9月15日および16日の市場動向、主要企業のニュース、経済指標、金融政策の見通しについて説明します。
米国株市場の現状
9月15日月曜日の米国株市場は、FOMC(連邦公開市場委員会)の開催を控えているにもかかわらず、全体的に上昇しました。
特に、ナスダックは+0.94%の2万2348.75ポイント、S&P 500は+0.47%の6615.28ポイントと、市場最高値を更新しました。
ニューヨークダウも+0.11%の4万5883.45ポイント、小型株のラッセル2000も+0.34%の2405.13ポイントと上昇しています。
フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)も+0.85%で最高値を更新しており、半導体関連株も好調です。
アナリストの間では、S&P 500が今年中に7000ポイントに到達するという予想も出ています。
これは、利下げによる金融緩和が進み、インフレが再燃しなければ実現する可能性があるとされています。
現在の市場は「リスクオン」ムードに包まれており、ゴールド(金)やシルバー(銀)といったコモディティも同時に最高値を更新するという珍しい状況です。
VIX指数は若干上昇していますが、市場ムードは「強気」に傾いています。
注目の個別銘柄と動き
特に大型テック株が市場を牽引しており、S&P 500の上昇は主にこれらの企業によって支えられています。
Google (アルファベット)
時価総額が3兆ドルを突破し、Apple、Microsoft、NVIDIAに続いて米国企業で4社目となりました。
これは、GoogleのブラウザChromeの売却が不要という司法判断が背景にあります。
また、AI関連の需要の強さ、売上高の力強い伸び、広告とクラウド事業におけるGeminiの導入拡大が評価されています。
この日は+4.3%と大きく上昇しました。
あるアナリストによると、アルファベットのRSIはやや高くなってきており、今後半年は株価が上がらない可能性も指摘されています。
テスラ
イーロン・マスク氏が10億ドル相当の自社株を購入したことが判明し、株価は+3.6%上昇しました。
マスク氏のこの行動は、テスラの将来見通し、特にロボット「オプティマス」の大量導入に対する自信の表れと見なされています。
テスラの株価は360ドル付近で反発を繰り返していましたが、ここ数日で400ドルを超え、過去最高値の488ドルまであと20%ほどとなっています。
NVIDIA
中国がNVIDIAに対して独占禁止法調査を開始したと発表しましたが、下げ幅は縮小し、-0.04%とほぼ横ばいで推移しました。
中国のこの動きは、反ダンピング調査という形でアナログICチップ企業にも及んでおり、貿易交渉のカードとして利用している可能性が指摘されています。
オラクル
TikTokの米国データがオラクルのクラウドに移行される枠組みで合意したこと、およびAIとの巨大契約が好材料となり、株価は+3.4%上昇しました。
原子力関連株
米国が戦略ウラン備蓄の増強を検討しているというエネルギー長官の発言を受け、オクロが+15%近く、ニュースケールパワーも+7%上昇しました。
エナジー・フュエルも+15%の上昇を見せています。
その他の主要テック株
Apple、Amazon、Meta(MA)、Netflixは1%以上の上昇となりました。Microsoftも上昇しています。
経済指標と金融政策
FOMC(連邦公開市場委員会)
今週開催されるFOMCでは、0.25ベーシスポイントの利下げが市場によってほぼ確実視されています。
焦点は、さらなる追加利下げがあるのか、そしてFRB参加者の今後の金利見通しを示す「ドット・プロット」がどうなるかです。
市場は2025年末までに複数回の利下げを期待しており、合計で約69ベーシスポイントの利下げを織り込んでいます。
ニューヨーク連銀製造業指数
9月の製造業指数は、受注や出荷が減少し、予想の+5に対して-8.7と大幅に悪化しました。
貿易政策の不安定さや移民取り締まりの影響が製造業の苦戦を招いており、雇用も4ヶ月連続で減少しています。
ただし、この指数はニューヨークの企業に限定された調査であるため、これだけで景気全体の動向を判断するのは難しいとされています。
小売売上高
9月16日火曜日(米国時間)には小売売上高の発表が予定されており、消費マインドや経済の活性度を測る上で重要な指標として注目されています。
市場の見方と懸念
ウォール街のストラテジスト
モルガン・スタンレーやJPモルガンは、利下げ後に米株が一時的に失速する可能性を警告していますが、下落時には買いを入れるよう推奨しています。
Oppenheimerは、米国経済の基調が底堅い限り、利下げ後の株価下落は規模と期間の両方で限定的になると見ています。
バブル論争
S&P 500はテック企業の好調な収益を背景に今年12%上昇し、AIへの注目から年末目標値を引き上げる機関も多いですが、一方でAI相場の過熱感を指摘する声もあります。
過去のバブル(鉄道株、ドットコムバブル)の歴史を振り返り、AIブームも未来の期待を先取りしすぎている可能性が議論されています。
経済の脆弱性
労働市場の冷え込み(失業保険申請件数の増加、雇用減少)や、家計のクレジット・カード残高の過去最高更新、自動車ローンや学生ローンの延滞率上昇といった、経済の内部的な脆弱さも指摘されています。
これは、株価の高騰と一般家庭の苦しさとの間にコントラストを生んでいます。
MMF(マネー・マーケット・ファンド)
高金利政策を背景にMMFに7.6兆ドルもの資金がストックされていますが、利下げが再開されても、金利がゼロにならない限り、MMFの資金が直ちに株式市場に大量に流入する可能性は低いと見られています。
地政学リスク
米中間のTikTok枠組み合意は好材料ですが、中国によるNVIDIAへの独占禁止法調査など、AI半導体を巡る覇権争いは続いています。
また、台湾有事、欧州の景気後退、ロシア原油への制裁強化など、市場に冷や水を浴びせかねない地政学リスクも存在します。
トランプ大統領の政策提言
トランプ大統領は、企業決算の報告サイクルを四半期ごとではなく半年ごとにするべきだと提案しています。
これは企業にとってはコスト削減や経営陣の専念に繋がるとされますが、投資家にとっては情報が減り、機関投資家との情報格差が広がる可能性があると指摘されています。
投資への示唆
現在の市場は、利下げ期待とAI技術への期待に支えられた強気相場にあります。
しかし、過去の歴史を鑑みると、株式市場の熱狂は短期的に過熱しやすく、調整局面を迎えるパターンが繰り返されてきました。
リスク管理
警戒感がある中で、ヘッジを入れつつ上値を追っていくことが良い戦略とされています。
市場のボラティリティ(変動性)の急騰に備えて、オプション市場ではS&P 500が上下いずれか約1%動く可能性へのポジションが構築されています。
長期投資の原則
投資家は、時間、規律、知恵を最大の見方とし、複利効果を活かすために早く始め、忍耐強く続けることが重要です。
低コストのインデックスファンドへの分散投資が推奨されています。
感情に流されない
市場の雑音に惑わされず、パニックに陥らずに冷静さを保つことが、長期的な成功の鍵であると強調されています。
最大損失は悪い投資からではなく、悪い行動(衝動的な売買など)から生まれると述べられています。
押し目買いの機会
株価が下落した場合には、短期的な押し目買いのチャンスと判断できる場面もあります。
AI関連銘柄のような需要が強いテーマ株は、下がれば絶好の買いチャンスとなり得るとの見方もあります。
自己認識
自分自身のリスク許容度を理解し、それに合った投資をすることが大切です。
現在の米国株市場は最高値更新が続いていますが、その裏には金融緩和への過度な期待、経済の潜在的な脆弱性、そして地政学的な不確実性が存在します。
投資家は、これらの情報を総合的に判断し、感情に流されずに冷静な投資行動を続けることが求められます。


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