鈴木祐さん著書、『最高の体調』を参考にしました。
炎症
長寿の人は体の炎症レベルが低い
長寿の人々を調べると、共通して体内の炎症レベルが低いことがわかっています。
炎症は本来、体を守るための防御反応だが、慢性的に続くと組織を傷つけ、老化を加速させます。
長生きする人ほど炎症を抑え込む仕組みを持ち、生活習慣によって炎症を上げにくい状態を維持しています。
つまり、寿命と炎症は深く結びついているのです。
炎症が長引くと全身の機能が低下する
一時的な炎症は回復に役立つが、長期化すると血管、神経、内臓といった全身に悪影響が広がります。
慢性炎症は糖尿病や動脈硬化、うつ病など多くの現代病の根本にあり、免疫の過剰反応が常に体を攻撃している状態になります。
その結果、疲れやすさや集中力低下など、全身の機能不全が現れてきます。
内臓脂肪が減らない限り体は燃え続ける
内臓脂肪は単なるエネルギーの蓄えではなく、炎症を引き起こす物質を分泌する性質があります。
そのため内臓脂肪を抱えたままでは、体は常に炎症の火種を抱えているような状態になるのです。
体を健康に保つためには、食事改善や運動によって内臓脂肪を減らし、この炎症の発信源を取り除くことが欠かせません。
メタボリックシンドローム
メタボリックシンドロームは、肥満、高血圧、高血糖、脂質異常が組み合わさった状態であり、強い炎症と直結しています。
内臓脂肪の増加によって炎症物質が放出され、血管や臓器に負担を与えることで生活習慣病を引き起こします。
現代社会で急増しているこの症候群は、まさに文明病の象徴といえます。
謎の不調と炎症は明確に連動している
現代人がよく訴える「原因不明の疲れ」「気分の落ち込み」「眠れない」といった不調は、多くの場合、体内の慢性炎症とつながっています。
炎症は血管や神経を通じて全身に広がり、明確な病名がつかない症状を生みます。
そのため、不調の正体を突き止めるには炎症の有無を見直すことが重要になります。
狩猟採集民の炎症状態
狩猟採集生活を送る現代の少数民族を調べると、炎症のレベルが非常に低いことが確認されています。
彼らは自然の食事、豊富な運動量、規則正しい睡眠、強いコミュニティのつながりを持っており、現代人に見られる慢性炎症とは無縁なのです。
進化に適した生活習慣が炎症を抑えることを示す好例です。
睡眠と炎症の関係
睡眠不足は炎症を増幅させる最大の要因の一つです。
わずか数日の短い睡眠でも、体内の炎症マーカーが大幅に上昇することが研究で示されています。
逆に、十分で質の高い睡眠をとることで炎症は抑えられ、免疫機能が整います。
睡眠は体のリセットであり、炎症対策に不可欠な習慣といえます。
トランス脂肪酸と孤独
マーガリンや加工食品に含まれるトランス脂肪酸は、体内の炎症を強く引き起こします。
一方で、社会的な孤独や孤立もまた炎症を高めることがわかっています。
つまり「体に悪い食事」と「心の孤独」はどちらも同じ炎症を通じて体を蝕んでおり、心身の健康を同時に損なってしまうのです。
古代より多すぎるもの
現代の生活には、古代には存在しなかった過剰なものが多く、精製糖、加工食品、人工的な光、過剰な情報、ストレスなどがそれに当たります。
これらはすべて炎症や不安を慢性的に高める要因となり、文明病を生み出しています。
古代より少なすぎるもの
逆に、古代に比べて現代人に不足しているものもあります。
運動量、自然との触れ合い、睡眠時間、仲間とのつながり、発酵食品や食物繊維などがそれにあたります。
これらは炎症を抑え、不安を和らげるために不可欠な要素であり、不足することで不調が起こりやすくなります。
古代には存在しなかった新しいもの
現代には、進化の過程では存在しなかった新しい要素が数多くあります。
人工的な添加物、農薬、大気汚染、電子機器からのブルーライトなどは、人体が適応していない刺激であり、炎症や不安を引き起こす原因となります。
こうした新しい負荷は避けることが難しいが、意識して減らすことで健康を守ることができます。
炎症を抑えるための日常習慣
食事を整える
炎症を引き起こす加工食品、トランス脂肪酸、砂糖の多い飲料を避けることが大切である。
代わりに、魚やオリーブオイル、ナッツ、野菜、果物、発酵食品など抗炎症作用のある食材を摂ることで、体内の炎症反応を静められる。
体を動かす習慣を持つ
軽い有酸素運動や筋力トレーニングを日常的に行うと、炎症を促す内臓脂肪が減り、全身の炎症レベルが低下する。
過度な運動は逆効果になることがあるため、心地よい範囲で継続することが重要である。
質の良い睡眠を取る
睡眠不足は炎症を高める。就寝前のスマホやカフェインを避け、毎日同じ時間に眠る習慣を作ると、炎症を抑えやすくなる。
深い睡眠は体の修復を促し、免疫の過剰反応を鎮める。
ストレスを減らす
慢性的なストレスは体内の炎症反応を長引かせる。
瞑想や深呼吸、軽い散歩などで気持ちを落ち着ける時間をつくると、ストレスホルモンが下がり、炎症も抑制される。
自然に触れる時間を持つ
自然環境で過ごすことは副交感神経を優位にし、ストレスを下げ、炎症の抑制に役立つ。森林浴や公園での散歩など、短時間でも効果が期待できる。
人とのつながりをもつ
孤独は炎症を悪化させる要因の一つである。友人や家族との会話、ちょっとした交流が心の安心感をもたらし、炎症レベルを下げる働きがある。
適度に太陽光を浴びる
日光を浴びることでビタミンDが生成され、免疫のバランスが整い炎症の暴走を防ぐ。
朝の散歩や日中の外出で自然光を取り入れることが効果的である。
要するに、「食事・運動・睡眠・ストレス管理・自然・つながり・太陽光」 を日常に取り入れることで、慢性的な炎症を抑え、心身の不調を防ぐことができるのです。
不安
不安障害の患者の増加
現代社会では不安障害の患者が急増しています。
これは、常に情報にさらされ、将来への不確実性を強く感じる環境に生きていることが原因の一つです。
経済的な競争や社会的比較、孤独感などが重なり、脳が本来以上に「危険」を予測するようになっています。
その結果、生活に支障をきたすほど強い不安を抱える人が増えている。
ぼんやりした不安とはっきりした不安
不安には、対象が明確ではない「ぼんやりした不安」と、具体的な危険に対する「はっきりした不安」があります。
はっきりした不安は生存に役立ち、危険を回避する行動を促すが、ぼんやりした不安は脳を消耗させ、慢性的なストレスとなりましす。
現代人が抱える多くの不安は、この対象の曖昧な不安であり、心身をじわじわと蝕んでいきます。
不安は記憶力・判断力を奪い死期を早める
不安が強い状態が続くと、脳は常に危険に備えようとするため、記憶や判断といった高次の機能に使うエネルギーが奪われます。
そのため集中力や学習能力が低下し、日常生活や仕事のパフォーマンスが落ちていく。さらに慢性的な不安は体に炎症を引き起こし、心臓病や免疫低下を通じて寿命を縮めることも知られています。
危険を知らせるアラームとしての役割
不安は本来、生き延びるための「アラーム機能」です。
目の前に危険が迫ったとき、不安は体を戦闘や逃走に備えさせます。
短期的な不安は命を守るために必要であり、人類の進化において大きな役割を果たしてきました。
しかし現代では、実際には命に関わらない状況に対してもこのアラームが鳴り続け、慢性的なストレスになっています。
狩猟採集から農耕生活へ
狩猟採集時代の人間は、目の前の危険に対処するために不安を活用していました。
ところが農耕生活が始まると、人は未来の収穫や備蓄に意識を向けるようになり、不安が「将来への予測」に使われるようになったのです。
この変化は文明を発展させる力になった一方で、過剰な心配や慢性的な不安を抱える土壌にもなりました。
現代人の不安の多くは、この歴史的な生活様式の変化と深く関係しています。
不安を和らげるための日常習慣
規則正しい睡眠を確保する
十分な睡眠は脳の疲労を回復させ、不安を引き起こす扁桃体の過活動を抑える。
毎日ほぼ同じ時間に眠り、朝は自然光を浴びることで体内時計を整え、不安に強い状態をつくれる。
自然に触れる時間をつくる
公園や緑道を歩く、木々のある場所で深呼吸するなど、自然環境に身を置くと副交感神経が働き、不安が和らぐ。
自然は人類が本来過ごしてきた環境であり、心理的な安定を取り戻す効果がある。
軽い運動を日常に取り入れる
ウォーキングや軽い筋トレ、ストレッチなどを行うと、体内の炎症が減少し、不安感も軽減される。
運動によって脳内でセロトニンやエンドルフィンが分泌され、心の安定が保たれる。
呼吸や瞑想を習慣にする
深くゆっくりとした呼吸やマインドフルネス瞑想は、心を「今ここ」に集中させ、過去や未来への過剰な不安を静める。
数分でも効果があるため、朝や寝る前に取り入れると良い。
食事の質を整える
血糖値を急激に上げる加工食品やトランス脂肪酸は不安を悪化させる。
代わりに野菜、魚、ナッツ、発酵食品などを取り入れ、腸内環境を整えると、脳の働きが安定し不安も軽減される。
感情を日記に書き出す
不安を抱え込むのではなく、紙に書き出すことで心の中のもやもやを客観視できる。
感情を外に出すことで脳の負担が軽くなり、不安が整理されやすくなる。
人とのつながりを大切にする
孤独は不安を増幅させる。
家族や友人との会話、ちょっとした雑談や支え合いが、不安を和らげる強力な要因になる。
安心できる人間関係は、不安のクッションとなる。
つまり、「睡眠・自然・運動・呼吸・食事・日記・つながり」 を日常にバランスよく取り入れることで、不安は大きく和らぎやすくなるのです。
まとめ
炎症と不安は深く結びついています。
体に慢性的な炎症があると脳にも悪影響が及び、不安感が高まりやすくなります。
また、不安が強い状態が続くとストレスホルモンが分泌され、体の炎症がさらに悪化します。
この悪循環が現代人の心身の不調の大きな原因になっています。
炎症は加工食品や睡眠不足、運動不足、孤独などから生じ、不安は情報過多や未来への心配から増幅されます。
逆に、食事・運動・睡眠・自然・人とのつながりなどを整えることで、炎症と不安は同時に和らげられます。


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