小規模企業共済の貸付制度

お金

小規模企業共済の貸付制度は、共済契約者が積み立てた掛金の範囲内で事業資金などの貸し付けを受けられる制度です。

以下に、その仕組みやメリット、活用の考え方について詳しく解説します。

貸付制度の基本概要

小規模企業共済は節税効果が高いことで知られていますが、この貸付制度を有効活用することでそのメリットを最大化できます。

貸付限度額

これまで積み立てた掛金合計額の約7割から9割(平均して8割程度)の範囲内で借り入れることが可能です。

審査の不要とスピード

銀行融資とは異なり、審査が不要です。

例えば、100万円程度の積立があれば、商工中金などの窓口で手続きを行うことで、20分程度で現金を手にすることも可能です。

借入利率

利率は年1.5%です。

毎年この利息を支払うことで、借入を継続することが可能です。

資金の使い道とその解釈

申し込みの際には「借入目的」を記載する必要があります。

一般的には「事業資金(運転資金)」として申し込むことが推奨されています。

使途の柔軟性

建前上は事業資金などとされていますが、実際には借りたお金を何に使ったかのチェックは一切ありません。

そのため、利息さえ適切に支払っていれば、実質的には生活費やその他の用途に充てても問題になることはほぼありません。

資産運用への活用

借入利率が1.5%であるのに対し、例えばNISAや投資信託などで年4%程度の運用ができれば、その差額分を得にできるという考え方もあります。

「お金に色はついていない」という考え方

借りたお金を直接投資に回すのではなく、「共済から借りたお金を事業に入れ、もともと事業用として持っていた自分のお金を浮かせて資産運用に回す」といった解釈をすれば、倫理的にも実務的にも問題ないとされています。

他の制度との併用(ダブル節税)

貸付制度を利用して、iDeCo(個人型確定拠出年金)などの他の節税制度の掛金に充てることで、さらなる節税を図ることも可能です。

ただし、企業型確定拠出年金などは給与天引きが原則であるため、直接貸付金を投入するのではなく、「貸付金で減った手取り分を補填する」という流れになります。

廃業・解約時の取り扱い

共済を解約したり、廃業に伴い共済金を受け取ったりする際に貸付金が残っている場合は、受け取る共済金と貸付金が相殺されます。

1,000万円の積立があり、800万円を借りていた場合、手元に入るのは差額の200万円となります。

税務上の注意点

実際に手元に入るのが200万円であっても、退職所得などとして課税対象になるのは、相殺前の「1,000万円」となります。

ただし、退職所得控除などの優遇があるため、大きな問題にならないケースが多いです。

まとめ

この貸付制度は、自分の預けているお金を担保に借りる仕組みであるため、非常に自由度が高く、かつ迅速に利用できるのが特徴です。

多くの税理士は保守的なアドバイス(使途を厳格に制限するなど)をすることが多いですが、お金の相互補完性を理解し、ルールの中で柔軟に活用することが推奨されています。

最後に

小規模企業共済の貸付制度は、「自分専用の、いつでも引き出せる低金利の予備ポケット」のようなものです。

貯金(積立)を崩さずに、その貯金の信用を使ってすぐにお金を引き出せるため、急な入用や効率的な資産運用のためのツールとして非常に強力です。

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