米国株2025年9月15日

米国株

先週の米国株式市場は、主要指数がいずれも週間で上昇し、投資家はFRBの利下げ判断を前に強気な姿勢を維持しました。

主要指数の週間パフォーマンスと最高値更新状況

NASDAQ総合指数は0.4%上昇し、過去最高値を更新しました。

週間では2%高となり、9月はこれまで3.2%上昇し、年初来では14.7%の上昇率となっています。

S&P 500はわずかに下落したものの、週間では1.6%のプラスを確保し、直近6週間で5回目の上昇週を記録しました。

9月は1.9%高、年初来ではほぼ12%の上昇となっています。

ダウ平均は0.6%下落したものの、週間では1%上昇で終えました。

金曜日の終値では-0.59%でした。

全体的に、ダウ、S&P 500、NASDAQの主要指数は市場最高値を更新しており、日本株のTOPIXや日経平均も市場最高値を更新しています。

市場の牽引役と背景

市場は特に、FRBの利下げ期待とAI関連株の好調に牽引されました。

FRBが利下げを再開するという期待感から、株式市場は上昇トレンドにあり、ダウやS&P 500、世界株も最高値を更新しています。

多くのエコノミストが9月17日のFOMCで政策金利が0.25%引き下げられると予想しており、市場もすでにこの利下げを「確定的なもの」として織り込み済みです。

テクノロジー株、特にAI関連銘柄の上昇が非常に強い一週間でした。

NVIDIAやOpenAIは英国のAIインフラに大型投資を協議しており、NVIDIAの半導体はソブリンAI(国ごとのAI)の基盤として世界中で必要とされています。

発表された経済指標

9月のミシガン大学消費者信頼指数は55.4と、市場予想の58を大きく下回り、前月からも低下しました。

しかし、この数値はFRBが利下げをためらうほどのものではないと見られています。

先週発表された生産者物価指数は予想を下回り、消費者物価指数は概ね予想通りでした。

8月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者増加数が大幅に鈍化し、失業率が約4年ぶりの高水準となる4.3%に上昇しました。

過去の雇用統計も下方修正され、労働市場の明確な減速傾向が利下げ観測をさらに後押ししています。

インフレ率はPCEから低下したものの、依然としてFRBの目標である2%を上回っており、特にトランプ関税が物価再上昇の一因となっている可能性が指摘されています。

個別銘柄の動向

テスラは7.4%上昇し、市場を牽引しました。

利下げ観測に加え、イーロン・マスク氏のロボット事業「オプティマス」への言及や、大型エネルギー貯蔵装置「メガパック」の発表が株価を押し上げ、年初来でほぼ損益分岐点まで回復しています。

MicrosoftはOpenAIとの新しい合意が好感され、約2%上昇。

Appleは1.5%高となりましたが、新型端末iPhone Airが中国の規制に直面する可能性が報じられ、Siriの元責任者ロビー・ウォーカー氏の退社も話題になりました。

マイクロン・テクノロジーは4.4%高で過去最高値を更新し、AI需要への期待が追い風となりました。

スーパーマイクロコンピューターもNVIDIAの次世代AI向け半導体を搭載した製品の出荷を開始し、2%超上昇。

一方で、オラクルはAI関連の大型契約報道で急騰した後に、OpenAIへの依存度が警戒され5.1%安。

アリスタネットワークスは長期の営業利益見通しが下方修正されたことで8.9%の大幅下落となりました。

家具メーカーRHは関税と住宅市場の悪化が業績を圧迫したと説明し、4.6%下落。

自社株買い貴族銘柄への注目も高まっており、ジム・クレイマー氏はオートゾーン、Jabil、ウェルズファーゴ、Appleを推奨しています。

その他の資産

ゴールドは市場最高値を更新し、堅調に推移しました。

特に米国と中国のETFによる大量購入が価格上昇に大きく貢献しています。

FRBの利下げサイクルではゴールドが上昇する傾向があり、M1マネー(資金供給量)の急増によるドルの価値低下もゴールドの価値を押し上げています。

長期的に1万ドルに達する可能性も指摘されています。

ビットコインも市場最高値を更新しました。

世界のM2マネー(資金供給量)の増加がビットコインの価格上昇と相関しており、年末には15万ドルに達するとの予測もあります。

過去5年間で10倍に成長し、現在は個人投資家だけでなく機関投資家や国、企業も購入していると報じられています。

懸念事項

景気状況の悪化が懸念されており、雇用統計の弱さから景気後退の影が指摘されています。

トランプ関税については、最高裁の判断次第で大統領令による関税が無効となる可能性があり、その場合、政府の巨額の赤字返済計画に大きな影響を与えることが懸念されています。

信用取引(証拠金債務)のローンが史上最大規模に膨れ上がっていることも、一部でバブルの兆候として警戒されています。

地政学的リスクとしては、米国ユタ州での暗殺事件をきっかけに、SNS上で「シビルウォー(内戦)」という言葉が急増し、アメリカ社会の分断の深まりが浮き彫りになりました。

今週の見通し

今週は「中央銀行ウィーク」となり、特に9月17日水曜日に開催されるFOMCが最大の注目点です。

FOMCでは0.25%の利下げがほぼ確実視されており、年内にはもう1回の追加利下げも予想されています。

FRBメンバーによる金利予想を示すドットチャートが発表され、市場予想とのずれが注目されます。

JPモルガンCEOのジェイミー・ダイモン氏は景気の弱まりを指摘しつつも、利下げが経済に大きな影響を与えない可能性を示唆しました。

ウェルズファーゴCEOのチャーリー・シュアーフ氏は消費者動向の複雑さ、特に低所得層への負担を指摘しています。

FRB理事のクリストファー・ウォーラー氏は9月の利下げ開始を強く支持し、数ヶ月にわたる継続的な利下げが必要であるとの見解を示しています。

今週の経済指標としては、火曜日に小売売上高、水曜日に住宅着工件数が発表されます。

まとめ

全体として、先週の米国株市場はFRBの利下げ観測とAI関連株の強い勢いに支えられ、主要指数が最高値を更新するなど好調に推移しました。

しかし、一部の経済指標、特に雇用統計の弱さは景気減速の兆候を示唆しており、インフレ圧力の継続や地政学的リスク、信用取引の過熱 といった懸念材料も存在します。

今週のFOMCでは利下げがほぼ確定と見られていますが、パウエル議長の発言やドットチャートの内容、および今後の経済データが市場の動向を左右する重要な要因となるでしょう。

投資家はこれらの要素を慎重に見極めながら、自身の投資戦略を調整する必要があると言えます。

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