10月8日の米国株市場は、長期間の上昇後の下落となりました。
特にハイテク株や半導体株が下落を牽引しました。
主要指数の騰落率(10月8日朝時点)
NASDAQ総合指数: -0.67%
S&P 500:-0.38%
ダウ平均:-0.2%
ラッセル2000:-1.12%
SOX指数(半導体)-1.84% と大きく下落しました。
市場の恐怖感を示すVIX指数は上昇し、17.09となり、8月6日頃の水準にまで戻っています。
AIバブルとテクノロジー株の懸念
今回の下落の背景には、AIバブルへの懸念が高まっていることがあります。
オラクル株の急落
オラクル株は一時7.1%下落し、終値では-2.52%となりました。
クラウド事業の利益率が想定を下回ったという報道が発端です。
サーバーレンタル事業の売上高9億ドルに対し、利益が1.25億ドルにとどまり、利益率が予想よりも少ないと見られています。
データセンターの能力拡充やNvidiaのチップ調達に必要な巨額の投資が、同社の粗利益率を圧迫している可能性があります。
オラクルは以前、「今後3年間でクラウド事業の売上が700%伸びる」との見通しを発表し、株価が1日で36%急騰した経緯があります。
AMD株の急騰とバブルの兆候
AMDはOpenAIとの大規模な契約を結び、最近24%急騰し、その後も上昇を続けています。
OpenAIは今後数十年間で6GW規模のAMD GPUを導入する計画で、数億ドル規模の収益が見込まれています。
しかし、OpenAI自体はキャッシュフローがマイナスの非上場企業であり、OpenAIと取引する企業がすべて勝者になるかのように株価に織り込まれている現状に対し、ストラテジストは「冷静になってくれ」と警告しています。
ウォール街のプロからは、数分で時価総額が数億ドル膨らむといった状況が、ITバブル(ドットコムバブル)を彷彿とさせるとの懸念が出ています。
市場の過熱感(FOMO)
現在の市場の状況はFOMO(Fear of Missing Out、乗り遅れる恐怖)の状態にある可能性が指摘されています。
投資家が「まず買う、質問は後」という行動を先に出している状況です。
著名投資家の中には、このFOMOの状態を利用して上昇局面を取りに行く戦略を持つ者もいます。
一方で、このAIバブルはドットコムバブルよりもはるかに規模が大きく、長く、高くなる可能性もあるという見方もあります。
経済・政治的懸念
米国株の基盤となる経済状況には、いくつかの大きな不確実性があります。
政府閉鎖の継続
政府閉鎖は7日目に入り、短期的な解決の見通しは立っていません。
政府閉鎖の影響で、雇用統計やCPIなどの重要な経済データが入手できていません。
これにより市場は暗闇の中にある状態です。
トランプ氏が、政権の政策に同調しない一部の政府職員に対し、閉鎖終了後の未払い給与を支払わない可能性を示唆している問題も発生しており、これは法律違反にあたるとの批判が出ています。
雇用市場の悪化懸念
政府統計が出ない中、民間ファンド大手のカーライルが、9月の非農業部門雇用者数(もし発表されていれば)はわずか1.7万人増にとどまるという「恐ろしい予測」を出しました。
これはエコノミスト予想(5.4万人増)を大きく下回ります。
雇用指標の弱さとインフレの根強さは、スタグフレーションの方向に向かっている兆候だと指摘されています。
雇用は社会の基本構造であり、これが崩れると消費が減り、企業利益が悪化し、最終的に株価も持続的に上昇することはできない、と論じられています。
インフレ期待の上昇と利下げ議論
ニューヨーク連銀の消費者インフレ期待調査では、1年先の期待インフレ率が3.4%に上昇しています(8月は3.2%)。
低・中所得層が特に物価上昇の負担を感じており、インフレは目標の2%に近づいていない状況です。
ミネアポリス連銀のカシカリ総裁は、過度な利下げはインフレを再加速させるリスクがあると警告しています。
市場は10月29日のFOMCでの利下げを95%織り込んでいます。
ドル、円、金(ゴールド)の動向
円安の加速
円はドルに対し1%以上下落し、一時151.9円に達しました。
ヘッジファンドが円のショートポジションを増やしており、さらなる円安(160円台)に向かう可能性も示唆されています。
金(ゴールド)の高騰
ドルが超強力というわけではなく、円が弱い状況ではありますが、安全資産としての金(ゴールド)への取引が加速しています。
金は史上初めて1トロイオンスあたり4,000ドルにタッチしました。
各国の中央銀行が外貨建て準備金として金を買い集めていることが背景にあります。
金はユーロを抜き、世界の準備資産として第2位となっています。


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