メンタルは食事が9割

健康

宮島賢也さん著書『メンタルは食事が9割』

著書自身の心の不調と回復の体験が大きなきっかけとなりました。

精神科医として多くの患者を診る一方で、彼自身も長く続く抑うつ状態に悩まされていました。

薬を処方する立場でありながら、自分自身の心は薬だけでは安定せず、根本的な回復には至らなかったのです。

そんな状況の中で、宮島さんは「心と体は食べたものでできている」という考えに行き着きます。

食生活を見直し、野菜や果物、玄米を中心としたシンプルで消化に優しい食事に切り替えることで、少しずつ体調が整い、長年の抑うつも改善に向かいました。

腸内環境が整うことで心も軽くなる、その実感は、精神科医としての経験とも結びつき、食事がメンタルに与える影響の大きさを確信させるものでした。

こうした自身の回復体験と、患者への治療の中で得た学びを多くの人に伝えたいという思いから、宮島さんは『メンタルは食事が9割』を執筆しました。

食事でメンタルは回復できる

食事で7年間の鬱を抜け出せた

宮島賢也さんは、薬を使ってもなかなか改善しない7年間の抑うつ状態を経験しました。

その中で試みたのが、食事の見直しです。

野菜や果物、玄米などを中心とした消化に優しい食生活に変えたところ、徐々に体調が回復し、心も軽くなりました。

薬では得られなかった安定感を、食事改善によって手に入れることができたのです。

これは、心の不調に対して食事が大きな力を持つことを示す象徴的な体験となりました。

心と体は食べたものでできている

心と体の状態は、日々摂る食事によってつくられます。栄養が不足していたり、消化に負担の大きい食事を続けると、体だけでなく心にも疲れが溜まっていきます。

逆に、体に優しく栄養バランスの整った食事は、脳や神経に必要なエネルギーをスムーズに届け、心の安定を支えます。

つまり、精神の健康は意志や性格だけでなく、食事の質によって大きく左右されるのです。

心の不調は生活習慣病の1歩前

うつや不安、慢性的な疲労感などの心の不調は、実は生活習慣病の前段階であることが少なくありません。

過食、夜遅くの食事、加工食品の摂りすぎなどが続くと、腸内環境やホルモンのバランスが崩れ、心の不調として表れます。 

つまり、心の疲れは体からのサインでもあり、食生活を整えることが生活習慣病の予防にもつながるのです。

3度の食事で心も体もヘトヘトに

1日3回、満腹になるまで食べる生活は、実は心身に大きな負担をかけています。

食べ過ぎると消化に大量のエネルギーが使われ、体は常に「消化モード」のまま休まる暇がありません。

その結果、疲れやすく、気分も沈みがちになります。特に夜遅くの食事は睡眠の質を下げ、翌日の心と体の回復を妨げます。

心の不調を抱えている人ほど、食べ方の見直しが必要です。

だるさの解消には腹八分

食事はお腹いっぱいにせず、腹八分目を意識すると、体が軽くなり、だるさも減ります。

食べすぎによる血糖値の急上昇や消化負担を防ぐことで、脳と体のエネルギーが効率よく使われるようになり、自然と気分も安定します。少し物足りないくらいの食事が、結果的に心身を元気にするのです。

食事の変化で体が軽くなる・心が楽になる

食生活を改善すると、まず体が軽くなり、次に心が楽になります。

例えば、朝を果物だけにする、夜8時以降は食べない、発酵食品を取り入れる。

このような小さな変化でも、腸内環境が整い、疲れにくくなるのを実感できます。 

体が軽くなると、気分も前向きになりやすく、自然にやる気も湧いてきます。

食生活の見直しは心が回復するきっかけ

心の不調は、生活習慣を変えることで改善できる場合があります。

特に食事は、最も手軽で効果の出やすい心の回復法です。

小さな食事の改善が、体の負担を減らし、腸と脳の働きを整えます。

その結果、心が安定しやすくなり、薬だけに頼らない回復のきっかけになるのです。

心と体に毒を溜めない食べ方

食事サイクル

人の体には「摂取・吸収・排泄」のリズムがあり、これに合わせて食事をすると心身への負担が減ります。

午前4時~正午:排泄の時間(老廃物を出す時間)

正午~午後8時:摂取の時間(エネルギー補給の時間)

午後8時~午前4時:吸収と修復の時間

このサイクルを意識し、特に午前中は消化に負担の少ない食事にすると、体に毒が溜まりにくくなります。

食べる時間

食事は「時間」を意識するだけで、体への負担が大きく変わります。

朝から夜まで常に食べ続ける生活は、消化器官を休ませる暇がなく、疲労やメンタルの不調を招きます。

食べる時間を昼から夜の8時までに収めることで、体は自然に排泄・吸収のリズムを取り戻します。

何を食べるか

体に優しい食材を選ぶことが、毒を溜めない基本です。

野菜・果物・玄米・発酵食品を中心に、消化しやすく栄養価の高いものを選びます。

これにより、腸内環境が整い、心も体も軽くなります。

逆に、加工食品や脂っこい食事は、腸に負担をかけて毒素を溜めやすくします。

午後8時以降の食事

夜8時以降の食事は、体にとって「毒」になりやすい時間帯です。

夜は本来、吸収と修復の時間であり、消化活動にエネルギーを使うと体の回復が妨げられます。

結果として、疲れやすさや気分の落ち込みにつながります。

どうしても空腹なら、果物など軽いものを少量にとどめます。

体を傷つける7つのもの

著書では、体に負担をかけ、心にも悪影響を及ぼす7つの食習慣や食品が指摘されています。

  1. 夜遅い食事
  2. 食べ過ぎ
  3. 加工食品の取りすぎ
  4. 動物性脂肪の過剰摂取
  5. 精製糖質(白砂糖・菓子類)の取りすぎ
  6. 添加物の多い食品
  7. 水分不足

これらを避けるだけで、体の毒素は溜まりにくくなります。

バランスよく食べなくていい

「栄養バランスをすべての食事で完璧にしなければならない」という思い込みは不要です。

毎食で無理にバランスを取るより、消化に優しく必要な栄養がしっかり摂れる食事の方が体は楽になります。

心と体が疲れているときは、あえてシンプルな食事にする方が回復が早いこともあります。

空腹の時間

空腹の時間を意識的に作ることで、消化器官は休まり、体は毒素を排出しやすくなります。

常にお腹を満たしている生活は、排泄と修復の時間を奪い、心身を疲れさせます。

適度な空腹は、心にもスッキリ感を与えます。

毒出し半断食

「半断食」とは、1日の食事を軽くしたり、時間を制限することで体に休息を与える方法です。

例えば、朝食を果物だけにする、夕食を早めに終えるなどの軽い実践で十分です。

消化が落ち着くことで、体は自然に溜め込んだ毒素を排出し、心も軽くなります。

水不足

水分不足は、体内の老廃物の排出を妨げ、毒を溜め込む原因になります。

特にコーヒーやアルコールばかりに頼る生活は脱水を招きやすいです。

こまめに水を飲むことで代謝と排泄がスムーズになり、メンタルの安定にもつながります。

玄米菜食

玄米と野菜を中心とした食事は、消化に優しく、腸内環境を整える効果があります。

食物繊維やミネラルが豊富で、体に溜まった老廃物を自然に外へ排出してくれます。

動物性食品や加工食品を減らし、玄米菜食をベースにすると、心も体も軽くなります。

少食

「少し足りないくらい」の食事は、体の負担を減らし、代謝と回復を促進します。

食べ過ぎは消化にエネルギーを奪われ、疲労感や気分の落ち込みにつながります。

少食を習慣にすると、体の中に毒素が溜まりにくく、心も穏やかになります。

腸内環境を整える

脳腸相関

腸は「第二の脳」と呼ばれるほど、脳と密接に関係しています。

腸内の状態は自律神経やホルモンの分泌を通じて脳に影響を与え、気分や感情にも直結します。

これを「脳腸相関」と呼びます。 

腸内環境が乱れていると、脳はストレスを感じやすく、集中力や思考力も低下します。

逆に、腸が整うことで脳も安定し、落ち着いた気分やクリアな思考を取り戻せます。

幸せホルモン

心の安定に欠かせない神経伝達物質のひとつが「セロトニン」です。

セロトニンは別名「幸せホルモン」とも呼ばれ、安心感や幸福感をもたらします。

このセロトニンの約9割は腸で作られており、腸内環境が整うことで分泌がスムーズになります。

つまり、心が不安定になる背景には、腸の不調が潜んでいることが多く、腸を整えることが幸せな気分を支える基盤となります。

やる気が出ない原因

慢性的な疲労感ややる気の低下は、必ずしも性格や精神力の問題ではありません。

腸内環境が乱れていると、栄養の吸収がうまくいかず、脳に必要なエネルギーや神経伝達物質が届きにくくなります。

その結果、気力が湧かず、気分が落ち込みやすくなります。

やる気のなさを根本から改善するには、まず腸の状態を整え、脳にしっかり栄養を届けられる体づくりが大切です。

腸内環境が整うとメンタルが安定

腸が健康であることは、心の安定と直結しています。

腸内細菌のバランスが良いと、消化や吸収がスムーズになり、体に必要な栄養がきちんと脳まで届きます。

また、腸内で作られるセロトニンが増えることで、ストレスに強くなり、気分の浮き沈みも穏やかになります。

腸内環境を整えることは、薬に頼らずメンタルを安定させるための最も自然な方法のひとつです。

日本古来の発酵食品

腸内環境を整えるためには、腸内細菌にとって良い食事を意識することが重要です。

日本には、味噌、納豆、漬物、ぬか漬け、醤油など、古来からの発酵食品が豊富にあります。

これらは腸に善玉菌を届けるだけでなく、腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を自然に整えてくれます。

発酵食品を日常的に取り入れることは、心の安定につながる日本ならではの食習慣です。

このように、腸内環境を整えることは、心の健康を支える基盤であり、やる気や幸福感の回復にも直結します。

脳の栄養を補って心の感覚を取り戻す

脳の栄養不足

脳は体重のわずか2%しかないにもかかわらず、消費するエネルギーは全体の約20%に及びます。

つまり、脳は非常に多くの栄養を必要とする臓器です。

しかし、現代の食生活では加工食品や糖質に偏り、ビタミンやミネラルが不足しやすく、脳に必要な栄養が十分に届きません。

脳が栄養不足に陥ると、集中力や判断力が低下し、気分も落ち込みやすくなります。

心の不調の背景には、この脳の栄養不足が隠れていることが少なくありません。

白い食べ物

白米、白砂糖、白い小麦粉製品などの「白い食べ物」は、精製の過程でビタミンやミネラル、食物繊維が失われています。

これらは血糖値を急上昇させ、一時的には元気が出るように感じますが、その後急激に低下するため、疲労感や気分の落ち込みを招きます。

また、脳に必要な栄養素をほとんど含まないため、白い食べ物中心の生活は脳の栄養不足を悪化させる原因になります。

ナイアシン

ナイアシンはビタミンB群の一種で、脳内の神経伝達やエネルギー代謝に深く関わる栄養素です。

ナイアシンが不足すると、脳はエネルギーを十分に作れず、思考力の低下や感情の不安定さを引き起こします。

肉や魚、きのこ類、ナッツ類に多く含まれ、これらを食事に取り入れることで、脳の働きを安定させることができます。

ビタミンC

ビタミンCは抗酸化作用を持ち、ストレスから脳を守る重要な栄養素です。

脳は非常に酸化しやすく、慢性的なストレスは脳細胞のダメージにつながります。

ビタミンCを十分に摂ることで、神経伝達物質の合成を助け、気分の安定に寄与します。

果物や野菜を意識的に取り入れることが、脳の健康に直結します。

カルシウム

カルシウムは骨だけでなく、神経伝達や心の安定にも深く関わっています。

不足するとイライラしやすくなり、感情の起伏が大きくなります。

乳製品だけでなく、小魚や海藻、緑黄色野菜からも摂取でき、バランスの取れた食事が脳と心の落ち着きを支えます。

大豆レシチン

大豆レシチンは脳の神経細胞の膜を作る材料となる重要な成分です。

特に記憶や学習能力に関わる神経伝達に不可欠で、不足すると集中力や記憶力が低下します。

納豆、豆腐、豆乳などの大豆製品は手軽に摂れる脳の栄養源であり、メンタルの回復にも役立ちます。

亜鉛

亜鉛は脳内の神経伝達やホルモンの調整に関わり、心の安定に欠かせないミネラルです。

不足すると味覚障害や免疫低下だけでなく、意欲の低下や抑うつ症状の悪化を招くことがあります。

牡蠣、肉類、ナッツ、海藻に多く含まれ、脳の働きを支える栄養素です。

DHA・EPA

DHAやEPAは青魚に豊富に含まれる不飽和脂肪酸で、脳の神経細胞の柔軟性を保ち、情報伝達をスムーズにする働きがあります。

不足すると脳の働きが鈍くなり、うつや不安感が強まりやすくなります。

サバ、イワシ、サンマなどを意識的に取り入れることで、心の安定と集中力の向上につながります。

麻痺した心の感覚は取り戻せる

脳の栄養が不足した状態では、感情が鈍くなり、やる気や喜びを感じにくくなります。

しかし、必要な栄養素を意識して摂り、腸内環境を整えることで、脳は本来の働きを取り戻します。

少しずつでも食生活を改善していけば、麻痺していた心の感覚は再び蘇り、自然に前向きな気持ちや活力を取り戻すことができます。

このように、脳に必要な栄養を意識的に摂ることは、メンタルの回復に直結します。

まとめ

心と体の健康は、日々の食事に大きく左右されます。

宮島賢也さんは、薬では改善しなかった7年間のうつ状態を、食生活の見直しによって克服しました。

その経験から、心の不調は生活習慣の乱れや脳の栄養不足、腸内環境の悪化が原因となることを明らかにしています。

心と体に毒を溜めないためには、体のリズムに沿った食事サイクルを意識し、消化に優しい野菜・果物・玄米・発酵食品を中心に取り入れ、夜遅い食事や食べ過ぎを避けることが大切です。

空腹の時間や少食を取り入れることで、体は自然に毒素を排出し、心も軽くなります。

腸内環境を整えることは、メンタルの安定に直結します。

腸で作られるセロトニンは心の安定を支える「幸せホルモン」であり、日本古来の味噌や納豆、漬物などの発酵食品はその働きを助けます。

さらに、脳にはナイアシンやビタミンC、カルシウム、亜鉛、DHA・EPAなどの栄養が必要です。

これらをしっかり摂ることで、脳は本来の働きを取り戻し、やる気や喜びといった感情が自然に蘇ります。

食事を整えることは、心を整える第一歩です。小さな食生活の改善が、体を軽くし、心の回復を促す大きなきっかけとなります

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