上場とは

株式の上場は、その株式会社の株式を広く一般の投資家が保有できるようにすることです。

上場

有価証券等が証券取引所などの市場で取引可能であることで、上場するには取引所の審査を受ける必要があります。

上場すると知名度が上がり、社会的信用も高まりますが、企業情報はガラス張りで、自由に取引されるので買収されるリスクもあります。

株式が上場されていない会社は非上場会社といい、経営者の縁故者や取引関係者、銀行などが出資し、株式を保有するのがほとんどです。

上場会社は、自社と特別な関係がない人でも投資判断ができるように、ディスクロージャーの義務が課せられます。

上場基準

株式会社が発行する株式を取引所に上場するために必要な発行済株式数、株主数などの上場審査の最低基準のことです。

株式を発行し上場させることは、広く一般の投資家から資金調達を行うため、発行会社には健全性や公平性、取引の安定性などが求められます。

その最低条件を上場基準といいます。

株式の上場基準は投資家保護が目的で、新規上場の際の上場審査基準と、すでに上場している会社の廃止基準とがあります。

またその内容により上場株式数、株式の分布状況、設立後経過年数、上場時価総額、株主資本の額、利益の額、時価総額、連結財務諸表等についての形式要件と、企業の継続性、収益性、企業経営の健全性、企業内容等の開示の適正性、その他公益または投資家保護の観点から必要とされる事項についての適格要件とが設けられています。

この上場基準は証券取引所によって基準が異なり、また、同じ東京証券取引所でも、一部、二部、マザーズによっても基準は異なります。

上場審査基準(主なもの)

流通株式数

2万単位以上かつ流通株式数が上場株券等の35%以上。

純資産の額

連結純資産の額が10億円以上、かつ単体純資産がマイナスでないこと。

株主数

2200人以上。

虚偽記載または不適正意見等

最近の2年間の有価証券報告書に虚偽記載なし等の4項目。

利益または時価総額

利益が最近2年間の利益総額が5億円以上か、時価総額が500億円以上。

単元株式数など

単元株式数が100株となる見込みのあること。

未公開株

一般に株式公開せず、原則として自由に売買できない株式で、会社法施行後、厳密には非上場と未公開は同じ定義ではなくなりました。

会社法制定以前は、証券市場に株式を上場していない会社が未公開会社でした。

そのため、当時は株式の非上場と未公開は同じ意味でした。

会社法で非公開会社の定義は、すべての株式を定款で譲渡制限している会社となりました。

ただし、以前の名残か、いまだ一般的には非上場=未公開株と扱われることが多いようです。

未公開株は証券取引所で取引されていないため、一般の投資家が簡単に購入できません。

昨今、未公開株のトラブルが多く、証券会社出ない会社が、「今後上場予定の会社ですが、上場すれば値上がり確実です」などと、勧誘する詐欺に注意が必要です。

本来、その会社と縁がなければ未公開株は手に入りません。

未公開株購入の勧誘には気をつけましょう。

IPO

少数の株主により所有されていた未公開会社の株式が、株式市場で広く一般に自由に売買される状態になることです。

未公開株は自由な売買が制限されており、特定の少数の株主が株式を保有しています。

その状態から不特定多数の投資家に株式を売り出し、市場で株式を自由に売買し保有できるようにするのがIPO(initial public offering)新規公開です。

つまり、証券市場に上場することです。

IPOのメリットは、資金調達の幅が広がる、社会的信用が付いて、知名度が上がる、それにより優秀な人材が確保できる、社内管理体制が充実するなどが考えられます。

デメリットは、企業業績や事業展開などについて、一般に広く情報開示をしなければならないことです。

株式を公開するには、証券取引所が定めた一定の審査基準を満たさなければなりません。

株式公開や資金調達に関するアドバイスをする証券会社を幹事証券会社といい、主幹事証券会社を中心に、通常4〜7社程度の幹事証券会社が選定されています。

幹事証券会社

株式会社が新規公開や上場後の資金調達をする際に、アドバイスや関係機関との調整手続きをする証券会社です。

飲み会の幹事と同じ意味で、資金調達が多額になると複数の証券会社が資金集めをします。そのお世話係が幹事証券会社です。

株式会社がIPOしたり、増資や債券の発行など有価証券による資金調達を行ったりする際には、金融庁や証券取引所などへの諸般の手続きが必要です。

またIPOするに値する経営内容や情報公開などが求められます。

上場株式会社には、このようなトータルアドバイスをする幹事証券会社(または幹事会社)がバックについています。

通常は数社の証券会社がこの役割を担っていますが、そのうち中心になる証券会社を「主幹事証券会社」といい、それに次ぐ副幹事証券会社、幹事証券会社がこれらの業務を担当します。

幹事証券会社は、有価証券の発行に関する業務と同時にその引受も行います。

簡単にいえば、IPO株の取扱証券会社です。

IPO株の購入をしたい投資家は、幹事証券会社を通じて、ほとんどの銘柄の場合はブックビルディングに参加する必要があります。

ブックビルディング

新しく発行する株式の公募価格を決める際に、投資家がどの程度買いたいと思うかの需要を把握し、発行価格を決める方法。

ブックビルディング(需要積上げ方式)は、IPOや公募発行増資などの売出しの値段を決める方法です。

株式の発行会社は、機関投資家や証券投資の専門家の意見を基に、上場予定日の2週間程度前に、仮条件と呼ばれる発行の価格帯を設定します。

仮条件が提示されると、購入希望の投資家は、仮条件の範囲内で幹事証券会社に申し込みます。

このこと自体が、投資家の需要を把握することになるため、その銘柄へのニーズや市場動向に見合う発行価格が決まるんです。

ブックビルディングを導入する前の日本の株式市場では、公募、売出し価格は入札で決めていました。

しかし、入札方式だとその会社の人気に左右された価格になってしまい、妥当な水準で落札されないことが多くありました。

ブックビルディングの手順

ヒアリング

幹事証券会社が機関投資家などに発行価格のヒアリングをして、新規発行株式をいくらなら何株買いたいかを回答。

仮条件の決定

幹事証券会社が機関投資家の意見を参考にブックビルディングの仮条件を「○○円〜○○円」という幅を持たせて決定。

仮条件の提示

幹事証券会社から一般の投資家に仮条件を提示、需要を聞く。

購入の申込み

一般の投資家が仮条件の範囲内で購入の申し込み。

価格の決定

幹事証券会社が投資家の需要を基に、発行価格を決定。

新規の購入

購入申込をした投資家が発行価格で新株を購入(ほとんどが抽選)。

公募価格、公開価格

商法では、広く一般の投資家を対象に資金を集める公募の際に、発行条件を均等にすることと、価格が著しく不公正にならないことを定めています。

この募集にかかる株価が公募価格です。

またそれまで非上場だった会社の株式が、新規に上場する際に発行する新株の公募価格を公開価格と呼んでいます。また発行価格ともいいます。

売出し価格は、大株主などが保有する株式の売出しの際の取引価格です。

新規上場の際は、公募と売出しを同時に行うことが多く、この場合、公募・売出し価格と表現します。

すでに上場している会社が新しく株式を発行して公募を行う場合(公募発行増資)の公募価格は、市場で取引されている同社の株価から数%程度割り引かれた価格になるのが通常です。

公開価格を決める方式には、競争入札とブックビルディングがあります。

ブックビルディングは1997年の本格導入後、ほとんどすべてのIPOで適用されています。

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