12月5日の米国株市場は、経済指標と市場センチメントの改善に支えられ、上昇の勢いを見せています。

経済指標と金利の状況
直近の経済指標では、個人消費支出(PCE)デフレーターは市場予想通り(前年比2.8%)で、インフレは高止まりしているものの、上ぶれはしていません。
これは、インフレが加速していない点については好感されています。
しかし、FRBの目標とする2%にはまだ距離があり、この最後のわずかな差(ラスト1マイル)の解消が難しい状況です。
一方で、長期金利(10年債利回り)は4月以来の大幅な上昇を見せており、国債市場では利下げ期待が高まっているにもかかわらず、長期金利が跳ねるという「ねじれ」た現象が起きています。
これは、市場が短期的な利下げは期待しつつも、利下げが1回で止まる可能性や、長期的な景気失速について不安を織り込み始めているためと考えられます。
来週にはFOMCが予定されており、利下げの確率は87.2%と非常に高い水準で織り込まれています。
市場センチメントと予測
株式市場のセンチメントは改善傾向にあります。
Fear & Greed Indexは極度の恐怖ゾーンから40台まで回復しており、過去の統計ではしばしば上昇相場の初動に重なる水準に位置しています。
また、AAIIの弱気派比率が31%を下回ったことは、過去17年間で数えるほどの歴史的な強気シグナルであり、このレベルで点灯した後、1年後の平均上昇率は22.97%から32%と非常に高いことがデータで示されています。
年末の特殊要因として、過去のデータで上昇確率91%とされるサンタクロースラリーが近づいており、ラリーが実現すればS&P 500は7000ポイントを試す可能性があります。
主要銘柄とAI投資の動向
テクノロジー株は市場全体を牽引しており、XLK(テクノロジーETF)は9連騰を記録しました。
AI関連の設備投資は活発で、来年(2025年)だけで約6000億ドルが流れ込むと見込まれており、これが景気後退を防ぐ支えとなっています。
AIによる生産性の向上は来年4%上昇するとの見方も出ており、これは1990年代のコンピューター普及期よりも速いペースだとされています。
個別銘柄では、テスラを運営するイーロン・マスク氏のSpaceXが来年にも上場するとの噂があり、その時価総額はOpenAIを上回る可能性があると報じられました。
Meta Platformsはメタバース(Reality Labs)の予算を削減し、AIへの投資に全面シフトする方針を示しました。
この決定は投資家に好感され、株価は反発しています。
一方、Netflixはワーナー・ブラザース・ディスカバリーの映画部門を約11兆円規模で買収する計画を発表しましたが、株価は下落反応を示しました。
NVIDIAなどのAI半導体セクターは依然として強い需要がありますが、アメリカの制裁により中国で独自チップが開発されるなど、長期的な優位性には懸念も示されています。
ビットコイン

ビットコインは、8万9000ドル付近で推移しています。
ビットコインは、経済指標の発表後などに約3.41%下落するなど、上値の重い展開が続いています。
特に、心理的な抵抗ラインである9万3000ドルを明確に超えることができなかったことが、短期的な下落の一因とされています。
テクニカル的には、8万8000ドルから8万9000ドル付近が非常に強い買い圧力のある水準(最終局面)として注目されており、このラインを維持できるかが今後の上昇トレンド継続の鍵となります。
市場アナリストの中には、ビットコインは現在割安水準にあり、来年1月か2月には史上最高値を更新するだろうと強気の予測をする声もあります。


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