宅建業法・住宅瑕疵担保履行法

宅建士

宅建業法における住宅瑕疵担保履行法(正式名称:特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律)は、新築住宅の売主となる宅建業者が倒産等をした場合でも、買主が欠陥(瑕疵)の補修費用などを確保できるようにするための法律です。

この法律の仕組みと重要なポイントについて、項目ごとに詳しく解説します。

対象となる取引と「新築住宅」の定義

この法律が適用されるのは、宅建業者が自ら売主となり、宅建業者でない買主に新築住宅を引き渡す場合に限られます。

プロ対プロの取引は対象外

買主が宅建業者である場合は、資力確保措置の義務は生じません。

媒介や代理も対象外

宅建業者が売買の仲介(媒介)や代理を行うだけの場合も、この義務は負いません。

新築住宅の定義

建設工事の完了日から1年以内で、かつ人が居住したことがない住宅(持ち家や賃貸住宅)を指します。

事務所や倉庫は対象外です。

対象となる瑕疵(欠陥)の範囲と期間

資力確保措置の対象となるのは、住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)で定められた、以下の部分に関する瑕疵担保責任です。

構造耐力上主要な部分

基礎、壁、柱など。

雨水の浸入を防止する部分

屋根、外壁、雨水排水管など。

責任期間

引き渡しから10年間です。

なお、設備などの瑕疵については、この法律による資力確保の義務付け対象には含まれません。

2つの「資力確保措置」

売主である宅建業者は、瑕疵担保責任を確実に果たすため、「供託」か「保険」のいずれかの措置を講じる必要があります。

住宅販売瑕疵担保保証金の「供託」

売主が自らお金を預けておく方法です。

供託先

宅建業者の主たる事務所の最寄りの供託所に供託します。

供託額の算定

基準日(毎年3月31日)から過去10年間に引き渡した新築住宅の総戸数に応じて算定されます。

小規模住宅の特例

床面積が55平米以下の住宅は、2戸をもって1戸と数えます。

供託の方法

現金のほか、有価証券(国債、地方債など)でも可能です。

不足時の対応

買主への還付などで不足が生じた場合、通知を受けた日等から2週間以内に不足額を供託しなければなりません。

住宅販売瑕疵担保責任保険の「加入」

保険会社と契約を結ぶ方法です。

保険料の負担

保険料は売主(宅建業者)が支払います。

買主が支払うものではありません。

保険期間

引き渡しから10年以上でなければなりません。

保険金額

2,000万円以上である必要があります。

買主の直接請求

売主が倒産等で修理ができない場合、買主が直接保険法人に保険金を請求できます。

義務付けられている「説明」と「届け出」

買主への説明義務

宅建業者は、新築住宅の買主に対し、売買契約を締結するまでに、供託書の所在地や保険の内容について、書面を交付して説明しなければなりません。

買主の承諾があれば、電磁的方法(メール等)での提供も可能です。

免許権者への届け出義務

基準日

毎年3月31日です。

届け出期限

基準日から3週間以内に、その時点での供託や保険加入の状況を免許権者に届け出る必要があります。

違反した場合のペナルティ

届け出を怠ったり、資力確保措置を講じなかったりした場合には、厳しい制裁があります。

罰金

届け出をしなかった場合、50万円以下の罰金に処されることがあります。

新規契約の締結禁止

基準日の翌日から起算して50日を経過した日以降、資力確保措置や届け出の義務を怠っている業者は、新たに新築住宅の売買契約を締結することができません。

契約禁止違反の罰則

この禁止に違反して契約を締結した場合、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、またはその併科となります。

住宅紛争の解決について

欠陥住宅について当事者間で解決できない場合に備え、指定住宅紛争処理機関が設けられています。

この機関は、住宅瑕疵担保責任保険が付いた住宅などの紛争について、当事者の申請によりあっせん、調停、仲裁を行うことができます。

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