EM(Effective Microorganisms:有用微生物群)について詳しく解説します。
EMは、人にとって有用な働きをする微生物の集合体であり、単一の特定の菌を指す「EM菌」という菌は存在しません。
EMの名称は、英語の「Effective Microorganisms(エフェクティブ・マイクロ・オーガニズム)」の頭文字に由来しています。
EMは、汚染されてしまった地球(大地)を元に戻そうとする存在である、と認識されています。
EMの主要な構成要素
EMは主に以下の3種類の微生物で構成される集合体です。
1. 乳酸菌(にゅうさんきん)
2. 酵母(こうぼ)
3. 光合成細菌(こうごうせいさいきん)
主要な微生物の役割
乳酸菌と酵母
乳酸菌は、代謝により乳酸を作り出し、その乳酸がpHを下げることで、悪い菌の増殖を抑制します。
野菜を漬物や、牛乳をヨーグルト・チーズにするなど、食品の保存性を高める働きもします。
酵母は、パンやビール、ワインなどの製造に用いられるポピュラーな微生物で、代謝によって糖をアルコールと炭酸ガスに分解します。
光合成細菌
植物のように光合成ができる細菌で、EMの中ではリーダー的な存在です。
有害な物質(硫化水素など)や光などのエネルギーを利用して、生物にとって有用な物質(糖やアミノ酸など)を合成することができます。
農作物に対しては、空気中の窒素固定、土壌微生物の健全性向上、成長促進、果実の着果・肥大促進、ストレス緩和、病原菌・ウイルスの抑制、免疫機能の活性化など、多くの効果をもたらします。
生育に最適な温度は約30°Cとされますが、南極の氷の下や90°Cの高温地帯でも生息が確認されるほど、耐塩性にも優れタフな微生物です。
光合成細菌は単体では他の微生物との競合に負けてしまうなど、環境に左右されやすい側面がありますが、EMは乳酸菌が多く含まれることで、有害な微生物が増殖できない環境を作り出し、光合成細菌が活躍できる状態を作り出しています。
EMの働き:「発酵の力」と「合成の力」
EMの最大の特長は、この「発酵の力」と「合成の力」の二つの力を使い分けて働きかける点にあります。
発酵の力(乳酸菌・酵母)
有機物を人にとって有用な物質に変化させます。
合成の力(光合成細菌)
硫化水素などの有害な物質と光エネルギーを使って、生物にとって有用な物質を合成します。
発酵と腐敗の違いは、微生物の働きによって有機物が変化した結果、人にとって有用であるか(発酵)有害であるか(腐敗)という点です。
EMは、発酵の力を利用して有用な物質を作り出し、空間を心地よい「発酵空間」へと変えていきます。
EMの多様な活用分野
EM技術は世界的にマイクロバイオームの力が注目されるずっと前から開発され、30年以上にわたり実績を証明してきました。
現在、世界100カ国以上で利用されています。
環境浄化と災害対策
河川・水質浄化
EMはヘドロを発酵させ、他の微生物や原生動物が食べやすい形に変化させます。
EM団子(元気ボール)を川や海に投入する活動は国内外で行われています。
これにより、名古屋の堀川のように悪臭がひどかった川が、カフェが立ち並び観光もできるほど綺麗になった事例があります。
災害時
3.11の震災後の汚染環境や、魚の腐敗によるひどい匂い、仮設トイレの衛生問題などに対し、EMが利用されています。
EMは酸性であり、尿(アルカリ性)のアンモニア臭を中和反応で元から絶つことができます。
農業・畜産
農業
元々は沖縄の比嘉教授によって農業用資材として開発されました。
EMで発酵分解させた堆肥は分解吸収されやすく、有用な成分を多く含むため、植物の成長を促進させます。
畜産
動物にEMを与えることで腸内環境が良くなり、抗生物質や薬に頼らなくても良い状態を作ります。
EMを使って処理された鶏舎などでは、何百メートル離れても臭いがしないほど脱臭効果が優れています。
日常生活(掃除と消臭)
掃除
EMを使った掃除は、汚れを酵素の力で分解することでよく落ちます。
EM溶液を薄めて(50倍~100倍程度)スプレーし、拭き取るというシンプルな使い方が一般的です。
静電気抑制
EMは静電気を抑える機能(イオン化効果)があり、ホコリが静電気で付着するのを防ぎます。
これにより、掃除が楽になり、汚れもつきにくくなります。
また、布団や絨毯のぺちゃんこになる現象も静電気によるものであり、EMをスプレーすることでふわふわになります。
手荒れの心配
医薬品ではないため、手荒れの心配がなく、赤ちゃんやペットがいる家庭でも安心して使えます。
消臭
嫌な匂いを構成する成分(アンモニアなど)をEMが持つ有機酸が中和し、根本的に匂いを感じないものに変えます。
一般的な化学的な消臭剤とは異なり、匂いを匂いでごまかさず、安全性が高いです。
健康(EMXゴールド)
EMXゴールド
EMが持つ成分(特に光合成細菌が作るエキスや、EM培養時に出た余剰ミネラルを凝縮したもの)を抽出した発酵飲料です。
生きた菌は含まれていません。
腸内環境の調整
腸内環境のバランスを整えるのに役立ちます。
体内の毒を出す仕事の7〜8割は腸内環境の仕事であるため、腸内環境を整えることは非常に重要です。
健康維持のサポート
臨床試験の結果から、EMXゴールドを毎日飲むことで、20歳をピークに衰えていく体の健康を維持しようとする力(恒常性)が、飲まない場合よりも低下せずに維持されることが示されています。
摂取方法
規定量は特にありませんが、毎日10ccから30cc程度の摂取が推奨されています。
熱を加えても成分は壊れないため、コーヒーやお茶、煮物、ご飯を炊く際など、料理に入れても問題ありません。
EM製品と活性液の作り方
EM製品には、原液(EM 1号)、薄めて使う液体(EMW)、飲用エキス(EMXゴールド)などがあります。
EM 1号(原液)
乳酸菌、酵母、光合成細菌といった生きた菌が入っている、もととなる資材です。
EM活性液(かっせいえき)の作り方
EM 1号に糖蜜などの糖分と、40°C程度の温水を混ぜてペットボトルなどで培養して増やしたものです。
培養のコツ
25°Cから38°C程度の暖かい場所に保管し、嫌気性発酵(空気が少ない状態での発酵)を促します。
夏場で約1週間、冬場で約2週間で完成し、pH 3.5程度が目安です。
使用期限
菌の活性が最も高いのは完成から1ヶ月以内です。
これ以降も酵素の力は残りますが、菌の密度や活性が低下するため、お掃除や消臭目的であれば1ヶ月以上でも使用可能ですが、品質が良い状態で使い切ることが推奨されます。
EMW
EM 1号をベースに、白い布や壁に色がつかないように、糖蜜を使わないなど特殊な方法で作られた、白色(White)の液体です。
主に掃除や消臭目的で、50倍程度に薄めて使われます。
薄めた後は品質保持のため、その日のうちに使い切る方が良いとされています。
EMボカシ
米ぬかなどをEM活性液で発酵させて作った肥料や、生ゴミのリサイクルに利用される資材です。
EMの利用哲学
EMを活用する上では、単に技術として使うだけでなく、微生物に対する意識が重要であるとされています。
意識の影響
私たちの意識(周波数)は微生物の発酵に影響を与えます。
愛と感謝の意識を持ってEMを育てたり、使用したりする方が、微生物がよりよく働くと考えられています。
環境への貢献
家庭の排水溝は「海への入り口」であるという意識を持ち、日常使う洗剤や流すものを見直すことで、一人ひとりが環境活動に貢献できるという考え方が推奨されています。
共存の精神
EMは、乳酸菌、酵母、光合成細菌が「奇跡の共生」の上で成り立っており、人間社会においても、違いを否定するのではなく、尊重し合うことが、EMの精神性とも関連付けられています。


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