吉岡純子さん著書『日本の神さま大全』を参考にしました。
コノハナサクヤヒメ(木花咲耶姫命)
コノハナサクヤヒメは、富士山の女神として知られ、花のように美しく咲き誇る命を象徴する神です。
ニニギノミコト(天照大神の孫)に見初められて結婚しますが、夫から「本当に自分の子か」と疑われた際に、彼女は潔白を示すため産屋に火を放ち、その中で三人の子を無事に産みました。
この出来事から、火難除け・安産・子宝の神として信仰されています。
コノハナサクヤヒメは「人生を華やかに咲かせる」神でもあり、努力の結果を美しく実らせたい人や、女性としての魅力を高めたい人に縁深い存在です。
富士山本宮浅間大社をはじめ、全国の浅間神社に祀られています。
火と水の調和、潔白な心、美しい生き方を教えてくれる神です。
アマノタナバタヒメ(天棚機姫命)
アマノタナバタヒメは、天の織姫(棚機姫)として知られる女神で、天上界で神々の衣を織る清らかな巫女神です。
彼女の姿は七夕伝説の織姫の原型とも言われ、古代では「機(はた)を織る女性=神に仕える清浄な巫女」とされていました。
そのため、アマノタナバタヒメは浄化・願いごと成就・恋愛成就の象徴とされています。
天と地、人と神をつなぐ“糸”を織り続ける神であり、心を清め、素直な願いを天へ届けたい人を助けるとされます。
吉岡純子さんの書では、アマノタナバタヒメは「心の曇りを祓い、純粋な祈りを天へ導く神」として紹介され、願いが叶いやすくなる時にその加護が強まると述べられています。
七夕神社(福岡県)や機殿(はたどの)神社などで信仰されています。
スセリビメ(須勢理毘売命)
スセリビメは、スサノオノミコトの娘であり、オオクニヌシノミコトの妻となる女神です。
父であるスサノオの試練を乗り越えてオオクニヌシと結ばれたことから、「真実の愛」「試練を乗り越える縁結び」の象徴とされています。
彼女は嫉妬深く情熱的な性格で、恋に生きる女性の姿を表しており、恋愛運や夫婦円満の守護神とされています。
スセリビメの教えは、「人を心から愛すること、そして相手を信じ抜くことの尊さ」です。
吉岡純子さんの本では、「恋の障害を乗り越える力を与える神」として紹介されており、恋愛や人間関係での葛藤を成長へと変えてくれる存在とされています。
島根県出雲地方を中心に、縁結びの神として厚く信仰されています。
オオクニヌシ(大国主命)
オオクニヌシは、日本神話における国づくりの神であり、縁結びの象徴です。
若い頃は多くの試練を受けながらも、智慧と慈悲によって国を治め、人々の暮らしを豊かにしました。
特に「因幡の白兎」の話では、傷ついた兎を助ける優しさが描かれ、慈悲深い神として知られています。
彼はまた、さまざまな女神と縁を持ち、多くの妻を迎えたことから“縁結びの神”として崇拝されています。
吉岡純子さんの書では、オオクニヌシは「人と人、仕事とチャンス、魂と使命をつなぐ神」として紹介され、良縁・事業繁栄・健康・国家安泰など、広いご利益を持つとされています。
出雲大社の主祭神であり、参拝者には「すべてのご縁を整える力」を授けるといわれます。
イチキシマヒメ(市杵島姫命)
イチキシマヒメは、美と芸能、言葉、音楽、水の浄化を司る女神です。
宗像三女神の一柱で、アマテラスオオミカミの命を受けて海を守る神として知られています。
別名は弁財天(弁天さま)であり、インドのサラスヴァティ女神と同一視されることもあります。
水のように流れる美しさと知恵、言葉の力を授け、人を魅力的に見せる力を持ちます。
吉岡純子さんの本では、「美と才能を輝かせたい人」「言葉や表現で人を幸せにしたい人」を守る神とされています。
芸術家、声を使う職業、創作活動に関わる人に特にご縁があるとされます。
厳島神社(広島県宮島)がその代表的な聖地で、「華やかに輝く人生を望む人を応援する女神」です。
ハニヤマヒメ(埴山姫命)
ハニヤマヒメは、大地と陶土を司る神であり、イザナミとイザナギが生んだ「土の女神」です。
土器や陶芸の神、そして農業・繁殖・豊穣を支える神として古くから信仰されています。
彼女は“すべての命を育む母なる大地”を象徴し、安定・再生・浄化の力を持ちます。
吉岡純子さんの書では、「心を落ち着かせ、現実的な基盤を整える神」として紹介されており、生活・金運・仕事・健康を安定させたい人に縁があるとされています。
物質的にも精神的にも“地に足をつけること”を教えてくれる神で、焦りを鎮め、日々を丁寧に生きる力を授けます。
陶芸家や自然を愛する人、ものづくりに携わる人にも強く結びつきのある女神です。
イザナミ(伊邪那美命)
イザナミは、天地開闢ののちに国土と神々を生んだ創造の母神です。
夫であるイザナギとともに日本の島々を産み、数多くの神を誕生させました。
しかし火の神・カグツチを生んだ際に火傷を負い、命を落として黄泉の国へと去ります。
イザナミはその後、「生と死」「再生と循環」を司る女神となりました。
吉岡純子さんの本では、「女性が自分の中の強さと優しさを両立させるための神」として紹介され、喪失・別れ・再生を経験した人の心を癒す力を持つとされています。
死の世界を支配する恐れ多い神であると同時に、母なる慈悲を備えた存在であり、命の尊さと浄化を教えてくれる神です。
熊野那智大社や黄泉比良坂(島根県)などにゆかりがあります。
イザナギ(伊邪那岐命)
イザナギは、イザナミとともに日本列島と神々を生んだ創造の父神です。
イザナミを失った悲しみから黄泉の国へ会いに行きますが、穢れた姿の妻を見て逃げ帰り、その後、禊(みそぎ)を行って心身を清めました。
この禊の際に、アマテラス(太陽神)、ツクヨミ(月の神)、スサノオ(海原の神)などが生まれたとされます。
イザナギは清めの神、再生の神として信仰され、悪運を祓い、新たな始まりを導く力を持ちます。
吉岡純子さんの書では、「過去を清め、未来を開く神」「男らしさと優しさを兼ね備える指導者の神」として紹介され、人生の転換期や再出発を助けてくれる存在です。
淡路島の伊弉諾神宮が代表的な聖地であり、心身の浄化と再生を求める人に最適な神です。
アメノウズメ(天鈿女命)
アメノウズメは、日本神話における「芸能の祖神」「喜びと笑いの女神」として知られています。
天照大神が天の岩戸に隠れて世界が暗闇に包まれたとき、彼女は岩戸の前で舞を踊り、神々を笑わせ、ついに天照大神を外に誘い出しました。
この神話から、アメノウズメは「暗闇に光をもたらす」「人の心を明るくする」神とされています。
舞踏、音楽、芸術、演劇など、表現するすべての活動の守護神であり、「自分の本質を楽しみながら表現すること」が彼女の教えです。
吉岡純子さんの本では、「笑顔とユーモアで人生を開く神」として紹介され、落ち込んだ時に光を取り戻したい人、周囲を元気にしたい人を後押しする存在とされています。
代表的な神社は、三重県の椿大神社、京都の猿田彦神社(夫神とともに祀られる)などです。
菅原道真(すがわらのみちざね)
菅原道真は、平安時代の学者・政治家であり、死後「天神(てんじん)さま」として祀られた学問の神です。
彼は幼少期から非凡な才を発揮し、詩文や学問に秀でましたが、政争に巻き込まれて太宰府へ左遷され、無念のうちに亡くなりました。
その後、京都で雷や天災が相次ぎ、人々は彼の怨霊を鎮めるために祀ったところ、次第に「学問の神」として信仰が広がりました。
吉岡純子さんの書では、「努力を続ける人を守り、正しい知恵を授ける神」として紹介され、勉強・受験・研究・文章表現・仕事運を高めたい人に最適な神とされています。
道真公の教えは、「誠実に努力する者に天は必ず味方する」というものです。
太宰府天満宮、北野天満宮などが代表的な聖地です。
現代では“努力が報われること”を象徴する希望の神として親しまれています。
アマテラス(天照大神)
アマテラスは、日本の最高神であり、太陽と光の女神、そして日本民族の総氏神とされています。
イザナギの禊から生まれ、天上界・高天原を統治し、秩序と調和を司ります。
岩戸隠れの神話では、世界を暗闇から再び照らし出す存在として描かれ、人間の内なる“光”や“使命”を象徴しています。
アマテラスは、正しさ・愛・責任・リーダーシップを体現する神であり、「自分の本当の光を恐れずに放つこと」を教えてくれる存在です。
吉岡純子さんの本では、「真の自己を輝かせ、人々を導く女性神」として紹介され、自己肯定感・カリスマ性・社会的成功を望む人に加護を与えるとされています。
伊勢神宮(内宮)がその聖地であり、日本人の精神の中心に位置する神です。
アマテラスは“心を明るく保つ”ことの大切さを教えてくれます。
ツクヨミ(月読命)
ツクヨミは、アマテラスの弟であり、月の神として夜を司る存在です。
太陽が昼を照らすように、ツクヨミは静かに夜を見守り、調和と節制を象徴します。
神話では、保食神(うけもちのかみ)を殺めたことからアマテラスと袂を分かち、以後、太陽と月が別々に出るようになったとされます。
ツクヨミは「理性」「静寂」「バランス」を司り、感情に流されず冷静な判断を授ける神です。
吉岡純子さんの書では、「心を整え、正しい道を見極める神」として紹介され、内省・浄化・スピリチュアルな感受性を高めたい人に最適とされています。
月の満ち欠けのように“循環”や“リズム”のエネルギーを持ち、眠っている才能を静かに育てる力があります。
月読神社(京都府)、壱岐の月読神社(長崎県)などが信仰の中心です。
ヤマトタケル(日本武尊)
ヤマトタケルは、日本神話の英雄神であり、勇気と忠義の象徴とされています。
景行天皇の子として生まれ、若くして多くの戦に赴き、東国を平定した武勇伝で知られます。
彼は剣(草薙剣)を携え、知恵と勇気で数々の困難を乗り越えました。
最期は旅の途中で命を落としますが、その魂は白鳥となって天へ昇ったと伝えられています。
ヤマトタケルは「挑戦する心」「自己犠牲」「不屈の精神」を象徴する神であり、困難に立ち向かう人や使命を全うしようとする人を守るとされます。
吉岡純子さんの本では、「恐れを超えて進む者に力を与える神」として紹介され、決断力・行動力・仕事運・リーダーシップを授ける存在とされています。
熱田神宮(三種の神器・草薙剣を祀る)や白鳥神社などにゆかりがあります。
安倍晴明(あべのせいめい)
安倍晴明は、平安時代の陰陽師であり、死後に神格化された「陰陽道の祖」として祀られています。
彼は天文・暦・風水・呪術に通じ、星や自然の気を読み、人々の災厄を祓った人物です。
晴明は「見えない力を読み解く知恵」「陰と陽の調和」を象徴し、スピリチュアルな感性を高める神とされています。
吉岡純子さんの書では、「直感力と洞察力を授ける神」として紹介され、霊的感覚や運の流れを読む力を養う存在とされています。
魔を祓い、悪縁を遠ざける守護力が非常に強く、人生の岐路や変化期に現れるといわれます。
京都の晴明神社が有名で、五芒星(晴明桔梗印)は彼のシンボルです。
現代では「直感・開運・魔除け」の神として特に信仰を集めています。
徳川家康(とくがわいえやす)
徳川家康は、江戸幕府を開いた天下人であり、死後「東照大権現」として神格化された武神・守護神です。
彼は忍耐・冷静・計画性に優れ、長期的な視点で平和と秩序を築いた人物として知られます。
晩年、家康は自らを神として祀るよう遺言し、日光東照宮に祀られました。
家康の神徳は「安定」「成功」「長寿」「守護」であり、特に「努力の末に大きな成果を得る」象徴とされています。
吉岡純子さんの本では、「地に足をつけ、堅実に夢を叶える神」として紹介され、人生の基盤を整えたい人、経営・仕事・家庭を安定させたい人に最適とされています。
彼はまた、「焦らず、諦めず、機を待つ知恵」を授ける神であり、開運・出世運の守護者でもあります。
日光東照宮、久能山東照宮が代表的な聖地です。
持統天皇(じとうてんのう)
持統天皇は、飛鳥時代後期に即位した第41代天皇で、女性天皇の一人です。
天智天皇の娘であり、夫は天武天皇です。天武天皇の死後、皇位継承をめぐる混乱を防ぐため、皇太子である草壁皇子が若くして亡くなった後、自らが即位しました。
政治手腕に優れ、律令国家の基礎を整えた人物として知られています。
日本で初めて「藤原京」という都を造営し、計画的な都市づくりを実現しました。
また、古代日本の国号「日本」を正式に用いた時代でもあり、天皇を中心とする国家の形が明確に整えられていった時期です。
精神的にも強く、古代日本の女性リーダー像を象徴する存在として、後世には「母なる国家の守護者」として神格化されることもあります。
シオツチノオジ(塩土老翁/しおつちのおじ)
シオツチノオジは、海の神であり、潮の流れを司る神とされています。
『古事記』や『日本書紀』では、イザナギとイザナミが国生みをした際に、海の運行を整えた神の一柱として登場します。
特に『海神(わたつみ)』や『航海の守護神』として信仰され、船乗りや漁師にとって大切な存在です。
また、神話ではスサノオの子孫であるホオリ(山幸彦)が兄のホデリ(海幸彦)に奪われた釣針を探す際、海辺で困っていたところに現れ、助言を与える賢者として描かれています。
このように、シオツチノオジは「道を示す導きの神」「知恵と穏やかな助けの神」として信仰されてきました。
古代から「潮の満ち引き」は人々の生活や祈りに深く関係しており、この神は自然と人をつなぐ象徴的存在です。
住吉三神(すみよしさんじん)
住吉三神とは、「底筒之男命(そこつつのおのみこと)」「中筒之男命(なかつつのおのみこと)」「表筒之男命(うわつつのおのみこと)」の三柱の神を指します。
これらは総じて「海の守護神」「航海安全の神」として信仰されます。
神話では、イザナギが黄泉国から戻り、禊(みそぎ)を行った際に生まれた神々の中の三柱とされます。
彼らは海の底・中・表という三つの層を守護し、船旅の安全を保つ存在とされました。
後に大阪の住吉大社をはじめ、全国に「住吉神社」が祀られるようになり、朝廷や海運業者、船乗りたちの篤い信仰を集めました。
また、住吉三神は「和歌の守護神」としても知られ、文化や芸能の発展にも深く関係しています。
海の神であると同時に、言葉と表現の力を守る神でもあります。
十二天将(じゅうにてんしょう)
十二天将は、陰陽道や密教において、方位や時間を守護する12の神霊を指します。
彼らは天部の守護神であり、それぞれが特定の方角や星、また干支に対応しています。
陰陽師・安倍晴明の術にも深く関わり、悪霊退散・方除け・厄除けの神として用いられました。
たとえば、「太歳」「大将」「騰蛇」「朱雀」「勾陳」「青龍」「天空」「白虎」「太陰」「玄武」「天后」「貴人」などが知られています。
これらは宇宙の秩序を象徴し、人間の運勢や天地の気の流れを調整するとされました。
古代から現代にかけて、十二天将は神仏習合の流れの中でも重視され、陰陽道や風水、さらには神社仏閣の守護としてもその存在は受け継がれています。
造化三神(ぞうかさんしん)
造化三神とは、日本神話の冒頭に登場する三柱の神で、「天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)」「高御産巣日神(たかみむすひのかみ)」「神産巣日神(かみむすひのかみ)」のことを指します。
これらの神々は天地開闢(てんちかいびゃく)の際に最初に現れたとされる「始原の神」です。
形を持たず、男女の性別もなく、生成と創造の根源を象徴しています。
彼らは「むすび(産霊)」の力をもって世界を生み出し、命をつなげる働きを担いました。
したがって、造化三神は「宇宙のはじまり」「生命の根源」「調和の原理」を表しています。
特に高御産巣日神と神産巣日神は「創造と繁栄」「生成のエネルギー」を司る神として、天照大神やイザナギ・イザナミにも影響を与えた存在です。
神道における最も尊い神々の一つです。
ヒトコトヌシ(事代主神/ひとことぬし)
ヒトコトヌシは、オオクニヌシの子とされる神で、言葉の力を司る「言霊の神」として信仰されています。
「一言(ひとこと)で願いを叶える神」として知られ、誓いや願いごとを叶える霊験あらたかな神として古くから信仰されてきました。
神話では、天照大神の命を受けた使者がオオクニヌシに国譲りを迫った際、ヒトコトヌシは父に代わってその意思を伝え、「天孫に国を譲るべき」と進言したとされます。
このことから「言葉を通じて調和をもたらす神」「交渉と和解の神」としての側面も持っています。
奈良県の三輪山に鎮座する「大神神社」や、和歌山県の「丹生都比売神社」などにも関連が深く、現在でも「願いを一言で叶えてくれる神」として厚く信仰されています。
まとめ
『日本の神さま大全』(吉岡純子著)は、日本神話や神道に登場する神々の由来・性格・ご利益をわかりやすくまとめた一冊です。
天照大神やイザナギ・イザナミなどの創世神をはじめ、自然・言葉・愛・豊穣・知恵などを司る神々が紹介され、それぞれがどのように人々の生活や心とつながっているかが解説されています。
神々は人間の感情や自然の働きを象徴しており、古代から現代まで日本人の精神文化を支えてきた存在として描かれています。
この本は、神道の本質である「自然とともに生き、感謝して調和する心」を思い出させてくれる、日本の神々への入門書です。


コメント