11月25日の米国株式市場は、主要な指数がいずれも上昇する強い動きを見せています。
特にニューヨーク・ダウは強い動きが続いており、ナスダック総合指数やS&P 500も続伸しています。

市場上昇の要因(マクロ経済)
また、小型株のラッセル2000も急騰を見せており、市場全体が底堅い傾向にあります。
市場の上昇の主な要因としては、金融緩和への期待感の高まりが挙げられます。
ビットコイン恐怖指数

長期金利の低下
米国債10年物利回りは約1ヶ月ぶりの低水準となる4%を下回る水準に低下しており、これが株式市場を押し上げています。
長期金利の低下は、経済指標の弱さを受けて利下げ期待が高まったことによるものです。
経済指標の発表
直近で発表された9月の米小売売上高は市場予想を下回り、個人消費が少し失速している可能性を示唆しています。
9月のPPI(生産者物価指数)は落ち着いた数字となり、食品とエネルギーを除いたコア指数ではインフレが若干鈍化している傾向が見られました。
これらの「消費の弱さ」と「物価の落ち着き」を示すデータは、市場で来月(12月)の追加利下げへの期待感を高める結果となりました。
利下げ期待は一時、84.7%にまで上昇しています。
一方で、経済指標は軒並み悪化している状況(ADP雇用統計、小売売上高、住宅価格指数など)でありながら、PPIでインフレが残っているため、一部ではスタグフレーションが懸念される状況でもあります。
しかし、アトランタ連銀のGDPNowの予測(11月25日時点)では現在のGDP成長率を4.0%と予想しており、景気後退の兆しは見えていないとの指摘もあります。
次期FRB議長候補
ケビン・ハセット氏が次期FRB議長の最有力候補に浮上しているとの報道があり、同氏は利下げ思考の持ち主であるため、これが市場にとってプラスに働いています。
ハセット氏はトランプ大統領の側近と見なされています。
個別銘柄とセクターの動向(AIチップ競争)
現在の市場の大きなテーマは、Googleの生成AI「Gemini」対OpenAIの「ChatGPT」を中心としたAIチップ競争です。
Google (Alphabet) の躍進
アルファベット株は1.5%高となり、新高値を更新しています。
これは、Googleが独自開発した半導体チップであるTPU(テンソル処理ユニット)をライバルのMeta社に供給するとの話が出たためです。
Googleは元々ブロードコムなどと共同で開発を進めていましたが、自社開発したTPUを外部に販売し始めています。
最近発表されたGoogleの新しいAIモデル「Gemini 3」の評価が非常に高く、OpenAIのChatGPTの地位を脅かし、優位に立つのではないかとの見方があります。
この結果、Googleは株価が急伸し、時価総額でMicrosoftを抜き、AppleやNVIDIAに肉薄しています。
NVIDIA (NVDA) と AMD の下落
GoogleがMetaにチップを供給するとのニュースを受け、ライバル企業であるNVIDIAとAMDは下落しました。
NVIDIAは-2.6%、AMDは-4%の下げ幅となりました。
この合意が成立すれば、GoogleのTPUがNVIDIA製チップの代替品として地位を固める可能性があるとの見方が下落の背景にあります。
ただし、アナリストはNVIDIAのGPUとGoogleのTPUは共存していくと見ており、NVIDIAの株価はまだ市場に過小評価されているのではないかとの指摘もあります。
その他ハイテク関連
Googleと協力関係にあるブロードコムは上昇しました。
Microsoftは売り先行から持ち直す展開となり、下落幅は限定的でした。
オラクルやアームは、OpenAIとの「スターゲイト計画」の中核銘柄として注目されています。
Zscalerは決算が軟調で、時間外取引で8%安となりました。
他セクターの強さ
ハイテク株が抑えられている局面で、製薬セクター(イーライリリー、メルクなど)が非常に強い動きを見せ、目立っています。
ダウ構成銘柄では、GS、キャタピラー、ホームデポなどが上昇し、小売りのウォルマートやホームデポなども強さを見せています。
まとめ
米国株は現在、金利の低下期待と、AIチップ市場におけるGoogleの台頭という二つの大きなテーマによって動かされています。
特にGoogleによるTPUの外部供給開始は、従来のAIチップ市場の構図を揺さぶり始めています。


コメント