を定着させることを目指す学習法と言えます。


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