シミの原因は多岐にわたり、主に紫外線、摩擦や刺激、肌トラブルによる炎症、食生活、生活習慣、加齢、女性ホルモン、温度差、皮脂などが挙げられます。
紫外線(UV)によるシミ
メラニンの過剰生成と蓄積
紫外線を浴びると、肌の細胞を守るためにメラニンという物質が作られます。
通常、メラニンは肌のターンオーバー(細胞の生まれ変わり)によって排出されますが、過剰に作られたり、ターンオーバーが遅れたりすると、肌にメラニンが溜まってシミとなります。
肌機能の異常
長期間紫外線を浴び続けると、肌の機能が異常を起こし、紫外線を浴びていない時でもメラニンを作り出す指令をメラニン細胞に送り続けることがあります。
これにより、メラニンを持つ細胞がいつまでも残ったり、増えたりします。
老人性色素斑
紫外線によるシミは「老人性色素斑」と呼ばれます。
肌の奥への影響
紫外線にはUVA、UVB、UVCの3種類があり、特にUVAは私たちが浴びる紫外線の約90%を占め、エネルギーはさほど強くないものの肌の奥深く(真皮)まで到達し、シミやたるみの原因となります。
UVAは気温や曇りの日に関係なく、ガラスも透過するため注意が必要です。
過去の影響
若い頃に浴びた紫外線の影響が、30代や40代になってからシミとして現れることがあります。
特に、炎天下で急激に紫外線を浴びたことにより、花びらのようなシミができることもあります。
目の影響
目から紫外線が感知されると、脳から指令が出て体中のメラニンが増えることもあります。
摩擦・刺激によるシミ
物理的刺激とメラニン生成
肌が摩擦などの物理的な刺激を受けることによって、メラニン色素が生成されます。
特徴
紫外線によるシミよりも薄い茶色や肌全体がくすんだような色になることがあります。
具体的な例
身体
肩や背中、座りっぱなしの人は腰やお尻にできやすいです。
ナイロンタオルや固めのスポンジで洗う、毎日同じ場所で肩のマッサージ機を使う、いつも同じ肩に荷物をかけるといった習慣が原因となります。
顔
クレンジング時に目の周りを強くこする、マスクによる摩擦、落ちにくいファンデーションを強い洗浄力のクレンジング剤で落とす際に頬骨などの硬い部分を強くこすると、肌の保護膜が剥がれ、角質が増殖して黒ずみが生じることがあります。
これは慢性的な摩擦性皮膚炎と考えられます。
メラノサイトの活性化
刺激はメラノサイトを活性化させ、メラニン生成を促します。
表皮細胞で生成される炎症物質「GMCSF」がメラノサイトを刺激することも分かっています。
肌トラブルによる炎症
炎症後色素沈着
背中ニキビや湿疹ができやすい方は、炎症が治まった後にシミになりやすいです。
通常は自然に薄くなることもありますが、繰り返したり、適切なケアを怠ると、なかなか消えないシミになってしまいます。
虫刺され
虫刺されの後に肌に炎症が起こると、メラニンが生成され、色素沈着を起こしてシミになることがあります。
食生活によるシミ
参加しやすい油(リポフスチン)
40歳以降(早い人では30代)に増えるシミの主な原因物質として「リポフスチン(老化色素)」が挙げられます。
これは、これまでに摂取してきた酸化しやすい油が過酸化脂質となり、タンパク質と結合したものです。
原因となる油
サラダオイル、手頃なオリーブオイル、米油、菜種油、ごま油、キャノーラ油、えごま油、亜麻仁油、市販のドレッシングやマヨネーズ、加工食品に含まれる植物油脂、炒め物や揚げ物などです。
メカニズム
これらの油は脂肪組織に蓄積され、皮脂として排出される際に過酸化脂質となり、皮膚で炎症を起こしてシミとなっていきます。
特にオメガ6系脂肪酸は過剰摂取すると酸化を促進し、シミ、シワ、ニキビ、乾燥肌の原因となります。
アルデヒド
植物性の油が体内で酸化して生成される「アルデヒド」は毒性が高く、皮膚に沈着すると肌がその毒性から身を守るためにタンパク質の色素を沈着させ、シミとなるという考え方もあります。
これは紫外線を上回る根本的なシミの原因とされています。
食品
ケーキ、クッキー、チョコレート、コーヒーフレッシュ、ホイップクリーム、アイスクリームなど、多くの加工食品に植物油脂が含まれています。
甘いもの
糖分の過剰摂取はタンパク質の糖化を促進し、肌のくすみを引き起こし、ターンオーバーを遅らせてメラニンが蓄積しやすくします。
また、炎症を悪化させ、シミの増加につながります。
食品添加物
食品添加物を消化する際に、体は不要なものを分解・排出しようとしますが、この時に「活性酸素」が大量に発生し、メラニン生成を促進してシミの原因となります。
カフェイン
カフェインの摂りすぎは、肌のメラニンを拡散させ、広範囲にシミを作る原因となる可能性があります。
ソラレンを含む食べ物
レモン、グレープフルーツ、キウイ、オレンジなどのソラレンを多く含む食べ物は、摂取後約2時間から紫外線吸収のピークを迎え、最大7時間その状態が続くとされています。
日中の外出がある場合は、朝に摂取するのを避け、夜に摂ることが推奨されます。
鉄剤
体が処理できないほどの量の鉄剤を長期的に摂取すると、炎症を引き起こし、最もたちの悪い活性酸素であるヒドロキシラジカルを生成します。
特に更年期を迎える女性でシミができやすくなると言われています。
食間を空けすぎる・厳しい糖質制限
糖質(エネルギー源)が不足すると、体は脂肪を分解してエネルギーにします。
この時、蓄積された酸化しやすい油が血中に遊離し、シミの原因物質を増やすことになります。
発酵していない大豆製品
豆乳や豆腐などの発酵していない大豆製品を大量に摂取すると、大豆イソフラボンの女性ホルモン様作用により、炎症を起こしやすい体になり、シミができやすくなる可能性があります。
抗酸化物質の不足
ビタミンCやEなどの抗酸化物質が不足すると、メラニン合成やリポフスチンの蓄積が抑制されにくくなります。
生活習慣によるシミ
睡眠不足・ストレス・疲労
これらは肌のターンオーバーを乱し、メラニンが排出されずに残りやすくなります。
ストレスは肝斑を悪化させることが知られており、ストレスホルモン(コルチゾール)やアドレナリンがメラノサイトを刺激します。
睡眠不足は肌の修復機能を妨げます。
喫煙
活性酸素を増やし、ビタミンCを破壊し、肌のターンオーバーを乱します。
運動不足
筋肉から分泌される「マイオネクチン」というホルモンは、摩擦などによる色素沈着で起こる炎症成分「IL-1α」を抑える美肌ホルモンとして知られています。
夜の強い光
スマートフォンやテレビなど夜間の強い光は、肌の細胞が感知して体内リズムが乱れ、肌の修復が追いつかなくなり、炎症が続いてメラニンが増加する可能性があります。
夜間の光刺激は、翌日の紫外線に対する肌の感受性を高めることも分かっています。
ターンオーバーの乱れ・遅延
肌の生まれ変わり(ターンオーバー)のサイクルが乱れたり遅れたりすると、メラニン色素が肌に留まりやすくなり、シミや肌のくすみにつながります。
加齢によるシミ
ターンオーバーの遅延
加齢とともに肌のターンオーバーが遅くなるため、メラニンが肌に蓄積しやすくなり、シミが増えていきます。
リポフスチン
40歳以降に出るシミは老化色素と呼ばれるリポフスチンが原因の一つとされており、老化現象の一つです。
女性ホルモンによるシミ
炎症の促進
女性ホルモン(エストロゲン)は炎症を起こすホルモンでもあります。
更年期
更年期には女性ホルモンの分泌量は減少しますが、臓器によってはエストロゲンが上昇した状態となり、炎症が起こりやすくシミができやすくなります。
特に酸化した油を多く摂取していると、その傾向が強まります。
ピル
ピルを長期的に服用していると女性ホルモンが過剰になりがちで、更年期を迎える前からシミができやすくなる可能性があります。
温度差によるシミ
メラニン刺激因子の増加
冷暖房の効いた室内と屋外との温度差や、マスクの着脱による皮膚温度の変化(5℃~10℃程度)は、メラニンを刺激する因子(aitlg)を増やし、シミを濃くする原因となります。
ターンオーバーの低下
温度差は細胞の生まれ変わり(ターンオーバー)を低下させ、メラニンの排出を遅らせることで、シミやくすみの原因にもなります。
皮脂によるシミ
有利脂肪酸の影響
皮脂が多い人は肌が黄ばんで見える「皮脂焼け」と呼ばれる現象が起きることがあります。
皮脂の中に含まれる「有利脂肪酸」という成分が増えると、肌に炎症が起こり、表皮細胞で炎症物質(GMCSF)が産生され、メラノサイトを刺激してシミが増えるメカニズムが確認されています。
夏場の増加
この有利脂肪酸の割合は冬よりも夏に増えるため、夏場は特に皮脂ケアが重要です。
これらの要因が単独で、あるいは複合的に作用してシミを形成します。
シミの種類によっては、化粧品で対処できるもの(表皮に限定されるものやターンオーバーで排出が見込めるもの)と、医療機関での治療が必要なもの(真皮に色素が落ち込んだものなど)があります。


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