高市早苗さんについて、自民党総裁選前

政治と経済

高市早苗さんについて、その政策、政治的スタンス、および総裁選における位置づけについて詳しくご説明します。

高市早苗氏は、直近の自民党総裁選の候補者の一人であり、その政策や言動は、日本の安全保障と経済成長を強く志向する姿勢で知られています。

政策の核となる理念と経済戦略

高市氏が掲げるスローガンは「日本列島を強く豊かに」であり、これは彼女の政策の核となっています。

彼女の主要政策は、大胆な危機管理投資と成長投資による強い経済の実現、防衛力と外交力の強化、そして憲法改正を始めとする次世代への責任を果たすことを含みます。

責任ある積極財政

高市氏は「責任ある積極財政」を堅持する立場です。

財政健全化について、その必要性を否定したことは一度もないとしつつ、財政健全化そのものが目的ではなく、経済成長こそが大切であると主張しています。

財務省への挑戦状として、財務省には経済を伸ばし、税収を増やすためのプラン(例えば10年でGDPを倍増させるマスタープラン)を本気で策定するよう求めています。

高橋洋一氏によれば、高市氏が政府純債務残高の対GDP比を緩やかに引き下げるという考えを示している点は、総債務(借金のみに着目する従来の財務省の考え方)ではなく、資産を含めた純債務で財政を見る点で、投資家にとって大きな違いを生むと指摘されています。

物価高対策と減税

生活の安全保障を最優先課題の一つとし、物価高対策を打ち出しています。

ガソリン税の暫定税率の廃止を速やかに行うことを明確にしました。

これは国民民主党との連携を視野に入れたメッセージとも受け取られています。

年収の壁の引き上げ(例えば103万円から178万円へ)を目指し、働く意欲を阻害しない制度へと変えるとしています。

給付付き税額控除の制度設計に着手することを公約に掲げており、これは所得に応じて給付や所得税の控除を行い、中低所得者の手取りを増やすことを狙いとしています。

この制度は、時間がかかるものの、現役世代の負担軽減と供給力増加に繋がる「良い減税」であると評価されています。

以前主張していた食料品に対する消費税減税(税率ゼロ)については、システム設計に時間を要するため、速効性のある他の対策を優先し、公約からは一旦外しました。

ただし、選択肢として排除はしない姿勢です。

成長分野への投資と経済安全保障

日本が持つ潜在的な技術力を活用し、先端技術分野へ戦略的に投資することで、日本を復活させることを目指しています。

具体的な投資分野として、AI、半導体、ペロブスカイト太陽電池、全固体電池、量子、核融合(フュージョンエネルギー)、航空宇宙、造船、創薬、先端医療などを挙げています。

ペロブスカイト太陽電池は日本で開発された技術であり、高市氏がこの技術に言及したことは、日本の技術を信じて応援する姿勢を示すものとして歓迎されています。

対日外国投資委員会の創設を掲げ、海外からの投資を厳格に審査する方針です。

経済安全保障に不可欠なセキュリティ・クリアランス制度の整備を推進しました。

これは、デュアルユース技術(軍民両用技術)の保護、国際社会からの信用獲得、そしてビジネスチャンスの確保に繋がるとしています。

エネルギー・安全保障・外交

エネルギー政策

エネルギー自給率の強化を最重要課題の一つとしています。

エネルギー自給率100%を目指すとしています。

次世代革新炉の早期実装と、安全確保を前提とした原子力発電所の稼働を最優先事項としています。

核融合エネルギー(フュージョンエネルギー)の時代が2030年代に到来するとし、日本初となるイノベーション戦略を策定したことで、関連スタートアップへの民間投資が多額に集まる現象が起きました。

「美しい国土を外国製の太陽光パネルで埋め尽くすことには猛反対」と強く明言しており、初期型太陽光パネルの安全な廃棄も課題として挙げています。

外交・防衛

防衛費の3%化を目標とするなど、防衛力の強化を重視しています。

特に、ドローン攻撃や海底ケーブル切断、キラー衛星など、新しい戦い方に対応できる体制を日本独自で構築する必要性を強調しています。

スパイ防止法の制定に着手し、外国人問題の司令塔の設置や、不法滞在者対策、土地取得規制の強化を行うとしています。

国家情報局の設置を目指し、インテリジェンスに関わる諸省庁の司令塔機能を持たせるとしています。

自由で開かれたインド太平洋(FOIP)戦略を継承し、どの大統領であってもアメリカをこの枠組みに引き止めておくことが日本の責任であると考えています。

核抑止については、非核三原則(持ち込ませず)と、米国の拡大抑止の信頼性確保との矛盾について、深く議論すべき問題であるとの認識を示しました。

靖国神社参拝

高市氏は、国策に殉じられた方々に感謝の誠を捧げることは「私の中でとっても大事なこと」であり、公務で海外出張する際にも各国の戦没者追悼施設へ参拝を続けてきたと述べています。

また、靖国参拝が外交問題にされること自体がおかしいという強い希望を持っています。

政治的スタンスと総裁選における位置づけ

保守層の期待とLDPの現状

高市氏は、強烈な保守的政策を掲げることから、保守層からの期待が特に高かった候補者です。

しかし、一部の保守層は、長期政権の腐敗や利権構造により自民党全体に不信感を抱いており、高市氏が総理になっても「自民党の環境」では自由に政策を実行できないだろうと見ています。

政治手法と「モデルチェンジ」

高市氏は政策マニアと称されるほど、自ら政策を立案・推敲するタイプで、その知識量は他の候補者と比べても高い評価を受けています。

前回の総裁選では「エッジを立てすぎた」(過度に先鋭化させた)反省から、今回は「勝つこと」を優先し、より広く支持が集まるよう政策をブラッシュアップしています。

これにより、公明党や国民民主党などの他党への配慮を見せつつ、自身の基本理念を貫く姿勢を見せています。

連立政権への考え

自公連立政権を基本中の基本としつつ、その上で基本政策が合致する野党とは連立政権を組むことまで考えていると述べています。

特にガソリン税の廃止や年収の壁引き上げといった政策は、国民民主党との連携を意識したものと分析されています。

高市氏は、安倍政権の政策を継承しつつ、経済成長と安全保障の強化を両立させるリアリストとして、自民党内の抵抗勢力や財務省と戦いながら政策を実現する「決断力」が求められる立場にあります。

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