米国株に関する直近の市場動向、主要な経済指標、そしてAIスーパーサイクルにおける個別銘柄の情報について解説します。
直近の米国株式市場の動向
直近(9月26日金曜日の取引終了時点)の米国株式市場は、主要3指数が揃って上昇し、3日続いた下落を食い止めました。
S&P 500は0.59%高の6,643.70で取引を終えました。
ダウ平均株価は299ドル高(0.65%高)の46,247.29でした。
ナスダック総合指数は0.44%高の22,484.07でした。
ラッセル2000(小型株指数)は0.86%プラスと、比較的大きく上昇しました。
しかし、週間ベースで見ると、S&P 500は3週間続いた上昇基調をストップし、ナスダック、S&P 500、ダウの全てが揃って4週間ぶりにマイナスとなりました。
市場参加者の間では、「悪いニュースがないことが良いニュースだ」という見方が広がりました。
また、市場の資金は、大型テック株から、バリュー株や小型銘柄に流れるセクターローテーションの動きが見られた可能性が指摘されています。
主要経済指標とインフレの状況
FRBが最も重視するインフレ指標である8月のPCE(個人消費支出)価格指数が注目されました。
インフレの「粘着性」
コアPCE(食品・エネルギーを除く)は前年同月比で2.9%となり、予想と一致しました。
総合PCEは前年同月比で2.7%、前月比で0.3%上昇し、これも予想通りでした。
コアPCEの2.9%という数字は、FRBの目標である2%からは依然として遠い水準であり、歴史を知る投資家にとっては警戒が必要な水準だと指摘されています。
特にサービス価格のインフレが粘着性を持っており、2ヶ月連続で0.3%上昇しています。
消費の強さと貯蓄率の低下
実質個人消費支出は前月比で0.4%増となり、予想(0.2%)を大きく上回りました。
これにより、第3四半期の経済が引き続き堅調であることが示されました。
しかし、消費が力強い一方で、貯蓄率が4.6%と今年に入ってからの最低水準に低下しています。
この構図は、消費が収入の増加ではなく貯蓄の取り崩しによって支えられていることを示唆しており、2000年代半ばの住宅バブル期に類似した傾向で、中期的な消費の持続性には疑問が残るとの指摘もあります。
消費は、特に家具、医療品、娯楽用品といった*裁量的支出の拡大によって牽引されました。
金融政策と利下げ観測
PCEの結果が予想通りであったため、投資家には安心感が広がり、年内あと2回の利下げを予想通りに実施するという見方が市場では強まっています。
FRBの姿勢
リッチモンド連銀のバーキン総裁は、失業とインフレへのリスクはいずれも限定的であると述べ、大幅な金融政策の調整は不要であり、利下げするとしてもゆっくりとしたペースになるだろうとの考えを示しました。
焦点
市場が利下げを信じる根拠は、FRBがデータ依存を掲げている点にあります。
投資家は、来週の雇用統計やISM(サプライ管理協会)景気指数で弱さが出れば、FRBは政策転換せざるを得ないと見ています。
AIスーパーサイクルと注目銘柄
AI関連銘柄は、2022年後半のChat GPTの登場以来、S&P 500のリターンの75%、収益成長の80%、資本支出の90%を牽引しています。
ファンドストラットのトム・リー氏の見解と注目銘柄2
トム・リー氏は、市場でバブルの議論がある中で、今日の評価額は1998年と比較して実際にはかなり妥当だと主張しています。
Nvidia (NVDA)
AIの「王冠の宝石」であるNvidiaは、現在の予想株価収益率(PER)が26倍であり、1998年に60倍で取引されていたCiscoと比較しても、まだ割安であるとリー氏は主張しています。
NvidiaはOpenAIと提携し、10GWのAIデータセンター構築に向けて最大1,000億ドルの投資を段階的に行う計画があることが報じられています。
割安なAI関連銘柄(トム・リー氏の視点から示唆される銘柄)
Super Micro Computer Inc. (SMCI)
AIインフラストラクチャの中心で急速に成長しており、Nvidiaの次世代Blackwell Ultraシステムを競合他社に先駆けて出荷するなど、ファーストムーバーの優位性を持っています。
データセンターソリューションに特化しており、液体冷却技術により消費電力を最大40%削減できる効率性のリーダーでもあります。
Marvell Technology Inc. (MRVL)
データセンターとAIに焦点を当てた企業であり、収益の約半分がサーバー内およびサーバー間でデータ移動に光を使用するオプティクス(光通信)チップから来ています。
最近、50億ドルの自社株買いプログラムを発表するなど、経営陣は現在の水準に深い価値を見出しています。
Micron Technology Inc. (MU)
AIメモリ競争における主要プレーヤーであり、NvidiaのGPU性能に不可欠なHBM(高帯域幅メモリ)を提供しています。
HBMによる収益は最近20億ドルに達し、2026年後半にはHBM4チップの生産拡大を予定するなど、AIスーパーサイクルの明確な受益者と見られています。
個別銘柄の動き
Intel (INTC)
国内生産義務化の観測を背景に、株価が急騰しました。
Oracle (ORCL)
AI関連銘柄への資金流入の鈍化懸念により、株価が8%以上下落しました。
これはAIテーマ株のバリュエーションに対する疑念を示し、資金が逃げ出した証拠と解釈されています。
Costco (COST)
決算内容は好調でしたが、既存店売上高の伸びが減速したことなどから、決算前の高い期待に届かず、株価は下落しました。
市場が直面するリスクとセンチメント
市場はPCEの通過で一時的な安心感を得ましたが、いくつかの大きなリスク要因が残っています。
政府機関閉鎖(シャットダウン)リスク
医療費などを巡る与野党の協議が難航しており、政府機関の閉鎖が迫っています。
トランプ氏は、政府閉鎖が発生した場合、連邦職員を大量解雇する可能性を示唆しており、来月の雇用統計に悪影響を与える懸念があります。
関税・通商政策
トランプ氏は、ブランド薬に100%の関税、輸入される大型トラックに25%の関税をかける計画を発表しました。
これは海外企業に対し、アメリカ国内に工場を建設するよう促す意図があります。
オクトーバー・フォビア
10月は過去に大暴落が起きた月であるため(1929年、1987年など)、投資家の間で暴落への恐怖感(オクトーバー・フォビア)が存在しますが、一部のアナリストは強気な勢いは否定できないとしています。
テクニカル指標
S&P 500が50日移動平均線(約6446ポイント)を試す局面は、過去の統計から見て年末に向けた魅力的なエントリーポイント(押し目買い)になるとの分析もあります。


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