鈴木祐さん著書、『最高の体調』を参考にしました。
この内容の前提として進化論をベースにしています。
文明病とは?
文明病とは、人類が文明の発展によって手に入れた豊かさの裏側で生じる心身の不調を指す。
人類は長い狩猟採集生活を経て進化してきたが、わずか数千年の農耕や産業化の時代では身体や脳が環境に適応しきれていない。
加工食品や不自然な生活習慣、慢性的なストレスなどが引き金となり、肥満、うつ、集中力低下、慢性疲労といった問題が増えている。
これは現代特有の病であり、自然な生活から乖離した結果として生じる。
文明病が心と体を蝕む
文明病は体に炎症をもたらし、心に不安を生み出す。
炎症は肥満、糖尿病、心臓病などの慢性疾患を引き起こし、不安はうつや不眠、集中力の低下を招く。
現代人は表面的には便利で快適な環境に暮らしているが、進化の過程で想定されていなかった生活リズムや食事内容に囲まれ、心と体のバランスを大きく崩している。
そのため現代病とも呼べる多くの不調が、文明の進歩とともに拡大している。
カロリー過多
人類の歴史の大部分で食料は不足しており、体は飢餓に強く作られている。
しかし現代は高カロリー食品が容易に手に入り、運動量は減少した。
その結果、消費より摂取が上回る「カロリー過多」が常態化し、肥満や生活習慣病の原因となっている。
特に砂糖や精製された穀物、加工食品は急激な血糖値上昇を招き、体に負担をかける。これは進化的に想定外の環境であり、体の仕組みが追いついていない。
古代ではありえない肥満
狩猟採集時代の人類には肥満は存在しなかった。限られた資源を得るためには日々の運動が不可欠であり、摂取できる食物も自然に由来するものだったからである。
ところが現代では、豊富な食料が常に身近にあり、体を動かす必要がほとんどない。
結果として、かつては稀だった肥満が社会全体で拡大し、それが生活習慣病やメンタル不調の温床となっている。肥満は文明病の象徴ともいえる。
現代人の集中力低下
スマートフォンやインターネットの普及によって、常に情報が流れ込む環境が整った。
その一方で、人間の脳は大量の情報処理に適応しておらず、注意が分散しやすい。
さらに睡眠不足や炎症が重なることで集中力は低下しやすくなる。
狩猟採集の時代は、目の前の作業に集中することが生存に直結していたが、現代はマルチタスクや過剰な刺激が当たり前になり、脳のパフォーマンスが下がっている。
豊かになればなるほどうつ病は増加
社会が豊かになり、衣食住の不安が減少しても、精神的な幸福は比例して高まらない。
むしろ、うつ病や不安障害は経済的に豊かな国ほど増加する傾向がある。
これは、孤独感の拡大やコミュニティの希薄化、情報過多による比較意識の強化などが原因とされる。
生き延びることよりも「他者との比較」に意識が向かうようになった現代では、心の不調が拡大しているのである。
旧石器時代の食事法で健康を取り戻す
文明病を避けるためには、旧石器時代の食事に近づけることが有効だとされる。
つまり、未加工の野菜や果物、ナッツ、魚や肉など、自然に近い食材を中心に摂るという方法である。
精製された砂糖や小麦、人工的な添加物を避けることで腸内環境が整い、炎症が抑えられる。
完全に過去の食事を再現することは不可能だが、自然に近い食品を選ぶことが現代人の体調改善に寄与する。
現代人の不調の原因
現代人が抱える慢性的な疲労感、気分の落ち込み、睡眠の質の低下などの背景には、進化の歴史とのミスマッチがある。
体は狩猟採集生活に適応しているにもかかわらず、現代では運動不足、人工的な光、加工食品、孤独な生活、絶え間ない情報刺激にさらされている。
この「環境のずれ」こそが不調の根本原因であり、個別の症状はその表れにすぎない。
炎症と不安
文明病の本質は、体における「慢性的な炎症」と、心における「過剰な不安」である。炎症は食生活や運動不足、睡眠障害などによって強まり、体調を悪化させる。
不安は未来を過剰に予測しようとする脳の働きによって生まれ、心を不安定にする。
どちらも人類の進化の過程では役立っていた仕組みだが、現代では慢性的に働きすぎて不調を生んでいる。
この2つを抑えあることが、文明病克服の鍵である。
文明病の対策
食事
文明病の大きな原因は加工食品や過剰な糖質にあるため、食事ではできるだけ自然に近い食品を選ぶことが重要です。
野菜や果物、魚、ナッツ、豆類、発酵食品などを中心に取り入れることで腸内環境が整い、炎症を抑えることができます。
逆に砂糖や精製穀物、加工肉、ジャンクフードは慢性的な炎症を引き起こしやすく、文明病を悪化させるため控えるべきです。
食事を自然に寄せるだけで、体調や精神状態の改善につながります。
運動
人類は本来、日常的に体を動かす生活をしていました。
現代のように長時間座り続ける生活は進化の歴史と合わず、肥満や集中力低下の原因になります。
そこでウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動に加え、筋トレを取り入れることで全身の炎症を抑え、体の機能を高められます。
特に「少しでも毎日動く」ことが効果的であり、短時間でも体を使う習慣が文明病の予防に直結します。
睡眠
睡眠不足や不規則な生活は、心身に慢性的な炎症を引き起こす大きな要因です。
現代では人工的な光や夜更かしが睡眠の質を下げています。
睡眠を整えるには、毎日同じ時間に寝起きすること、寝る前にスマートフォンやパソコンの使用を避けること、寝室を暗く静かに保つことが大切です。
良質な睡眠は体を修復し、脳をリセットして不安を和らげるため、文明病克服の基盤となります。
自然
人間は長い間、自然環境の中で暮らしてきました。
そのため、自然との接触が不足すると心身に不調が生じやすくなります。
森林浴をしたり、公園を散歩したり、日光を浴びるだけでもストレスホルモンが下がり、炎症も抑制されます。
自然に触れる時間は気分を安定させ、集中力を回復させる効果が科学的にも示されています。
都市生活の中でも意識的に自然を取り入れることが文明病への有効な対策になります。
瞑想
現代人の不調の多くは「未来への過剰な不安」によるものです。
瞑想は、意識を「今ここ」に戻す訓練であり、不安やストレスを和らげる強力な手段です。
特にマインドフルネス瞑想は科学的に効果が認められており、心の安定や集中力の向上に役立ちます。
毎日数分でも呼吸に意識を向けるだけで脳の働きが整い、心の負担が軽くなります。
日記
日記を書くことは、頭の中で渦巻く感情や考えを言語化し、脳の負担を軽減する効果があります。
特に「今日の出来事」「感じたこと」「感謝したこと」などを簡単に書くだけでも、心が整理され、不安が軽くなります。
また、過去の記録を振り返ることで自分の成長を確認でき、前向きな気持ちを育てられます。
日記は文明病が生む不安を解消するシンプルで効果的な方法です。
人とのつながり
孤独は文明病を悪化させる大きな要因です。
人間は進化の過程で仲間とのつながりを前提に生きてきたため、孤立は強いストレスや不安を引き起こします。
信頼できる人と過ごす時間を持つこと、雑談や協力関係を大切にすることが心の安定につながります。
深い絆を持つ人間関係は炎症を抑え、長寿や幸福度を高めることも分かっています。
現代ではあえて意識的に人と関わることが、文明病対策に欠かせません。
すぐに実践できる1日の行動例
朝は起きてすぐにカーテンを開けて日光を浴び、体内時計を整える。
朝食には野菜や果物、ヨーグルトや納豆といった発酵食品を取り入れ、腸を元気にする。
出勤前や通勤中には軽く歩くなど、短い運動を習慣にする。
日中はできるだけ階段を使い、昼休みには公園を散歩して自然に触れる。
昼食や間食は加工食品を避け、ナッツやサラダなど自然に近いものを選ぶ。
夕方には軽い筋トレやストレッチを行い、体をほぐす。
夜はパソコンやスマートフォンの使用を控え、寝る前に5分だけでも瞑想をして心を落ち着ける。
そのあと日記を書き、今日あった出来事や感謝できることを簡単に記録する。
家族や友人との会話やちょっとした雑談を大切にして、孤独を和らげる。最後は同じ時間に就寝し、質の良い睡眠を確保する。
このように食事、運動、睡眠、自然、瞑想、日記、人とのつながりを少しずつ生活に組み込むことで、無理なく文明病を防ぎ、心身を整えることができます。
まとめ
文明病とは、人類が自然から離れた生活を送るようになったことで生じる現代特有の心身の不調のことです。
加工食品や過食、運動不足、情報過多、睡眠リズムの乱れ、孤独などが原因となり、肥満や生活習慣病、集中力の低下、うつや不安が広がります。
その本質は「慢性的な炎症」と「過剰な不安」にあり、心と体を同時に蝕んでいます。
文明病を防ぐためには、自然に近い生活習慣を取り戻すことが大切です。
具体的には、野菜や発酵食品などを中心とした食事、毎日の軽い運動と筋トレ、規則正しい睡眠、森林や日光に触れる時間、マインドフルネス瞑想、感情を整理する日記、そして信頼できる人とのつながりを大切にすることです。
これらを生活に少しずつ組み込むことで、不調を和らげ、心身の調和を取り戻すことができます。


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