11月6日の市場概況と主要指数
11月5日水曜日の米国株式市場は、前日の大きな下落(ナスダックは前日2%安で急落していました)から一転して反発しました。
これは自立反発の傾向が濃い動きと見られています。
主要指数は以下の通りです。
S&P 500は +0.37% 上昇(6,796.29)。
NASDAQは +0.65% 上昇(23,499.80)。
ニューヨークダウは +0.48% 上昇。
ラッセル 2000(小型株)は +1.61% 上昇(2,466.38)。
終値間際(引け間際の30分程度)で株価が下落する動きも見られましたが、これは特定のニュースによるものではなく、短期的な利確の動きと判断されています。
市場全体としては、上値が重い展開が続いており、S&P 500が一気に7000に到達するような楽観的な相場ではないとの見方もあります。
セクター・個別銘柄の動向
市場は全体としてリバウンドしましたが、特にハイテク株の一部が指数を押し下げました。
NVIDIAは -1.75% 下落し、Microsoftは -1.39% 下落しました。
この2銘柄の急落は指数を押し下げた要因の一つです。
半導体セクターはNVDAを除いて好調でした。特に、Micron (MU)は +9%、AMDは +2.5%、Intelは +3.6%と大きく上昇しました。
AIインフラ需要の強さを背景に、シーゲイト・テクノロジー、Micron、ウェスタン・ディジタルは揃って史上最高値を更新しました。
Teslaは +4.01%、Googleは +2.41% 上昇しました。
Googleの上昇は、AppleがSiri刷新のためにGoogleのAI(Gemini)の導入を最終調整しているとの報道が背景にあります。
Palantirは決算発表後に大きく下落し、この日も -1.49% 下がりました。
マクドナルドの株価は上昇しました。
同社の経営陣によると、低価格戦略が奏功し、高所得者層の来店がほぼ2桁増となる一方、低所得者層の客離れは続いているという状況が報告されています。
AI競争と中国の動き
半導体セクターの動向に大きな影響を与えているのが、中国の動向です。
中国政府は、国費を受けた新規データセンタープロジェクトに対し、国産AIチップのみを使用するよう命じました。
建設進捗が30%未満のプロジェクトは、外国製の排除または購入計画の撤回が求められています。
これにより、NVDA、AMD、Intelといった米国の半導体企業は中国市場でのシェア拡大が困難になると見られています。
NVIDIAのCEOであるジェンスン・フアン氏は、AI競争において中国が米国を上回る可能性があると強い危機感を示しました 。
その理由として、中国の低いエネルギーコストと規制の緩さを挙げています。
フアン氏は、米国がAI時代の競争に勝つことを望みつつも、中国が勝つだろうと明言しています。
一方で、韓国の報道によると、SKハイニクスはNVDAと来年のHBM4(高帯域メモリ)の価格をチップあたり約560ドルで最終決定したと報じられました。
これはHBM3E(約370ドル)よりも50%以上高い価格であり、半導体関連株の上昇要因となりました。
経済指標と金融政策の見通し
この日の米国株の反発には、経済データが強かったことも影響しています。
ADP雇用者数(10月)は、予想(3.8万人増)を上回る4.2万人増となり、労働市場の底堅さを示しました。
前月まで2ヶ月連続で減少していましたが、今回増加に転じ、いくらか安定感が戻った形です。
ISM非製造業景況指数(サービス業)は52.4と、予想(50.8)を上回り、8ヶ月ぶりの高水準となりました。
特に新規受注の急速な回復が追い風となりました。
しかし、需要回復の裏で、インフレ圧力も一段と強まっており、仕入れ価格は3年ぶりの高水準(70)に上昇しています。
経済指標の強さは市場にとってプラス材料ですが、利下げの可能性が遠のくというマイナス面もあります。
金利の動向
景気指標が強かったため、米国10年債利回りは4.16%へ上昇しました。
金利の上昇は通常、株式市場の逆風となりやすいですが、この日は半導体の押し目買いなどが金利上昇の重さを相殺しました。
FRB理事の一人は、雇用が安定しているため、金利は現行水準よりも「少し低くてもいい」という考えを改めて示しました。
CME FED Watchによると、市場参加者は12月に0.25%の利下げがある確率を約61%と織り込んでいます。
政治・規制リスク
市場にはいくつかの大きな政治リスクも存在します。
トランプ関税の合憲性
最高裁でトランプ政権が課した関税の合法性をめぐる口頭弁論が始まりました。
多くの判事が大統領の権限に懐疑的な見解を示しています。
もしトランプ氏に不利な判断が下された場合、1,000億ドルを超える返還が命じられ、政府と企業に大混乱が生じる可能性があります。
これにより国債発行が増え、金利が再び上昇するリスクもあります。
政府機関の閉鎖(ガバメント・シャットダウン)
政府機関の閉鎖は36日連続となり、過去最長を更新しました。経済損失は週150億ドルと推定されており、長引くほど経済へのダメージ(引き締め効果)があるため要警戒です。
投資の見通し
市場目標株価
主要な投資銀行は、S&P 500の年末から12ヶ月先の到達目標を6000台半ばから後半に集めつつ、一部では7000ポイント前後までを視野に入れています。
ゴールドマン・サックスはS&P 500の年末目標を6800ポイントに引き上げ、6〜12ヶ月先は7000〜7200を示唆しています。
強気の根拠
企業収益の粘り強さ、AI投資の追い風、政策不透明感の一部後退などが強気の見方を支えています。
割高懸念
S&P 500のフォワードPERは23.1と、テックバブルやコロナ後の金融緩和バブルの時を超えて高い水準にあり、いつ大きな調整が入ってもおかしくない高いバリュエーションとなっています。


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