宅建業法・宅建業

宅建士

宅建業法における「宅建業(宅地建物取引業)」とは、「宅地」または「建物」の「取引」を「業として」行うことを指します。

この3つの要素(宅地・建物、取引、業として)のすべてに該当する場合にのみ、宅建業の免許が必要となります。

以下に、それぞれの要素について詳しく解説します。

宅地・建物の定義

まず、どのようなものが「宅地」や「建物」に該当するのかを理解する必要があります。

宅地(土地)の定義

次の3つのいずれかに該当するものが宅地です。

現在、建物が立っている土地

土地の上の建物の種類は問いません。

建物を建てる目的で取引される土地

現在は空き地であっても、将来的に建物を建てる予定であれば宅地となります。

これについては、登記簿上の地目(種類)は関係なく、実際の現況や取引目的で判断されます。

用途地域内の土地

都市計画法で定められた「用途地域」の中にある土地は、原則としてすべて宅地とみなされます。

ただし例外として、道路、公園、河川、広場、水路の5つ(覚え方:「どこが洪水」)は、用途地域内であっても宅地には該当しません。

建物の定義

屋根と柱がある工作物を指します。

一戸建てやマンションの一室(専有部分)だけでなく、倉庫、学校、病院、役所などの公共施設も含まれます。

また、共有会員制リゾートクラブの会員権の売買も、建物の所有権に該当するとみなされ、宅建業の対象となります。

取引の定義

「取引」に該当するかどうかは、その行為の態様(関わり方)によって決まります。

取引に該当するもの

自ら行う売買、交換。

代理・媒介で行う売買、交換、貸借。

取引に該当しないもの(最重要ポイント)

自ら行う「貸借(貸したり借りたりすること)」。

自分が持っているアパートを他人に貸す(大家業)や、他人の物件を借りてさらに別の人に貸す(転貸借・また貸し)は、宅建業の「取引」には該当しません。

そのため、大家さんや不動産投資家、ビル経営者などは宅建業の免許が不要です。

管理行為や建設請負

ビルの清掃や点検などの維持管理を行うことや、建物の建設工事を請け負うことも取引には該当しません。

「業として」の定義

単発の行為ではなく、ビジネスとして継続的に行っているかどうかを判断する基準です。

不特定多数を相手にする

相手を限定せず、広く一般の人を相手にすることを指します。

例えば、自社の従業員のみを対象に販売する場合は「特定」の相手となるため業には該当しませんが、多数の友人や知人、あるいは公益法人などを相手にする場合は「不特定多数」とみなされます。

反復継続して行う

何度も繰り返し行うことです。

逆に、持っている土地をすべて一括で売却して終わるような場合は、反復継続には該当しません。

その他の注意点

営利目的(利益が出るか)や報酬の有無は関係ありません。

無報酬で行う場合や、宗教法人・学校法人などの公益法人が行う場合でも、要件を満たせば「業」に該当します。

免許が不要な特別なケース

「宅地建物の取引を業として」行っていても、例外的に免許が不要な団体があります。

国および地方公共団体

国や都道府県などは、信頼性が高いため免許なしで宅建業を行うことができます。

信託会社・信託銀行

これらは宅建業法よりも厳しい「信託業法」や「銀行法」に従っているため、免許は不要です。

ただし、宅建業を始める際には国土交通大臣への届け出が必要になります。

みなし業者(相続人など)

宅建業者が死亡した場合、その相続人は、生前に締結していた契約の引き渡しや登記などの事務を完了させる範囲内に限って、宅建業者とみなされて業務を行うことができます。

まとめ

宅建業の免許を、「車の運転免許」に例えて考えてみましょう。

「公道(宅地・建物)」で「運転(取引)」を「日常的に(業として)」行うのであれば、事故やトラブルを防ぐために必ず免許証が必要です。

しかし、自分の家の庭(自ら貸借)で車を動かすだけであれば、公道でのルールほど厳格な免許は求められません。

同様に、不動産という高額な取引においても、プロとして不特定多数の人と関わる場合にのみ、消費者を保護するために「宅建業の免許」という許可証が必要になるのです。

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