EM(有用微生物群)を用いた掃除は、その安全性と、空間そのものを改善する効果により、近年注目されています。
EMは主に光合成細菌などの菌の集合体であり、洗剤や薬剤ではありません。
微生物の発酵の力によって汚れや匂いの元を分解し、室内の空気や環境をより良いものにしてくれます。
EM製品の種類と準備
掃除に主に利用されるEM製品には、「EMW」と「EM活性液」があります。
EMW
そのまま薄めてスプレーボトルに入れて使うことができる製品です。
柑橘類などを用いて発酵させているため、爽やかな柑橘系の良い匂いがします。
色付きはほとんどないため、白い壁や布製品に使用するのに適しています。
EM活性液
EM-1という農業用資材を、糖蜜などを利用して家庭で発酵・培養して作る液体です。
EMWと同じように薄めて掃除に使用できます。
EMWを購入するよりも経済的にお得になる場合が多いです。
培養時に糖蜜を使用するため、色が黒く、薄めて使用してもその色が残ります。
そのため、白いカーテンや壁紙などに使用すると色が付いてしまう可能性があるため注意が必要です。
香りは糖蜜の香りと発酵による酸っぱい香りがします。
基本的な使い方(希釈)
EMWもEM活性液も基本的な使い方は同じで、水で50倍から100倍に薄めてスプレーボトルに入れて使用します。
希釈の目安
一般的には水500mlに対し、EMWまたはEM活性液を大さじ1杯(約15ml)程度で50倍に薄めます。
注意点
EMは水で薄めると菌のバランスが崩れ、日持ちがしません。
そのため、作った希釈液は必ずその日のうちに使い切ることが推奨されています。
余った希釈液は、排水溝やトイレに流しても、環境浄化につながるため問題ありません。
EMWの利用時のコツ
EMWは生き物であるため、使用していると微生物の死骸(折り)が底に溜まります。スプレーボトルが目詰まりするのを防ぐため、EMWを容器に入れる際は振らずに上澄みだけを使うようにしてください。
EM掃除のメリットと効果
EMによる掃除には、従来の合成洗剤にはない多くの利点があります。
安全性と手荒れの心配がない
EMは薬品でも洗剤でもないため、直接手に触れても全く手荒れしません。
手袋をする必要がなく、気軽に掃除ができます。
EMは善玉菌の集合体であるため、空気中に散布しても無害で、吸い込んでも問題ありません。
赤ちゃんやペットがいる家庭でも安心して使用できます。
強力な消臭効果
EMは匂いの元を分解することで消臭効果を発揮します[芳香剤のように良い匂いで嫌な匂いをごまかすわけではありません。
特にトイレのアンモニア臭などアルカリ性の臭いに対し、EMの酸性成分(pH 3.5程度)が中和作用を起こし、匂いを根本から消してくれます。
発酵空間への改善
EMを日常的に散布することで、家全体が善玉菌が住みつく「発酵空間」へと変化します。
発酵環境になることで、カビなどの悪臭や湿気が減り、居心地の良い空間が作られます。
静電気抑制と防汚効果
EMには静電気を抑える機能(イオン化効果)があるため、EMを散布するとホコリがつきにくくなります。
ホコリや汚れがつきにくくなるため、日常の掃除が楽になり、結果的に汚れが頑固になることを防げます。
掃除が可能な場所と具体的な利用法
EMは、ほとんどの場所や材質(窓、照明、キッチン周り、フローリング、壁紙、畳、お風呂、鏡、カーペット、カーテン、布団、排水溝、トイレ、下駄箱、金属、木製品、電化製品など)に使用できる万能性が特徴です。
水回り(トイレ、風呂、シンク)
トイレやシンク、お風呂上がり後の浴槽全体にEM希釈液をスプレーして拭き取ることで、汚れの付着を防ぎ、匂いを軽減します。
排水溝の匂いが気になる場合、EMの原液または余った希釈液を流すことで、徐々に匂いが消えていきます。
尿石などのアルカリ性の汚れは、EMの酸性によって中和され落ちやすくなります。
布製品(カーテン、ソファ、布団)
洗いづらいカーペットやカーテン、ソファなどにスプレーすることで、匂いの元や汚れの元を微生物が分解してくれます。
布団にスプレーして日干しすると、静電気が取れてふっくらとし、臭いも取れます。
窓・鏡
EM希釈液をスプレーして拭き取るだけで、水拭き後の乾拭きが不要になり、水滴やムラが残りにくく、掃除が楽になります。
車
車のボディを洗う際にもEM活性液を利用できます。
静電気が起きにくくなるため、汚れが付きにくく、綺麗が長持ちします。
頑固な汚れへの対応
EMは善玉菌の力で日常的な汚れや匂いを分解しますが、ギトギトの油汚れや焦げ付きなど、頑固な汚れにはEMだけでは落ちにくいことがあります。
そのような場合は、EMが配合された石鹸や、重曹、クエン酸など、EM以外のナチュラルクリーニング用品を併用することが推奨されています。


コメント