自民党総裁選について詳しくご説明します。
総裁選の概要と方式
現在、自民党総裁選は10月4日に投開票が行われる見込みです。
この総裁選は、「フルスペック方式」で実施されることが決定しています。
これは、国会議員票と全国の党員・党友票が同等に扱われる方式を指します。
具体的には、国会議員票295票と党員票295票の計590票で争われます。
1回目の投票で過半数を獲得する候補者がいない場合は、上位2名による決選投票が行われます。
決選投票では、国会議員票はそのまま295票ですが、党員票は各都道府県連の47票(各1票)となるため、党員票の影響が薄まることになります。
これは、党員票が都市部に集中する高市氏に不利に働く可能性があると指摘されています。
フルスペック方式が採用される理由としては、党の顔として幅広い支持を得ることや、党員の減少を防ぐためのマーケティング的な側面が挙げられています。
しかし、選挙期間は過去最短の13日間となることが判明しており、これは討論会の数を減らし、小泉氏の失言リスクを抑えるため、また高市氏の地方遊説を制限するための「妨害工作」ではないかとの見方もあります。
主要候補者とその立ち位置
今回の総裁選では、高市早苗氏と小泉進次郎氏が「2強」として有力視されており、その他に茂木敏充氏、林芳正氏、小林鷹之氏らが立候補の意向を固めています。
高市早苗氏
高市氏は、自民党支持層で支持率が急伸しており、先月の12%から今月28%に跳ね上がりました。
また、国民民主党や参政党、日本保守党の支持層からも高い支持を得ており、特に国民民主党支持層では50%と小泉氏に圧倒的な差をつけています。
ネット上でも高市氏への支持が強い傾向にあります。
政策面では、積極財政派であり、プライマリーバランスの黒字目標をインフレ率2%達成まで凍結することを主張しています。
大規模な危機管理投資や成長投資を訴え、物価安定目標の達成を目指す方針です。
エネルギー政策では原子力活用に前向きで、再稼働、リプレース、新設を容認し、エネルギー安全保障を重視しています。
安全保障では、防衛費の増額や反撃能力の保持を一貫して主張。
憲法改正にも賛成し、憲法9条の改正を訴えています。
歴史認識については、村山談話の変更に否定的で、靖国神社への参拝を継続する意向を明確にしています。
強みとしては、政策の一貫性があり、信念がはっきりしている点、メディア露出が本格化すればさらに支持を伸ばす可能性がある点、そして党員票で優位に立つと見られている点です。
また、国民民主党との政策的親和性が高く、野党連携の現実的な受け皿になり得るとも評価されています。
課題としては、過去の総裁選で右にエッジが利きすぎた政策が党内融和や公明党からの支持を得る上で不安視されたこと、人付き合いが苦手で「一匹狼」と見られる傾向があること が挙げられます。
メディアからは「危険だ」「極右」といったレッテルを貼られ、バッシングを受ける可能性も指摘されています。
小泉進次郎氏
小泉氏は、全体的な世論調査では高市氏と拮抗しているか、やや優位な場合もあります。
自民党支持層に限定すると、高市氏よりも人気が高いという調査結果も出ています。
特に高齢の女性からの人気が高く、維新の会の支持層からも支持が高い傾向にあります。
また、無派閥や菅グループなどのベテラン重鎮議員に支えられています。
政策面では、増税路線(緊縮財政)に近いと見られており、財務省の意向に沿う可能性が指摘されています。
具体的な経済政策の骨格が不明確であるという批判もあります。
エネルギー政策では脱原発、再生可能エネルギー推進派の立場です。
社会問題として、選択的夫婦別姓については、過去の推進派としての強い姿勢から、今回の総裁選では「どちらの立場か言わない」と曖昧な姿勢に転換しており、政策の一貫性の欠如が批判されています。
課題としては、討論会での失言や経験不足が過去の総裁選でも失速の原因とされており、今回もそのリスクを避けるため政策表明を急がず、討論の数を減らす戦略を取っていると見られています。
選挙対策本部長に現職財務省を内定したことが公務軽視と批判され、国民感覚との乖離が指摘されています。
メディアには「薄っぺらい」「頭が空っぽ」といった印象操作が行われているという見方もありますが、本人は「良い人」として議員からの人望も厚いとされています。
党員票では伸び悩む可能性が指摘されています。
その他の候補者
茂木敏充氏
実務能力が高く、外交に強いと評価されています。
特にトランプ大統領からは「タフネゴシエーター」と一目置かれる存在です。
キングメーカー的な役割を狙っているとの見方もあり、国民民主党との連携に前向きな姿勢を見せています。
林芳正氏
官房長官としての実績があり、実務能力は評価されています。
岸田派(高志会)の枠を握ることを目的としていると見られます。
決選投票でのキャスティングボートを狙っているとされています。
小林鷹之氏
若手議員を中心に支持されており、保守的な立場から将来の布石として立候補していると見られます。
保守票の分散を防ぎ、決選投票で高市氏に票を流すための出馬であるとの見方も存在します。
主要な政策争点
今回の総裁選で特に議論してほしい政策や課題として、世論調査では物価高対策が88%で最も多く、景気や雇用が85%と続いています。
外交や安全保障も78%と高い関心を集めています。
物価高対策・景気・雇用
高市氏の積極財政、減税政策が国民から求められているとの見方があります。
一方、小泉氏の経済対策は不明確と批判されています。
外交・安全保障
トランプ政権との関係など、国際情勢に対応できるリーダーが求められています。
消費減税
各候補者の政策スタンスが異なり、今後の政権運営における野党連携の焦点となる可能性があります。
自民党改革・政治資金問題
これらへの対応も65%の関心があります。
自民党内の力学と党員票の動向
自民党内では、派閥は解散しているものの、依然としてその影響力は大きいとされています。
特に麻生派の動向が総裁選の鍵を握ると見られています。
麻生氏は前回高市氏を支持しましたが、今回は小泉氏への評価が緩和しており、高市氏を支持しない可能性も指摘されています。
全国の党員は約100万人規模と見込まれており、その構成は農業、建設、郵政、医療といった業界団体系が約3割、非団体系が約7割とされています。
最近の新規党員は保守系の都市部が多く、青山繁晴氏などの影響も大きいことが指摘されています。
自民党内では、若手議員が小泉氏の総裁就任によって「飛ばされてしまう」と危機感を抱いており、党の世代交代を望まない声も存在します。
石破氏退陣の影響
石破氏の辞任は、自民党の刷新を求める声が強まる中で行われました。
過去の総裁選で石破氏に投じられた票の行方が注目されており、世論調査では、石破氏の票が高市氏に多く流れる可能性が指摘されています。
具体的には、小泉氏が2ポイント上昇したのに対し、高市氏は16ポイントも上昇しました。
マーケットの反応
石破氏の辞任表明後、日経平均株価は最高値を更新しました。
市場関係者は、高市氏が総裁になれば株価が上昇し(「高市トレード」) 、小泉氏がなれば下落する(「石破ショック」と類似)傾向があると見ています。
これは、高市氏が積極財政・金融緩和(ハト派)を志向する一方、小泉氏が緊縮財政(タカ派)に近いと見られているためです。
高市氏政権下では日銀が利上げしにくくなる可能性があるとも指摘されています。


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