運動脳

健康

アンデシュ・ハンセンさん著書、御舩由美子さん訳「新版・一流の頭脳 運動脳」。

脳にとって最高のエクササイズとは身体を動かすことです。

精神科医としてベストな処方、それは運動です。

身体を動かすのであれば、どんなことでも有効であり、その一歩一歩が脳にとって価値がある。いつ、どこで、何をするかは大した問題ではありません。

身体を動かすことほど脳に影響するものはありません。

脳は頭を働かせようとするより、身体を動かすことでこそ威力を発揮する器官らしいです。

現代人はほとんど原始人

現代人の生活と原始時代の人々の生活習慣には根本的な違いがあります。原子時代の人々は、現代人よりもはるかによく動くと言う点です。

ある動物実験で、ケージで飼育されているマウスのうち、回し車をこいだマウスは脳の老化が遅いことがわかったのです。

ウォーキングを1年間続けた人たちは、健康になったばかりでなく、脳の働きも改善していました。

脳全体の働きが1年前より向上していたのです。身体を活発に動かしたこと、つまりウォーキングが何らかの作用によって、脳内の結合パターンに良い影響を与えたのです。

身体を活発に動かした人の脳は、機能が向上し、加齢による悪影響が抑制され、むしろ脳が若返るのです。

運動によって、脳は物理的に変えられます。

しかも、その活動を特別に長く続ける必要はなく、20分から30分ほどで十分に効果があります。

ランニングによって、脳を変えるメカニズムにはGABA(ギャバ、ガンマアミノ酪酸)と呼ばれるアミノ酸が関係しています。

GABAは脳内の活動を抑制して、変化が起こらないようにする、いわばブレーキの役目を担っています。

しかし、身体を活発に動かすとそのブレーキが弱まります。

運動によってGABAの脳を変えまいとする作用が取り除かれるのです。

そうなると脳は柔軟になり、再編成しやすくなります。

運動を習慣にしていれば、あなたの脳は「子供の脳」に近くなっていくのであります。

脳からストレスを取り払う

あなたがランニング、あるいはサイクリングなどの運動すると、それを続けている間は、コルチゾールの分泌量が増えます。

なぜなら、肉体に負荷がかかる活動は一種のストレスだからです。

運動が終われば、身体はもうストレス反応を必要としないので、コルチゾールの分泌量は減り、さらにランニングを始める前のレベルまで下がっていきます。

ランニングを習慣付けると走っているときのコルチゾールの分泌量は次第に増えにくくなり、走り終えたときに下がる量は逆に増えていきます。

定期的に運動を続けていると、運動以外のことが原因のストレスを抱えている時でも、コルチゾールの分泌量はわずかしか上がらなくなっていきます。

運動によるものでも、仕事に関わるものでも、ストレスに対する反応は、身体が運動によって鍛えられるにしたがって徐々に抑えられていくのです。

つまり運動がストレスに対して過剰に反応しないように身体をしつけるのです。

単に運動したために、全般的にいくらか気分が良くなっているだけでなく、身体を活発に動かしたことで、ストレスに対する抵抗力が高まるのです。

運動は「長時間1回」より「短時間数回」の方が断然効果があります。

運動によって筋肉量が増えることを知らない人はいません。ですが、その筋肉よりもはるかに複雑な脳と言う器官もまた運動によって大きくなるのです。

南米の研究では、運動が理由なきイライラを沈めるベストな策として研究され、運動によって、子供たちが健康になり、自信や幸福感も増したことが明らかになりました。

ストレスや不安も大幅に緩和されていたのです。

運動によって、思春期の子供たちの心が穏やかになり、不安感も治まり、自信も増していたのである。

フィンランドの研究では、週に2回以上運動をしている人はストレスや不安とほぼ無縁であることがわかっています。

賢く、ストレスや不安を解消するには、運動をする時間を作って、気分が爽快になり、ストレスを減らすことです。

この運動時間の投資は仕事の質を向上させてくれます。時々仕事の時間を30分ほど運動に回せば、その日の残りの時間は帰って、仕事がはかどること、間違いなしであるのです。

ランニングとウォーキングでは、どちらが効果が高いのか、答えはランニングです。

不安を軽減したい場合は、肉体にある程度の負荷がかかる方が効果は高いのです。

ジョギングを走り終えたときに、気分は穏やかになり、脳内でエンドルフィンとドーパミンと呼ばれる物質が放出されて快感を覚えます。

つまり身体を動かすことで、心拍数や血圧が上がってもそれは不安やパニックの前触れではなく、良い気分をもたらしてくれるものだと運動が脳に教え込むのです。

集中力を高めたければ、運動は日中の早い時間、少なくとも午前中に行えばしばらくは効果が続きます。

運動してから数時間経つと効果は徐々に薄れていきます。

一般的に集中力が必要なのは、昼間であって、夜ではありません。

可能であれば30分続けてみると、充分な効果が期待できます。

運動と鬱

実は運動には抗鬱剤と同じ効果があります。

ただし、ランニングを1階につき30分以上は続ける必要があります。

できれば週に3回行った方が良いでしょう。

効果が実感できるまで数週間かかりますが、もし聞けば抗鬱剤と同じ効果があります。

運動を続けると全般的に健康になり、夜もぐっすり眠れ、短期記憶や集中力も改善します。

職場でも、家庭でも些細なことで不安を覚えなくなり、ストレスも減ります。

運動は副作用が一切ない薬です。

少しだけ気持ちが滅入っている人でも、深い苦悩を抱えている人でも、大抵は運動すれば晴れやかな気分になれるのです。

うつ病ではない患者が抗鬱剤を処方されたとしても、ほとんどの場合、目立った効果はありません。

しかし運動するとうつ病とまではいかないが、気持ちがふさいで仕方がないと言う場合にも目覚ましい効果があります。

症状の程度にかかわらず、運動をすれば誰でも気持ちが晴れ、悲観的な考えが浮かばなくなり、自尊心も高まると言う恩恵に預かれるのです。

うつ病の治療に最も効果がある運動はランニングです。

一方で、ウォーキングに鬱病を防ぐ効果があることも明らかになっています。

毎日20分から30分ほど歩くことで、うつ病を予防できて気持ちが晴れやかになるのです。

運動を定期的に行った人は、幸福感が増す上に、わずかですが、性格も変わることがわかっています。

記憶力を高める

運動以上に記憶力を高められるものはありません。

週に数回ほど早足で歩いたり、走ったりするだけで、脳の老化が食い止められ、むしろ若返り、おまけに記憶力まで強化できるのです。

持久力系のトレーニングを定期的に3ヶ月続けた場合、単語を暗記する能力がかなり上がると言う研究結果があります。

動きながら覚えると定着率が段違いに良くなります。

もし暗記力を最大限に上げたいのであれば、運動と暗記を同時に行うことをお勧めします。

つまり歩きながら暗記するのです。

暗記に限って言えば、ウォーキングや軽いジョギングに最も効果が期待できます。

疲労を覚えるほど運動すると、かえって逆効果になります。

学力を伸ばす

子供の記憶力や学習能力を驚異的に伸ばす方法として、科学の研究が立証したもの、つまり、身体活動にこそ着目すべきなのです。

研究で、毎日体育の授業を受けた生徒は、週に2回の生徒よりも体育の成績が良かったのは当たり前の結果ですが、予想外だったのは、算数や国語英語でも良い成績を取ったことです。

ただ、体育の授業を増やしただけで、生徒のほとんどが優秀な成績で学校を卒業したのです。

この効果は、男子生徒に目立って現れました。

学校の成績は大抵女の子が男の子を上回るものだが、体育が毎日行われたクラスでは男女差は全く見られなかったのです。

体力のある子供は、海馬が大きいことがわかっており、子供でも身体を鍛えれば、脳の重要な部位である海馬が大きくなるのです。

大人の脳がたちどころに運動に反応するように、子供の場合でも運動すると、たちまち脳の働きが良くなって理解力が増します。

9歳児が20分運動すると、1回の活動で読解力が格段に上がったと言うデータがあります。

たった1度の運動で、子供の学力に変化があったのです。

そのメカニズムはまだ詳しくは解明されておらず、だが、子供が運動した直後に、物事に集中できる時間が長くなる事は立証されています。

たった4分の運動を1度するだけでも、集中力と注意力が改善され、10歳の子供が気を散らすことなく、物事に取り組めることも立証されました。

毎日たくさん歩いた子供は、あまり歩かなかった子供に比べてストレスを感じにくく、精神状態も安定しているのです。

子供が潜在的な能力を存分に発揮するには、身体を活発に動かさなくてはならないのです。

子供が毎日15分遊べば、読書や勉強をしなくても、読解力や計算力が上がると言う話もあります。

学校でも職場でも立って作業すると、脳が効率よく働きます。

身体をよく動かせば、筋力トレーニングで筋肉が鍛えられるように、運動すれば、子供でも大人でも知能が高くなります。

大人と同様に重要な点は、子供たちが何をして身体を動かすかではなく、とにかく身体を動かすことです。

最大の効果を得るためには、子供たちが少なくとも30分活動を続けることが望ましいです。

もちろん短い時間でも効果はあります。

健康脳

健康な頭脳が健康寿命を長くします。

毎日、意識的に歩くと、認知症の発症率を40%減らせるという研究もあります。

認知症になるリスクを減らすためには、筋トレよりも歩いたり走ったりする方が効果があります。

日常の範囲で身体を動かすことが病気を寄せ付けない秘訣なのです。

毎日歩いたり、いつも階段を使ったり、目的地の1つか、2つ手前のバス停で降りる、といった小さなことの積み重ねが健康脳につながります。

最後に

身体を動かせば、心身が健康に、脳の働きは強化されます。

ウォーキングやランニングを習慣化することが必須だと思いました。

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