米国株は現在、主要な指標が史上最高値を更新し、全体的に強い上昇トレンドにあります。
以下に米国株に関する詳細な情報と現状をまとめます。
現在の市場の状況
史上最高値の更新
ダウ・ジョーンズ工業株平均、ナスダック総合指数、S&P 500、ラッセル2000の主要4指数が全て史上最高値を更新しました。
今世紀に入ってからこの4指数が同時に最高値を更新したのは、わずか25回しかない極めて珍しい現象です。
半導体セクターの牽引
半導体指数(SOX指数)も3.6%上昇し、最高値を更新しています。
予想外の上昇
9月は通常、S&P 500が平均0.7%下落するとされる歴史的に弱い月ですが、今年は現在までに2.5%の上昇を記録しており、過去のジンクスが崩壊しています。
市場心理
投資家のリスク選好が急速に強まっており、「フィア&グリードインデックス」も62と「グリード」(貪欲)寄りの水準にあります。
市場を動かす主な要因
FRBの金融政策(利下げ)
米連邦準備制度理事会(FRB)は予想通り0.25%の利下げを実施し、政策金利を4%から4.25%に引き下げ、約3年ぶりの低水準となりました。
市場は、この利下げが企業業績を押し上げるとの期待から、リスク選好の動きを強めています。
市場は年内にあと2回(10月と12月)の利下げがあると大半が予想しており、FRB当局も今年中にあと2回の利下げを見込んでいるとされています。
今回の利下げは、景気が依然として拡大している中で行われた点が特徴的で、過去の不況に対処するための利下げとは性質が異なると分析されています。
これは投資家が安心して株を買える環境が整ったことを意味します。
パウエル議長は今回の利下げを「リスク管理的な意味合い」と説明し、予防的な措置であると述べました。
市場はこれをFRBが景気回復を重視する姿勢に転換したと受け止めています。
経済指標の好調
米国の新規失業保険申請件数は23.1万件と予想を下回り、約4年ぶりの大幅な減少となりました。
これは経済全体でレイオフが低水準であり、労働市場が底堅いことを示しています。
フィラデルフィア連銀製造業景気指数も予想を大きく上回る23.2を記録し、経済の堅調さを示しています。
GDP成長率も3%以上と非常に強い状況です。
ただし、長期金利の上昇や、雇用市場の軟化、スタグフレーション(景気後退下でのインフレ)の懸念も一部で浮上しています。
AIブームとテクノロジーセクター
AIブームが株式市場の割高感を正当化する強力な要因となっており、投資家はAI関連銘柄に対して高いPER(株価収益率)を許容する傾向にあります。
NVIDIAによるIntelへの50億ドル(約7400億円)の出資は、PCやデータセンター向け半導体の共同開発を目的とした大型契約であり、AI時代に必要なGPUとCPUの統合を視野に入れた動きです。
このニュースを受けてIntel株は一時28%上昇し、NVIDIA株も3%以上上昇しました。
AIエコシステム全体に資金が波及しており、セキュリティ(クラウドストライク)、設計ツール(Synopsys)、製造装置(ASML)などの関連株も大きく買われています。
国際的な資金流入
ドル高が進行し、円やユーロなどの他国通貨から米国市場への資金流入が見られます。
特に日本の機関投資家は円安や国内金利の制約から米国株に資金を振り向けやすい状況にあります。
政治的要因
米中関係
米中首脳の電話会談が予定されており、TikTokの米国事業の分社化や対中関税の延長が主要議題となる可能性があります。
米国はTikTokの米国事業が米国の投資家や企業に所有されることを望んでおり、トランプ大統領は関税の一時停止の再延長を示唆しています。
半導体産業への政府関与
NVIDIAのIntelへの出資には、米政府がIntel株の10%を保有していることもあり、国内半導体産業の底上げという国家戦略の一環としての政治的背景があるとの見方もあります。
FRBへの政治的介入
トランプ大統領がFRB理事の解任を求めて最高裁に上告した件は、中央銀行の独立性を揺るがす制度リスクとして注目されています。
注目される個別銘柄・セクター
半導体
NVIDIAとIntelの提携のほか、半導体関連のSOXL(半導体セクターの3倍レバレッジETF)が10.34%上昇し、Micron Technologyの決算(9月25日)が今後のAI需要を測る試金石とされています。
サイバーセキュリティ
クラウドストライクは10.82%上昇し、S&P 500の上昇を牽引する銘柄の一つとなっています。
量子コンピューター
IonQがエネルギー省との契約により大きく上昇したほか、RigettiやDW Quantumなどの関連株も勢いづいています。
Palantir Technologies
イギリス国防省と7.5億ポンド規模の5年契約を締結する見通しで、株価が5.13%上昇しました。
FANG+ / Magnificent 7
FANG+は過去5年平均で37%のリターンを記録しており、新NISAでの投資対象としても推奨されています。
Magnificent 7は利益成長によって高いバリュエーションを正当化していると見られています。
金・ビットコイン・コモディティ
金は利下げ局面で通常は買われますが、今回はドル高とリスク選好により続落しました。
ビットコインは上昇基調にあり、年内に価格が2倍になるという期待感も出ています。
シルバー、プラチナ、パラジウムといったコモディティも長期的に上昇が期待されています。
潜在的なリスクと注意点
市場の過熱感とバブルの可能性
S&P 500のフォワードPERはコロナ後のバブル期に並ぶ水準に達しており、割高感が指摘されています。
主要4指数が同時最高値を更新した過去の事例の中には、その後バブルのピークを迎えたケース(例: 2007年10月のリーマンショック直前)もあり、市場の転換点となる可能性も否定できません。
AIブーム自体が新たなバブルの種になる可能性も示唆されています。
FRBの利下げペース
FRB内部では今後の利下げペースに関して意見のばらつきがあり、政策の方向性に関する不透明感が存在します。
過度な利下げは来年、市場と経済の過熱リスクにつながるとの警告もあります。
トリプルウィッチング
9月19日(米国時間)は株価指数先物やオプションなどの決済日が集中する「トリプルウィッチング」にあたり、短期的には市場のボラティリティが高まる可能性があります。
投資戦略のヒント
セクター分散
半導体やAI関連に資金が集中している一方で、金融、エネルギー、ヘルスケアなどにも一定割合を振り分けることでリスクを平準化することが推奨されています。
為替リスクの意識
円安が進む局面ではドル資産の評価益が増えますが、急激な円高反転に備えてヘッジ手段も検討することが重要です。
時間分散
一括投資ではなく、積み立てや複数回に分けて購入することで、時間軸でのリスクを分散させることができます。
インデックス投資
個別銘柄の選定に自信がない場合、S&P 500のような米国市場全体をカバーするインデックスファンドへの投資も賢明な選択肢とされています。
現在の米国株市場は、利下げ期待、堅調な経済指標、AIブームといった複数の好材料に支えられていますが、同時に割高感や政治的リスク、バブルの可能性といった不安要素も抱えています。
投資家はこれらの要素を総合的に判断し、自身の投資スタンスを明確にすることが求められます。


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