ジョシュ・カウフマン教授は、著書「たいていのことは20時間で習得できる 忙しい人のための超速スキル獲得術」(原題: The First 20 Hours: How to Learn Anything… Fast)やTEDxでの講演を通じて、新しいスキルを効率よく習得するための実践的な方法を提唱しています。
一般的に「1万時間の法則」として知られる、熟練レベルに達するまでの膨大な時間に対し、カウフマン教授は「20時間あれば、全くの初心者から、ある程度満足できるレベルまで上達できる」と主張しています。
これは、プロフェッショナルを目指すのではなく、「楽しんで続けられるレベル」「恥ずかしくない程度」を目指すことを前提としたものです。
そのための効率的な学習方法は、以下の4つのステップにまとめられます。
スキルを分解する(Deconstruct the skill)
目標を明確にする
まず、そのスキルを使って最終的に何ができるようになりたいのかを具体的に定義します。
例えば、「ウクレレが弾けるようになりたい」であれば、「好きな曲を数曲、コードを弾きながら歌えるようになりたい」といった具体的な目標を設定します。
サブスキルに細分化する
多くのスキルは、複数の小さなサブスキルの集合体です。
目標達成に必要なサブスキルを洗い出し、さらに細かく分解します。
例えば、ウクレレであれば、「コードを押さえる」「ストロークをする」「楽譜を読む」「リズムを取る」などがサブスキルになります。
重要な要素から優先的に練習する
分解したサブスキルの中で、目標達成に最も影響を与える、つまり「最小限の時間でパフォーマンスを向上させる」ために重要な要素を特定し、そこから優先的に練習します。
ウクレレであれば、まず基本的なコードをいくつか覚えることが、多くの曲を弾くための近道になります。
自己修正できるだけ学ぶ(Learn enough to self-correct)
過剰な学習を避ける
必要以上に多くの情報源(本、DVD、オンラインコースなど)を集めて、実際に練習を始める前に「学びすぎ」てしまうことを避けます。
これは単なる先延ばしになる可能性があります。
実践に必要な情報に絞る
実際に練習を開始し、自己修正(うまくいかなかったときに、その原因を理解し、やり方を変えられるようになる)できるだけの知識を得ることを目的とします。
3〜5つ程度の信頼できる情報源があれば十分とされています。
試行錯誤しながら学ぶ
実際に手を動かし、間違いから学び、改善していくことが重要です。
練習の障害を排除する(Remove practice barriers)
集中できる環境を作る
練習を妨げるもの(スマートフォン、テレビ、インターネット、他の用事など)を徹底的に排除し、集中できる環境を整えます。
意思の力を節約する
練習に取り掛かるための意思の力を最小限に抑えるように工夫します。
例えば、練習に必要な道具をすぐに手に取れる場所に置く、練習時間をスケジュールに組み込むなどが有効です。
物理的・精神的な妨げを取り除く
気が散る要素を減らすことで、実際に練習に取り組む可能性が高まります。
最低でも20時間は練習する(Practice at least 20 hours)
「苛立ちの壁」を乗り越える
新しいスキルを学び始めると、最初は「自分が情けないほど下手だ」と感じる「苛立ちの壁」に直面することがよくあります。
多くの人はここで挫折してしまいます。
初期の不快感を乗り越える
この初期の不快感を乗り越えるために、最低20時間は集中して練習する時間を確保します。1日30分程度でも、約40日間で20時間に達します。
20時間の目標設定
この20時間は、「プロになる」ための時間ではなく、「楽しめるレベル」「ある程度のことができるレベル」に到達するための投資と捉えます。
この最初の20時間をやり遂げることで、自信がつき、その後の学習継続のモチベーションにもつながります。
これらのステップを踏むことで、効率的に新しいスキルを習得し、学習の初期段階での挫折を防ぎ、楽しみながらスキルアップを図ることができます。


コメント