三橋貴明さん著書、『国民を豊かにする令和の政策大転換 ── 現代貨幣理論が日本を救う』
日本経済の大問題
GDPと政府支出
GDP(国内総生産)は国の経済活動の総量であり、その大きな構成要素の一つが政府支出です。
政府が公共事業や福祉などにお金を使うことで、企業や家計にお金が回り、経済が活性化します。
しかし日本では、バブル崩壊後から政府支出を抑える傾向が続き、この流れが長期的な経済の低迷を招いています。
GDPの伸び悩みは、民間の消費や投資の不足だけでなく、政府が十分にお金を使わないことが原因の一つになっています。
衰退途上国
「衰退途上国」とは、かつて先進国として繁栄していたにもかかわらず、成長力や国民生活水準が低下している国を指す言葉です。
日本は高度経済成長期からバブル期までは先進国の象徴でしたが、その後30年以上も経済が停滞し、賃金はほとんど上がらず、社会インフラや産業競争力も弱体化しています。
このため、経済発展を続ける国々に追い抜かれつつあり、事実上「衰退の道」を歩んでいます。
政府の投資を抑える異常
本来、景気が悪いときには政府が積極的に公共投資を行い、雇用や需要を支えるのが経済政策の基本です。
しかし日本では1990年代後半以降、公共事業を削減し続け、景気回復のための投資さえも抑える傾向が強まりました。
道路や橋、上下水道などインフラの老朽化が進んでも十分な更新投資が行われず、災害対策や地方振興にも影響が出ています。
この「政府投資をしない」状態は経済の縮小を加速させる異常な状況といえます。
東京一極集中
日本の経済や人口は東京圏に極端に集中しており、地方は過疎化と産業衰退が深刻です。
東京一極集中は、地方の人材や資本を吸い上げ、地域経済の自立を難しくします。
交通や住宅の過密化、生活コストの上昇など、東京側にもデメリットがあるにもかかわらず、国の政策は地方分散よりも東京集中を容認・助長してきました。
この構造は日本全体の成長を阻害する要因になっています。
金儲け至上主義の成れの果て
1980年代以降、株価や不動産価格の上昇など「お金を増やすこと」が最重要とされ、短期的な利益を追う経営や政策が広まりました。
その結果、企業は人件費や研究開発を削り、株主還元を優先するようになりました。
国も同様に、国民生活より財政収支や市場の評価を重視する傾向が強まり、長期的な国民の豊かさや社会基盤の維持が軽視されてきました。
その「成れの果て」が、賃金停滞や社会の分断です。
少子化の要因
少子化は単に「子どもを産まない」という個人の選択ではなく、経済や社会の構造的な問題が背景にあります。
非正規雇用の増加や賃金の低迷、住宅費や教育費の負担増などが、若年層に結婚や出産をためらわせています。
また、地方の雇用不足や都市部の生活コスト高騰も少子化を加速させます。
これは緊縮財政や低成長政策による国民所得の減少と密接に結びついています。
緊縮財政
緊縮財政とは、政府支出を減らし、財政赤字を削減しようとする政策です。
景気が悪くても歳出を抑えるため、需要不足がさらに悪化し、経済が縮小する悪循環に陥ります。
日本はバブル崩壊後、特に1997年の消費税増税以降、財政支出の抑制や増税を繰り返し、景気の腰を折り続けてきました。
結果として、経済成長よりも財政均衡を優先する姿勢が、日本の長期停滞の一因となっています。
財政均衡主義
財政均衡主義とは、政府の歳出と歳入を均衡させ、赤字を出さないことを重視する考え方です。
一見健全に思えますが、経済の成長には民間需要だけでは足りないとき、政府が赤字を出してでも需要を補う必要があります。
日本ではこの均衡主義が「国の借金=悪」という誤解とともに広まり、必要な投資さえ抑えてしまう結果になりました。
国債発行
国債は政府が必要な資金を調達するために発行する債券で、日本の場合は自国通貨建てであり、理論上デフォルトの危険はありません。
しかし「国の借金」という表現により、国債発行は将来世代への負担だと誤解されがちです。
実際には、国債発行による政府支出が経済を支え、民間の貯蓄にもつながります。
本来は景気やインフラ整備のため積極的に使える政策手段です。
大平正芳の呪縛
1970年代後半の首相・大平正芳は、財政再建を重視し「増税による財政健全化」を進めました。
この路線がその後も政治や官僚の間に根付き、経済状況にかかわらず財政均衡を目指す風潮を生みました。
特に財務省はこの考えを強く継承し、景気悪化時にも歳出削減や増税を優先する体質が続いています。
この「呪縛」が現代まで日本経済の足かせとなっています。
主流派経済学の錯誤
貨幣のプール論
貨幣のプール論とは、経済全体に存在するお金の量が限られており、それを国や民間が取り合うという発想です。
この考え方では、政府が使うお金は民間から奪うことになり、政府支出は経済の成長を妨げるとみなされます。
しかし現代の自国通貨を発行できる政府にとって、お金の総量は固定されておらず、必要に応じて新たに創造できます。
プール論は現代貨幣制度を無視した古い考え方であり、財政政策の可能性を狭めます。
アダム・スミスの貨幣論
アダム・スミスは貨幣を主に交換の媒介物と捉え、市場の効率性を強調しました。
しかしその理論は、貨幣を「中立的な存在」と見なし、貨幣発行や政府支出が経済活動に積極的な役割を果たす可能性を過小評価しました。
スミスの時代には現代のような不換紙幣制度や中央銀行もなく、信用創造の仕組みも未発達だったため、その理論を現代経済にそのまま適用するのは不適切です。
セイの法則
セイの法則は「供給はそれ自らの需要を生み出す」という考え方です。
つまり、生産が行われれば必ず同等の需要が生まれるとされます。
この考え方では、需要不足による不況は起こらないため、政府による需要創出は不要とされます。
しかし実際には、1929年の世界恐慌や日本の長期デフレのように、供給能力があっても需要が不足し、経済が停滞することは何度も起きています。
現代経済では、セイの法則は現実にそぐわないとされています。
商品貨幣論の弊害
商品貨幣論は、金や銀のような実物資産に価値を持たせ、その裏付けで貨幣が発行されるという考え方です。
この理論は貨幣供給量を制約し、経済規模が拡大しても十分なお金が出回らず、景気を抑え込む原因になります。
現代の不換紙幣制度では、貨幣は国家の信用によって発行されるため、商品貨幣論を前提とした「お金は限られている」という発想は経済政策の自由度を不必要に制限します。
トリクルダウン理論
トリクルダウン理論は、富裕層や大企業が利益を得れば、そのお金が投資や消費を通じて中間層や低所得層にも「滴り落ちる」とする考え方です。
しかし実際には、富裕層は余剰資金を消費よりも資産運用や海外投資に回す傾向が強く、国内の広範な需要を生み出す効果は限定的です。
結果として格差は拡大し、庶民の購買力が下がって経済全体が弱体化します。
インフレよりもデフレを警戒
主流派経済学ではインフレを強く警戒し、物価上昇を抑えることを優先します。
しかしデフレは物価下落と需要減退が長期化し、企業の利益と賃金が下がり続けるため、経済への打撃はより深刻です。
日本は1990年代後半から長期デフレに陥り、賃金停滞や設備投資減少などが続きました。
インフレ抑制ばかりを重視する姿勢は、日本経済の回復を遅らせる一因となっています。
政府にしかできないこと
経済には民間では担えない領域があります。
大規模インフラ整備、防災、基礎科学研究、全国規模の雇用対策などは、利益動機で動く民間企業には不向きです。
主流派経済学が政府の役割を縮小し市場万能論を推すことで、こうした分野への投資が減り、社会基盤や産業競争力が損なわれてきました。
政府が本来の役割を果たさないことは、国民経済全体の潜在力を削ぐ結果を招きます。
否定されたケインズ
ジョン・メイナード・ケインズは不況時に政府が積極的に支出して需要を創出する「ケインズ政策」を提唱しました。
しかし1980年代以降、新自由主義や財政均衡主義の台頭によって、この考えは軽視されました。
その結果、日本ではバブル崩壊後に十分な財政出動を行わず、不況とデフレが長期化しました。
ケインズの教えを無視したことが、日本経済の回復を阻んだと言えます。
シュンペーター
ヨーゼフ・シュンペーターは「創造的破壊」を通じた企業の新陳代謝とイノベーションの重要性を説きました。
しかし、現代日本ではこの考えが「古い企業や産業は淘汰されればよい」という短絡的解釈で使われ、必要な産業保護や公共支援が軽視されがちです。
結果として、地方経済や雇用の崩壊が放置され、新しい産業が育つ基盤も失われています。
シュンペーターの理論の本質は、単なる破壊ではなく、破壊と再生のバランスにあります。
MMTの勃興
MMT(現代貨幣理論)
MMT(Modern Monetary Theory/現代貨幣理論)は、自国通貨を発行できる政府は、理論上その通貨が不足することはなく、財源制約によって支出が制限されることはないという考え方です。
政府支出は税収や国債発行によって「調達」するのではなく、通貨発行によって直接行うことが可能であり、唯一の制約はインフレ率です。
この理論は、財政赤字を恐れず、必要な公共投資や雇用対策を行うべきだと主張します。
日本がMMTの正しさを証明
日本はバブル崩壊後、巨額の財政赤字と国債発行を続けてきましたが、長期的に金利は低く、インフレにもなっていません。
世界最大規模の政府債務を抱えながらも経済が破綻していない事実は、「国の借金は必ず危機を招く」という通説を否定します。
自国通貨建て国債を発行できる国は、財政破綻よりもむしろ需要不足に注意すべきであり、日本はその現実的証拠となっています。
絶対にインフレにならない理由
日本が長期間インフレにならなかった理由は、民間需要が弱く、企業や家計がお金を使わず貯め込む傾向が強いからです。
政府が支出しても、消費や投資に回る速度が遅いため、物価上昇圧力は限定的です。
また、グローバル化によって安価な輸入品が国内市場に流入し、価格競争が物価上昇を抑えています。
こうした構造的な要因が、日本を恒常的なデフレ圧力下に置いています。
税金の3つの役割
MMTでは税金の役割は財源確保ではなく、主に次の3つとされます。
第一に、インフレを抑えるための需要調整。
第二に、富の再分配による格差是正。
第三に、通貨に価値を持たせるための強制通用力の裏付けです。
つまり税は政府支出のために必要なのではなく、経済や社会のバランスを取るための制度的なツールと位置づけられます。
誤解だらけの日銀当座預金
日銀当座預金は、民間銀行が日本銀行に保有する預け金で、金融機関同士の決済や準備預金制度に使われます。
しかし多くの人は、これを「日銀が市場にお金をばらまいている」と誤解します。
実際には、日銀当座預金の増減は銀行間の資金移動の結果であり、そのまま企業や家計の消費や投資に直結するわけではありません。
この誤解が、金融政策の効果や財政政策の必要性の認識を歪めています。
リフレ派
リフレ派は、金融緩和によってマネタリーベース(現金+日銀当座預金)を増やせば、物価や経済成長率が上昇すると考える立場です。
彼らは主に中央銀行の金融政策に依存し、財政政策の積極活用には慎重です。
日本ではアベノミクス初期にこの政策が採用されましたが、実際には物価も賃金も大きく上がらず、金融緩和だけでは需要不足を解消できないことが明らかになりました。
財務省に利用されたリフレ派
リフレ派の理論は、財務省にとって都合が良いものでした。
なぜなら、金融政策を重視することで「財政出動を増やす必要はない」という口実になるからです。
これにより、財務省は緊縮財政を続けつつ、景気対策の責任を日銀に押し付けることができました。
その結果、財政の役割は縮小し、日本経済の回復は遅れました。
ケインズ経済学の逆襲
MMTは、ケインズ経済学が強調した「有効需要の創出」という考え方を現代の通貨制度に合わせて再構築したものといえます。
ケインズが1930年代に示した「不況時は政府が支出を拡大せよ」という原則を、MMTは自国通貨発行権の理論と組み合わせ、インフレを唯一の制約として積極財政を正当化します。
これは新自由主義的な財政均衡主義に対する理論的な反撃とも言えます。
王道の資本主義
貨幣発行には限界がない
自国通貨を発行できる政府は、理論上、財源が尽きることはありません。
必要な支出は通貨発行によって賄えるため、財政赤字そのものが制約になることはありません。
唯一の制約はインフレ率であり、物価が安定している限り、政府は財政支出を通じて経済を支えることが可能です。
この仕組みを理解すれば、「国の借金で財政破綻する」という恐怖は根拠を失います。
信用貨幣論
信用貨幣論は、貨幣の価値や流通は実物資産ではなく信用に基づくとする考え方です。
現代の不換紙幣は、金や銀といった商品による裏付けではなく、政府の信用と徴税権によって価値が保証されています。
つまり貨幣は「国家が受け取ることを約束した債務証書」であり、信用が維持される限り、発行量に物理的な制限はありません。
この理解は積極財政の理論的基盤となります。
ケルトン教授の国民経済の解説
ステファニー・ケルトン教授は、政府の赤字は国民の黒字であると説明します。
政府が支出すれば、そのお金は企業や家計に流れ込み、国民の資産となります。
逆に、政府が黒字を目指すということは、国民からその分のお金を吸い上げ、民間の資産を減らすことを意味します。
国家財政を家計簿のように考えるのは誤りであり、国民経済全体での資金循環を見なければなりません。
財政赤字の真実
財政赤字は必ずしも悪いものではなく、むしろ国民経済にとって必要な場合があります。
民間需要が不足しているとき、政府が赤字を出して支出を拡大することで、雇用や投資を促し、経済成長を支えます。
赤字は将来世代への負担ではなく、現役世代への投資でもあります。
重要なのは赤字の規模ではなく、それが何に使われているかという中身です。
国民を赤字にすると宣言する恐るべき国
政府が「財政黒字化」を政策目標に掲げることは、裏を返せば国民から資金を吸い上げることを意味します。
政府の黒字は国民の赤字であり、民間の資産を減らす政策です。
これを長期間続ければ、消費や投資が縮小し、経済全体が貧しくなります。
国民経済の視点を無視した財政黒字至上主義は、極めて危険な政策です。
量的緩和は国債の貨幣化に過ぎない
量的緩和は、中央銀行が国債を市場から買い入れ、銀行の当座預金を増やす政策です。
これは実質的に国債を貨幣に置き換える行為であり、すでに「国債の貨幣化」は行われています。
それにもかかわらず、インフレが急騰していない事実は、国債発行=危機という考えが誤っていることを示しています。
量的緩和は金融市場の安定には寄与しますが、実体経済の需要創出には限界があります。
国民を豊かにするのが資本主義
本来の資本主義は、企業活動によって付加価値を生み出し、それを賃金やサービスを通じて国民全体に還元する仕組みです。
国民の所得が増え、消費や投資が活発化することで経済が成長します。
しかし、利益を一部の資本家や株主だけが享受する構造になると、資本主義は健全に機能しません。
資本主義の目的は、社会全体を豊かにすることにあります。
グローバル投資家だけが潤う国に未来はない
近年の経済は、グローバル投資家や多国籍企業が利益を独占し、国内の労働者や地域経済に還元されない構造が強まっています。
企業は国内投資や賃上げよりも株主還元や海外投資を優先し、その結果、国内の需要や産業基盤が弱体化します。
国民全体の所得向上が伴わない成長は持続不可能であり、こうした経済構造のままでは国の未来は暗いものになります。
令和の政策ピボット
グローバリズムのトリニティ
グローバリズムの三位一体は、「自由貿易」「資本の自由移動」「労働力の自由移動」で構成されます。
これらは一見すると経済発展を促進するように見えるが、実際には国内産業の空洞化、雇用の不安定化、賃金低下を招き、国家の経済的基盤を弱体化させる危険性があります。
保守主義
保守主義は、国家の歴史や文化、伝統を重んじ、急激な変化よりも安定的な発展を志向する思想です。
しかし、現代日本では一部の自称「保守」勢力が、実際にはグローバリズム的政策を推進しており、国益を守るという本来の保守の役割から逸脱しています。
反グローバリズム派の矛盾
反グローバリズムを唱える政治勢力や論者の中にも、移民政策や外資優遇政策を推進するなど、実際の行動が主張と矛盾している場合があります。
このため、国民は表向きの言葉に惑わされず、具体的な政策内容を精査する必要があります。
日本の医療保険市場を狙う外資
日本の国民皆保険制度は世界的に優れた制度だが、外資系保険企業はこれを民営化・自由化させ、市場として取り込もうと画策しています。
民営化が進めば、医療格差が拡大し、低所得層が必要な医療を受けられなくなる恐れがあるのです。
売国的な観光ビジネス
観光立国政策の名のもとに、外国資本が観光地やインフラを買収し、地域経済の利益が海外に流出するケースが増えています。
短期的な訪日客増加に依存する経済構造は、長期的な国力低下につながります。
国家を破壊する水道法改正
水道法改正により、水道事業の民営化や外資参入が可能になりました。
水は国民生活の基盤であり、営利企業や外国資本の支配下に置かれれば、料金の高騰や供給不安が発生するリスクが高まります。
世界中が廃絶に動く商品を日本は輸入
世界的に健康や環境への悪影響が指摘され、廃止・規制の流れにある農薬や食品添加物、遺伝子組み換え作物などを、日本は依然として輸入・流通させています。
これは国民の健康や農業の安全性を損なう要因となります。
農協を「悪者」に仕立て種子法を廃止
主要農作物種子法は、国や自治体が優良な種子の生産・普及を行うことを義務づけていたが、廃止により民間や外資が種子市場を支配する余地が生まれました。
これにより、農家が高額な種子を購入せざるを得なくなる危険があるのです。
農地を外国に開放
外国資本による農地取得が進めば、食料安全保障や国土保全が脅かされます。
農地は単なる資産ではなく、国家の存立に直結する戦略資源であるため、外国への開放は極めて危険な政策なのです。
亡国の移民政策
労働力不足対策として進められる移民受け入れは、低賃金競争や治安悪化、社会的摩擦を招く可能性があります。
短期的な経済利益のために、長期的な社会の安定を犠牲にする危険な選択肢となり得ます。
保守もリベラルも推進したグローバリズム
本来、思想的立場が異なるはずの保守とリベラルの双方が、経済分野ではグローバリズムを推進してきました。
このため、国民は選挙で政権交代しても基本的な経済政策が変わらず、国益を守る方向への転換が行われなかったのです。
右派も左派も移民を推進
右派は経済成長のため、左派は人権や多文化共生の名目で移民政策を進めました。
結果として、日本は移民流入による社会構造変化の影響を十分に議論しないまま受け入れを拡大してしまいました。
反グローバリズムの先頭に立つイギリス
イギリスはEU離脱(ブレグジット)によって、経済や政治の主権を取り戻そうとしました。
これはグローバリズムによる国内産業や社会の疲弊への反発であり、自国主導の経済政策への転換を象徴しています。
自国通貨建ての国の可能性
自国通貨を発行できる国は、財政破綻の心配なく政府支出を拡大できます。
外貨建て債務を抱える国とは異なり、インフレ制御さえできれば積極的な財政政策で経済を立て直すことが可能なのです。
MMTが財務省の嘘を暴く
現代貨幣理論(MMT)は、日本政府の「財政赤字は危険」という主張が事実でないことを明らかにしています。
自国通貨建て国債の発行は破綻リスクを伴わず、必要な公共投資を行うことができるのです。
政策ピボット
政策ピボットとは、これまでの緊縮財政やグローバリズム依存型の政策から、自国通貨発行を活用した積極財政や内需拡大へと方針転換することを意味します。
この転換が実現すれば、経済成長と国民生活の向上が可能となります。
まとめ
日本は長年、GDP成長の停滞、地方衰退、少子化、東京一極集中、緊縮財政による政府投資の抑制など、複合的な課題に直面しています。
こうした背景には、財政均衡主義や国債発行を過剰に恐れる政策思想、大平正芳政権以降の経済運営の呪縛があります。
政府支出を拡大すべき局面でも、財政規律が優先され国民生活や生産基盤が犠牲になってきました。
主流派経済学は貨幣を有限資源のように扱う「貨幣のプール論」や「セイの法則」、商品貨幣論などの誤りを抱え、トリクルダウン理論やデフレ軽視、政府の役割の過小評価といった誤った前提が政策判断を誤らせています。
ケインズ経済学の積極財政論は長く否定されてきましたが、現代の状況はその再評価を促しています。
MMTは「自国通貨建ての国は財政破綻しない」という事実を踏まえ、貨幣発行には実質的な制限がなく、インフレ率こそが上限であると説きます。
税金は財源ではなく、インフレ抑制・所得再分配・通貨価値維持のために存在するという立場です。
日本は長期的なデフレと低成長の中で、むしろMMTの正しさを証明しており、財政赤字拡大を恐れる必要はありません。
日銀当座預金や量的緩和の実態、財務省に利用されたリフレ派の誤算なども指摘されます。
本来の資本主義は国民を豊かにすることが目的であり、貨幣発行や財政赤字はそのための手段です。
しかし現代日本では、グローバル投資家だけが利益を得る構造になり、国内経済や生活基盤が損なわれています。
令和時代の政策転換には、グローバリズム依存からの脱却が不可欠です。
外国資本による医療保険市場の侵食、観光立国戦略の行き過ぎ、水道事業の民営化、農業分野の規制緩和や種子法廃止、外国による農地取得、移民政策の拡大など、国家の主権や社会基盤を損なう動きが続いてきました。
右派も左派もグローバリズム推進で一致してきた中、反グローバリズムに舵を切る国々(例:イギリス)の動きは注目に値します。
三橋氏は、自国通貨建ての国の強みを活かし、MMTを前提とした積極財政へ政策ピボットすることで、国民生活の安定・成長、地方再生、産業強化を実現できると提案しています。
日本経済の再生には、財務省や主流派経済学の誤った前提を見直し、真に国民を豊かにするための国家戦略を再構築する必要があると結論づけています。


コメント