樺沢紫苑さんの著書 『行動最適化大全』
最高の1日をつくる行動最適化
朝起きを心地よくむかえる
朝の目覚めは一日の質を大きく左右します。スッキリ起きるためには、十分な睡眠時間と規則正しい就寝が欠かせません。
起床後すぐにカーテンを開けて太陽光を浴びると、体内時計がリセットされ、眠気を引きずらずに活動モードへ切り替わります。
朝型生活に切り替える
脳のパフォーマンスがもっとも高まるのは朝です。
夜型生活では集中力や判断力が低下しやすいため、起床・就寝を少しずつ前倒しすることで朝型リズムに移行できます。
朝型に切り替えることで、生産性が高く、心身ともに健やかな生活を送りやすくなります。
気持ちのいい目覚め方
快適な起床には「睡眠の質」が大切です。寝る直前のスマホや飲酒は眠りを浅くするため避けるべきです。
目覚ましは大音量で驚かすよりも、少しずつ音量が上がるタイプや、自然光に近いライトを利用することで気持ちよく目覚められます。
決めた朝のルーティンをこなす
毎朝同じ行動を繰り返すことで、脳は「自動運転」になり、迷いや無駄なエネルギー消費を防げます。
歯磨き、朝散歩、日記、コーヒーなどを一定の順番で行うことで、意志力を節約しながら効率よく一日をスタートできます。
朝散歩を日課にする
朝の光を浴びながら歩くと、体内時計がリセットされ、睡眠ホルモンのリズムも整います。
さらに、歩行によって脳への血流が増え、集中力や創造力が高まります。10〜15分の軽い散歩でも効果的です。
今日やることを書き出す
やるべきことを紙に書き出すことで、脳のワーキングメモリを空け、集中力を仕事や学習に向けやすくなります。
優先順位をつけてリスト化すれば、無駄な迷いや後回しが減り、一日を計画的に過ごせます。
ポモドーロ・テクニック
25分集中+5分休憩のサイクルを繰り返す方法です。短い時間区切りが集中を維持しやすくし、休憩を挟むことで疲労を防ぎます。
脳科学的にも注意力は長時間続かないため、このリズムが最適とされています。
午後はコミュニケーションに向いている
午前中に比べると午後は集中力が落ちやすいため、会議や人との交流など「コミュニケーションが中心の活動」に充てると効率がよくなります。
雑談や打ち合わせは午後に予定を入れると自然なリズムに合致します。
単純作業には音楽
メール処理やデータ入力のような単純作業には、リズム感のある音楽を流すと効率が上がります。
音楽は気分を高め、作業にリズムを与えるため、集中を妨げにくいジャンル(クラシック、BGM系など)が推奨されます。
成功者は遊びの達人が多い
一流の人ほど「遊び」を大切にしています。遊びや趣味は脳をリフレッシュさせ、創造性を高めます。
オンとオフを切り替えることで長期的に成果を出すことができるのです。
疲れたときは運動
疲れを感じたときこそ軽い運動が効果的です。
運動によって脳内に酸素が行き渡り、血流が改善されます。その結果、眠気やだるさがリセットされ、逆に集中力が回復します。
寝る前の2時間の過ごし方
就寝前はスマホやパソコンを避け、心を落ち着ける時間にしましょう。
読書や軽いストレッチ、日記などを行うと、副交感神経が優位になり、深い睡眠に入りやすくなります。
寝る直前まで刺激を受けないことが重要です。
楽しいことを考えて寝る
眠りにつく前にポジティブなことを考えると、安心感に包まれて眠りにつきやすくなります。
逆に不安や悩みを考えると入眠が妨げられます。「今日の良かったこと」を思い返す習慣が心の安定にも役立ちます。
運動後の集中力
運動をすると脳内にドーパミンやセロトニンが分泌され、気分がリフレッシュします。
この状態では集中力・記憶力が高まるため、運動後に勉強や仕事を行うと効率が上がります。
行動してやる気を出す
「やる気が出たら行動する」のではなく、「行動するからやる気が出る」のが脳の仕組みです。
小さな行動を起こすことで脳が活性化し、やる気ホルモンが分泌されます。
仕事はつらいではなく楽しむ
「嫌々やる仕事」より「楽しんでやる仕事」の方が圧倒的に効率も成果も高まります。
仕事の中に楽しさや学びを見つける工夫をすることで、モチベーションを持続できます。
効率のいい学習方法
アウトプットを意識することが学習効率を高めます。
ただ読むだけではなく、人に説明したり、書いて整理することで理解が深まります。
脳は「使う前提」で覚えると記憶が定着しやすいのです。
記憶する方法
繰り返しが記憶の定着に不可欠です。
特に「エビングハウスの忘却曲線」に沿って、1日後・1週間後・1か月後に復習すると長期記憶に変わります。
睡眠中に記憶が整理されるため、十分な睡眠も欠かせません。
学習効率を上げるインプットのやり方
インプットは「分散学習」が効果的です。短時間を繰り返して学ぶことで、脳は情報を長期記憶として保存しやすくなります。
また、インプットと同時にアウトプットを組み合わせると効率が倍増します。
本は読んで実践
本を読むだけでは行動は変わりません。読んだ内容を1つでも実際に生活に取り入れてこそ意味があります。
実践を通して初めて知識が身につき、成果に結びつきます。
温かい言葉をたくさん使う
言葉は自分や相手の感情に影響します。
温かい言葉や前向きな言葉を意識して使うことで、人間関係が良好になり、自分自身も前向きな気持ちで過ごせます。
パートナーに感謝を伝える
近しい存在ほど感謝の言葉を省きがちです。
しかし、日常的に「ありがとう」を伝えることで信頼関係が深まり、幸福感も高まります。
パートナーシップを良好に保つための大切な習慣です。
毎日の運動
継続的な運動は脳と体の健康を守る最良の投資です。
1日20分の有酸素運動でも効果は十分で、ストレス軽減、集中力向上、生活習慣病予防に役立ちます。
ストレスの解消方法
ストレスは避けられませんが、運動・睡眠・人との交流が三大解消法です。
特に体を動かすことは即効性があり、気分をリセットできます。
また、日記や感謝の習慣も心の安定に効果的です。
水分の摂り方
脳の働きには水分が欠かせません。
軽い脱水でも集中力や判断力が下がります。
1日1.5〜2リットルを目安に、こまめに摂取することが大切です。
特に起床後と運動後は意識的に補給しましょう。
コーヒーの正しい飲み方
コーヒーは集中力を高める効果がありますが、飲むタイミングが重要です。
起床直後はコルチゾールが分泌されているため避け、午前10時以降が効果的です。
1日2〜3杯までなら健康にも有益とされています。
成長のためにまずやってみる
完璧に準備してから行動するよりも、まず一歩を踏み出すことが成長につながります。
経験から学ぶことでしか得られない知恵があり、試行錯誤を繰り返すことが自己成長を促進します。
朝の最適化
朝は体内時計を整え、脳のゴールデンタイムを最大活用する時間です。
起床時刻を毎日固定し、目覚めたらまずカーテンを開けて朝の光を浴び、水を一杯飲んで体内を起こします。
軽いストレッチや深呼吸で交感神経を穏やかに立ち上げ、可能なら10〜20分の朝散歩で日光+歩行刺激を同時に取得します。
朝食は消化に軽く、タンパク質と食物繊維を少量入れて血糖を安定させます。
カフェインは起床直後は避け、体内のコルチゾールが落ち着く90分後以降に1杯目をとると効きやすく、飲み過ぎは反跳不安と睡眠質低下を招くため午前中に2杯程度までにします。
デスクに着いたら今日の最重要タスクを3つに絞り、25分集中+5分休憩のポモドーロで「深い仕事」を2〜4セットまとめて処理します(通知はオフ、資料と机は最小限に整理)。
思考が乗る前にメールやSNSに触れると注意が分散するため、返信は午前の深い作業が一区切りついた後にまとめて行います。
朝のルーティン(起床→光→水分→ストレッチ→朝散歩→軽食→最重要タスク)を毎日同じ順序で回すと意思力の消耗が減り、自動的に高いパフォーマンスに入れます。
夜型から朝型へ切り替える場合は、就寝・起床を3〜4日ごとに15分ずつ前倒しし、休日も起床時刻を崩さないことが定着の近道です。
昼の最適化
昼はエネルギーと集中の揺らぎを前提に、「コミュニケーションと運用タスク」を中心に据えると効率が上がります。
昼食は腹八分、よく噛み、炭水化物に偏らない構成で血糖の乱高下を避けます。
食後は5〜10分の散歩で眠気を払いつつ脳血流を回復し、可能なら10〜20分のパワーナップで午後の注意力を底上げします(遅い時間の長い昼寝は夜の睡眠を阻害するため避ける)。
午後いちは会議・打ち合わせ・1on1・電話など人とのやり取りをまとめ、各会議は目的・アジェンダ・決定事項・次アクションを明示して45〜50分枠で締めます。
単純反復系の作業はBGMを活用してテンポを作り、思考系の作業はポモドーロ2〜3セットまでに抑えて疲労蓄積を防ぎます。
集中が落ちたらマルチタスクではなくタスク切替の儀式(席を立つ、深呼吸、メモで次の一手を一行書く)で認知の摩擦を減らします。
ストレスがじわじわ高まっていると感じたら、4秒吸って6秒吐く呼吸を3〜5サイクル、あるいは3行ジャーナリングで感情を言語化し、思考のループを早めに断ち切ります。
水分はこまめに補給し、カフェインは16時以降を控えて夜の睡眠を守ります。
午後の後半では「今日ここまでで完了させること」と「明日に渡すこと」を仕分け、未完了は次の具体的一歩(電話する、段落を書く、データ集めを始める等)まで分解してから手放すと、帰宅後に反芻しにくくなります。
夜の最適化
夜は回復・記憶定着・翌日の準備に特化します。
終業の合図として「日次レビュー」を行い、今日できたことを3つ、学びを1つ、未完了の次の一手を1行で書き出して頭の中を空にします。
就寝2時間前からは刺激を下げ、画面時間を減らし、明るい白色光から暖色の間接照明へ切り替えます。
入浴は就寝の90分前を目安にして深部体温の下降を促し、軽いストレッチや呼吸法で副交感神経を優位にします。
夕食は就寝3時間前までに重すぎない内容で済ませ、アルコールは睡眠の質を落とすため控えめにします。
学習は夜にインプットを置き、就寝前に要点を数行で要約する、明日誰かに説明する前提でポイントを声に出すなど軽いアウトプットを添えると記憶の定着が進みます。
本は「明日試す1つ」を必ず決め、枕元のメモに書いて寝ることで翌朝の行動へ橋を架けます。
寝室は暗く静かで涼しく保ち、スマホは別室または離れた場所に置きます。
ベッドに入ったら「今日の良かったこと」を3つ思い出し、パートナーや家族への感謝を心の中か言葉で伝えてから眠りにつくと、安心感が高まり入眠がスムーズになります。
もし中途覚醒した場合は時計を見ず、15分以上眠れなければ一度ベッドを離れて静かな読書などで再び眠気を待つのがコツです。
就寝・起床時刻は毎日ほぼ一定にし、遅くとも就寝1時間前からはカフェイン・強い運動・重い議論を避け、翌日の服・持ち物・最初のタスクを整えて「迷いのない朝」につなげます。
仕事の最適化
仕事を最適化するには、脳の性質に合わせてタスクを配置し、生産性を高める仕組みを持つことが重要です。
脳の前頭前野は起床後2〜3時間がもっとも活発で、この時間帯に判断力や創造力を要する重要課題を集中して処理するのが理想です。
午前中は通知を切り、ポモドーロ・テクニックを用いて25分集中+5分休憩のリズムで「深い仕事」を進めると、少ない時間で大きな成果を出せます。
一方で午後は集中力が低下しやすいため、会議・人との調整・メール返信など比較的軽めの「浅い仕事」を割り当てます。
タスク管理においては、1日の最初に「今日必ずやるべき3つのこと」を決め、それ以外の業務は優先度を落として処理します。
未完了のまま放置すると脳は「ツァイガルニク効果」により未処理情報を繰り返し思い出しストレスを感じるため、タスクは「次の具体的な行動」にまで分解してから棚上げするのが有効です。
さらに、定期的に「日次レビュー」で今日できたことと学びを振り返り、翌日の予定を前もって決めることで翌朝すぐに行動に入れます。
仕事を「義務」ではなく「楽しみ」ととらえる姿勢も重要で、小さな達成感や学びを見つけて報酬系を活性化させることで長期的なモチベーションを維持できます。
学習の最適化
学習の効果を最大化するには「アウトプット前提」でインプットすることが欠かせません。
人は読むだけでは7割以上を忘れてしまいますが、他人に説明するつもりで学ぶと理解が深まり、記憶にも定着します。
インプットとアウトプットを1:1の比率で組み合わせると学習効率が飛躍的に高まります。
また、記憶を維持するには繰り返しが必要で、エビングハウスの忘却曲線に基づき、1日後・1週間後・1か月後に復習すると長期記憶に移りやすくなります。
効率を上げるためには「分散学習」を取り入れ、短時間を複数回繰り返すのが効果的です。
長時間の詰め込みは疲労と忘却を招きやすいため、25分学習+5分休憩のサイクルを繰り返す方が集中を維持できます。
また、運動後に学習を行うと脳の神経可塑性が高まり、記憶の定着力が増すことが分かっています。
学習内容をノートやカードにまとめ、声に出して説明する、またはSNSや人に話すことで、アウトプットが習慣化され知識が深まります。
さらに、夜の学習はインプットに適しており、寝る前に覚えた情報は睡眠中に整理されやすいため、復習や暗記を夜に置くと効果が高まります。
コミュニケーションの最適化
人間関係は幸福度に直結するため、コミュニケーションを最適化することは人生全体の質を高めます。
基本は「相手に関心を持ち、共感する」姿勢です。
話すよりも聴くことを意識し、相手の話を遮らずに最後まで聞くことで信頼感が生まれます。
返答には「温かい言葉」を積極的に使い、相手を肯定する表現を心がけると良好な関係が築かれます。
また、パートナーや家族には当たり前のことでも「ありがとう」と感謝を伝えることで関係性は深まり、互いの幸福感が高まります。
午後は集中力が落ちる時間帯のため、会議や雑談など「人との交流」をこの時間に組むと自然な流れでストレスが少なくなります。
ネガティブな話題が続くと感情が引きずられるため、会話の終わりにはポジティブな話題で締める工夫が有効です。
オンライン時代においても、カメラをオンにして表情を見せたり、短い雑談を挟むことで心理的距離を縮められます。
さらに、自分の感情をため込まないために日記やジャーナリングを活用して整理し、余計な苛立ちを他人にぶつけないようにすることも重要です。
健康の最適化
健康の土台は「睡眠・運動・食事・メンタルケア」の4本柱です。
まず睡眠は最重要で、7時間前後を目安に毎日ほぼ同じ時刻に就寝・起床することが望ましいです。
就寝2時間前からは強い光・刺激を避け、深部体温を下げるための入浴を取り入れると質が高まります。
運動は1日20〜30分の有酸素運動を継続するだけで、脳機能の向上、メンタルの安定、生活習慣病の予防につながります。
筋トレも週2〜3回取り入れることで基礎代謝と姿勢を改善できます。
食事は血糖値を急上昇させない工夫が大切で、野菜やタンパク質から食べる「ベジファースト」、よく噛む習慣、過剰な糖質摂取を避けることが基本です。
水分はこまめに摂り、1日1.5〜2リットルを目安にします。
コーヒーは午前10時以降〜午後3時までに2〜3杯までとし、夕方以降は控えます。
メンタルケアでは、運動・人との交流・感謝の習慣がストレス解消の三本柱です。
ストレスを感じたときには深呼吸や短い散歩、日記で感情を言語化するなど、早めに解消する行動を持つことが大切です。
健康を守ることは単なる自己管理ではなく、仕事や学習、コミュニケーションのすべての基盤を強化する「最大の投資」といえます。
まとめ
私たちの1日を最高にするには、朝・昼・夜それぞれに適した行動をとり、仕事・学習・コミュニケーション・健康を最適化することが大切です。
朝は、規則正しい起床・光を浴びる・水分補給・朝散歩などで体内時計を整え、脳がもっとも冴える時間に重要な仕事や学習を集中して行うのが効果的です。
昼は、食後に軽く体を動かし、午後の時間をコミュニケーションや単純作業に充てると効率が上がります。
夜は、就寝2時間前から刺激を減らし、入浴・ストレッチ・読書などで心を落ち着け、感謝やポジティブな思いを抱いて眠りにつくと睡眠の質が高まります。
仕事の最適化では、午前中に重要課題を処理し、午後は調整や会議に充てるなど時間の使い方を工夫します。
学習の最適化は、アウトプット前提で学び、分散学習や繰り返し復習を取り入れることで定着率を高められます。
コミュニケーションの最適化では、相手に共感し感謝を伝えることが人間関係と幸福度を向上させます。
健康の最適化は、睡眠・運動・食事・メンタルケアを整えることで、すべての活動の土台を強くします。
つまり、行動を脳と体の仕組みに沿って最適化することで、効率・成果・幸福感を同時に高められるのです。


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