最近の市場動向と主要指数
10月30日の米国株式市場は、ハイテク株を中心に下落しました。
NASDAQ総合指数は1.58%の急落となりました。
S&P 500指数も0.99%、ダウ平均株価は0.23%下落しました。
ラッセル2000も0.67%下落しています。
この下落の要因としては、前日のパウエルFRB議長によるタカ派的な発言に市場が神経質になっていたこと、そして特にMetaとMicrosoftの決算におけるAI投資への支出拡大に対する懸念が挙げられます。
ただし、この程度の調整は、今年の強烈な株価上昇を考慮すれば自然な動きであるという見方もあります。
主要ハイテク企業の決算とAI投資への評価
多くの大型ハイテク企業がAIへの投資を加速させていますが、その投資が収益に結びついているかによって、市場の評価が分かれました。
メタ・プラットフォームズ(Meta)
Metaの株価は10%以上(11.33%、約11%急落しました。
業績自体は悪くありませんでしたが、投資家はAIへの支出額の引き上げ(従来予想の660億ドル~720億ドルから700億ドル~720億ドルへ)に対し、「そんなに投資して大丈夫か、回収できるのか」という懸念を抱きました。
売上高の伸び(26%増)に対して経費の伸び(32%増)が上回ったことも嫌気されています。
また、AI投資加速のため、同社は300億ドル相当の社債発行を予定しています。
一方で、この下落にもかかわらず、投資家は生成AIへの投資に対して「冷静だ」という意見もあります。
マイクロソフト(Microsoft)
Microsoftの株価も下落(2.9%)しましたが、これはAIへの先行投資、特にデータセンターへの資本支出が前年を上回ると述べたため、「過剰投資」が懸念されたことが一因です。
しかし、クラウド事業であるAzureの成長は40%に加速しており、AI事業が利益に貢献し始めているため、市場からは依然として高く評価されており、機関投資家の目標株価は概ね維持されています。
アマゾン(Amazon)
Amazonは非常に好調な決算を発表し、時間外取引で株価は10%以上急騰しました。
1株当たり利益(EPS)は予想1.57ドルに対し1.95ドルと「ビート」しました。
売上高も予想177.8ビリオンに対し180.17ビリオンと予想を上回りました。
特に重要なAWS(クラウド事業)の売上高成長率は20.2%増となり、これは2022年以来最速の伸びです。
Amazonはテック企業の中でも最大級の投資(年間1,250億ドル規模に達する見通し)を続けていますが、CEOはAI需要がその巨額投資を正当化すると強調しました。
アップル(Apple)
Appleの決算は全体として予想を上回りましたが、主力事業であるiPhoneの売上高(49.03ビリオン)が予想(50.19ビリオン)にわずかに届きませんでした。
しかし、サービス売上高(15.1%増)が好調だったことに加え、10月〜12月期の売上高ガイダンスが前年同期比10%から12%増という強気の見通し(iPhoneは2桁成長を予想)を示したため、時間外で株価は上昇しました。
米中首脳会談と対立の動向
米中首脳会談が行われ、トランプ大統領は成果に大満足の意を示しました。
主な合意事項には、中国製品に対する関税の引き下げ(フェンタニル対策と引き換えに20%から10%へ)や、米国産大豆の大量購入、そしてレアアースの輸出規制の1年間停止が含まれます。
一方で、懸念点として、NVIDIAのGPU輸出規制の緩和(ブラックウェルへのアクセス)に関する協議が行われなかったことが挙げられ、これが昨晩のテック株下落の一因となりました。
その他の注目ニュース
イーライリリー(Eli Lilly)
予想を大幅に上回る好決算を発表し、通年見通しを上方修正しました。
肥満・糖尿病治療薬「ゼップバウンド」と「マンジャロ」(GLP-1)の売上が急増しており、競合に対して優位性を維持しています。
ネットフリックス(Netflix)
10対1の株式分割(ストック・スプリット)を発表しました。
これにより、1株価格が約1,197ドルから約120ドルになり、オプション取引を行う投資家や個人投資家にとって買いやすくなります。
株式分割は企業価値を本質的に変えるものではありませんが、ダウ平均株価への採用を狙っている可能性も示唆されています。
半導体(NVIDIAなど)
メタやMicrosoft、AmazonといったビッグテックがAI向けコンピューティング能力増強のために巨額の資本投資(キャペックス)を継続しているため、半導体銘柄、特にNVIDIAにとっては良いニュースであると評価されています。
マクロ経済指標と相場観
金利・為替
10年債利回りは4.095%と上昇しました。
一方、日銀が金融政策の現状維持を決定し、利上げへの言及を避けたため、ドル円は急速に円安・ドル高に動き、154円台に突入しました。
市場の展望
S&P 500は高値圏にありますが、企業業績が崩れていないこと、マネーマーケットファンドに多額の待機資金が積み上がっていること(7兆ドル超)、そして季節性(シーズナリティ)が味方することから、年末にかけては上昇の勢いが持続する可能性が高いとされています。


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