日本の金融行政は、金融システムの安定維持、利用者・投資者の保護、公正な市場の確保などを目的として行われています。主な機関とその役割は以下の通りです。
金融庁
金融庁は、日本の金融行政を統括する主要な機関です。その主な業務は以下の通りです。
金融ルールの策定
銀行法や金融商品取引法など、金融機関が遵守すべきルールを策定し、市場で公正に運用されるよう配慮しています。
金融機関の検査・監督: 銀行、証券会社、保険会社などの金融機関に対して検査・監督を実施し、適切な業務運営が行われているか監視しています。リスク管理体制のチェックも行います。
証券市場の管理・監督: 証券取引市場における不正行為がないかを常にチェックし、公正な市場の維持に努めます。
公認会計士の監査
日本公認会計士協会から上がってくる報告書の審査など、公認会計士の監査も監督しています。
日本銀行(日銀)
日本の中央銀行であり、金融政策の決定・実行、銀行券(お札)の発行・流通・管理、決済サービスの提供、国庫事務など多岐にわたる業務を行っています。
日銀の最も重要な役割は、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することです。
日銀金融政策決定会合
日本銀行の金融政策の運営方針を決定する会合です。
年に8回(通常は2日間)開催され、総裁、副総裁2名、審議委員6名の計9名の政策委員による多数決で決定されます。主に金融市場の調節方針や金融政策手段(政策金利の誘導目標、公開市場操作など)が議論され、今後の金融政策の方向性が示されます。
会合後に発表される声明文や、四半期に一度公表される「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」は、市場関係者から大きな注目を集めます。
公的資金
政府など公的機関が民間の金融機関に注入する資金を指します。
国民が負担する税金が原資となっており、金融機関の経営危機などで利用者や市場に影響が広がるのを防ぐための措置として用いられます。
日本では、公的資金による資本増強で金融機関の財務基盤を強化し、企業などへの円滑な資金供給を後押しする法律として「金融機能強化法」が定められています。
金融機関の自己資本比率が低下し、経営が不安定になることを防ぐ目的で、株式の買い入れなどが行われます。
証券取引等監視委員会(SESC)
金融庁に設置された組織で、金融商品市場の公正性・透明性を確保するために、市場における不正行為の監視・調査を行っています。主な役割は以下の通りです。
不公正取引の調査・告発: インサイダー取引、相場操縦、虚偽記載などの金融商品取引法違反行為に対して、調査を行い、必要に応じて告発や行政処分の勧告を行います。
金融商品取引業者への立入検査
証券会社などの金融商品取引業者に対して立入検査を行い、法令遵守状況やリスク管理体制をチェックします。
無登録業者の監視
無登録業者による未公開株式やファンドの販売・勧誘などの重大な金融商品取引法違反行為に対して、禁止・停止命令の申し立てなどの調査を行います。
FRB(米国連邦準備制度理事会)
アメリカの中央銀行制度の最高意思決定機関です。
FRBは、全米12地区の連邦準備銀行を統括し、「雇用の最大化」と「物価の安定」という二大目標を達成するために金融政策を駆使します。
議長と6名の理事で構成され、金融システムの安定性確保、銀行の監督・規制、金融機関への貸出、通貨の発行などを行います。
FOMC(連邦公開市場委員会)
FRBが開催する米国の金融政策を決定する会合です。
FRB理事7名と地区ごとの連邦準備銀行総裁5名の最大計12名で構成され、年に8回開催されます。
政策金利(フェデラルファンド金利)の誘導目標や通貨供給量などが決定され、その決定は世界の金融市場に大きな影響を与えます。
会合後の声明文や議事録は、今後の金融政策の方向性を判断する上で非常に重要視されます。
財政健全化
国の財政状況を改善し、持続可能な財政運営を実現するための取り組みです。
具体的には、歳出の抑制と歳入の確保を通じて、国や地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化(逆に言えば民間の赤字)を目指し、債務残高対GDP比を安定的に引き下げることを目標とします。
社会保障制度の持続可能性の確保や、国債の信認維持などが重要な課題となります。
ECB(欧州中央銀行)
ユーロ圏の金融政策を担う中央銀行です。
ECBの主要な目的は、ユーロ圏の物価安定を維持することです。
具体的には、消費者物価調和指数(HICP)で年2%を下回る上昇率を目標としています。
物価安定の目的を侵害しない限りにおいて、EUの一般的な経済政策を支援することも役割としています。
金利操作(公開市場操作、常設ファシリティなど)や、通貨供給量(マネーサプライ)の管理を通じて金融政策を実施します。


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