「食品誘発性熱産生(しょくひんゆうはつせいねつさんせい)」とは、食事をすることで体内で発生するエネルギー消費の増加のことです。
英語では「Diet-Induced Thermogenesis(DIT)」または「Specific Dynamic Action(SDA)」と呼ばれます。
食事をすると、摂取した食べ物が消化・吸収され、体内で代謝されます。
この一連のプロセスにはエネルギーが必要であり、その際に熱が発生し、体温が上昇します。この現象が食品誘発性熱産生です。
仕組みと影響
消化・吸収・代謝: 食べ物を口から摂取すると、咀嚼(そしゃく)によって物理的に細かくなり、胃や腸で化学的に消化されます。
消化された栄養素は小腸から吸収され、全身の細胞で利用されます。
これらの過程で、内臓の活動が活発になり、エネルギーが消費され、熱が発生します。
特に、消化吸収の際にエネルギーを多く消費する「タンパク質」を摂取した際には、食品誘発性熱産生が高まる傾向にあります(摂取エネルギーの約30%が消費されると言われています)。
糖質は約6%、脂質は約4%です。
咀嚼
よく噛んで食べることも食品誘発性熱産生を高める要因となります。咀嚼によって交感神経が刺激され、熱産生が促進されます。
褐色脂肪細胞の活性化
交感神経の活性化は、褐色脂肪細胞(エネルギーを熱に変えて消費する脂肪細胞)を活性化させ、さらに熱産生を高めると言われています。
食後の体温上昇
食後に体が温かく感じるのは、この食品誘発性熱産生によるものです。
総エネルギー消費量への寄与
食品誘発性熱産生は、1日の総エネルギー消費量のうち約10%程度を占めるとされています。
基礎代謝(安静時に生命維持のために消費されるエネルギー)や身体活動量(運動などによるエネルギー消費)と並ぶ、重要なエネルギー消費の一つです。
時間帯による違い
食品誘発性熱産生量は、朝食が最も高く、夕食や夜食になるにつれて減少する傾向があります。
そのため、朝食をしっかり摂ることが代謝を上げる上で重要とされています。
ダイエットとの関係
高タンパク質な食事は、食品誘発性熱産生を大きくするため、減量において推奨されることがあります。
また、よく噛んで食べることも、エネルギー消費を増やす効果があるため、ダイエットに役立つと考えられています。
このように、食品誘発性熱産生は、私たちの体が食事を処理する上で自然に起こる重要な代謝活動であり、エネルギー消費や体温調節に大きく関わっています。


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